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絶縁DCDCコンバータのノイズ対策

Last updated at Posted at 2021-11-28

概要

ソフトウェアが正しく動くためには健全なハードウェアが必要である。
時に、電源ノイズにより誤作動を引き起こすこともあるため、ソフトウェアデバッグの知識として必要になる場合もある。

ここでは、有名は絶縁DCDCコンバータ MINMAX MAU103 でのノイズ対策対処の実測を載せてみる。

出展元:

計測条件

  • ノイズを計測用の基板を作成し実施。
  • 負荷は 100Ω抵抗 (9v 出力のため、90mAの負荷になる)
  • 出力部からBNCケーブルを引き出し、直接オシロスコープへ入力 (x1 動作)

  • 治具の様子
    image.png

  • 回路図

※回路図は全パーツを載せた状態で書いています。実験では、インダクタ(L1)やコモンモードフィルタ(FL1, FL2)は0Ω抵抗でバイパス、他パーツは未実装の状態からパーツを追加実装していき特性変化を計測します。

image.png

使用するパーツ

問題波形の拡大図

約120MHz となっている模様。

image.png

対策結果

(1) 何もなし(負荷のみ接続) : 238.00 mV

image.png

(2) 100uF のみ : 82.40 mV

image.png

(3-a) 100uF + 10uF x4 : 87.20 mV

image.png

(3-b) 100uF + C3に1000pF : 15.20 mV

image.png

C3~C6 それぞれの位置での効果は以下の通り。
MAU103ではC3の位置がベストという結果に。

実装位置 スパイクノイズ
C3 17.80 mV
C4 32.60 mV
C5 21.40 mV
C6 24.20 mV

(3-c) 100uF + コモンモードフィルタ : 10.80 mV

image.png

(4-ab) 100uF + 10uF x4 + C3に1000pF : 8.72 mV

image.png

(4-ac) 100uF + 10uF x4 + コモンモードフィルタ : 10.40 mV

image.png

(4-bc) 100uF + C3に1000pF + コモンモードフィルタ : 5.24 mV

image.png

(5) 100uF + 10uF x4 + C3に1000pF + コモンモードフィルタ : 観測限界以下

※中央のスパイクは環境ノイズ

image.png

まとめ

  • スペースが許すなら、コモンモードフィルタは入れて設計するべき。スペースがない場合は、C3 を最優先に入力/出力側にMLCC を入れる。当然、今回のヤツを全部入れられるなら入れると良い。
  • コモンモードフィルタは、かなり効いた。
  • C3, C4, C5, C6 は、C3 での効果が大きかった。最適な箇所は、使用する絶縁DCDCコンバータにより変わるらしい。
  • L1のフェライトビーズを入れてみたが、今回の周波数では優位に作用しなかった。
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