はじめに
LM337を使って負電圧作ったら、発振してたのでちょっと調べてみた。
LM337 って何?
俗にいう定電圧レギュレータというやつで、一定の電圧を出力してくれる便利デバイスです。
3端子レギュレータが包含関係になります。
LM337仕様書:
http://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/lm337-n.pdf
定電圧レギュレータスペックまとめ
LM337 | LM317 | LM350 | LM338 | NJM7805(3端子レギュレータ) | TPS7A4700 | LT3042 | |
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入力電圧Vi[V] | Vo - (3.0 ~ 40) | Vo + (3.0 ~ 40) | Vo + (3.0 ~ 40) | Vo + (3.0 ~ 40) | 6.4 ~ 35 | 3~36 | 1.75 ~ 20 |
出力電圧Vo[V] | ~ -1.25 | 1.25 ~ | 1.25 ~ | 1.25 ~ | 5.0 | 1.4~34 | 0 ~ 15 |
最大電流[A] | 2.2 | 2.2 | 4.5 | 8.0 | 1.5 | 1.26 | 0.2 |
ノイズ | 0.003% (150 uV@-5V) | 0.003% (150 uV@5V) | 0.001% (50 uV@5V) | 0.003% (150 uV@5V) | 45 [uV] | 4 [uV] | 0.8 [uV] |
Ripple Rejection [dB] | 77 | 80 | 86 | 75 | 78 | 78 | 117 |
Line Regulation | 0.02 %/V | 0.02 %/V | 0.02 %/V | 0.005% | 50 mV | 0.092 %Vo | 0.5 uV/V |
Load Regulation | 0.3% (15mV@5V) | 0.3 % (15mV@5V) | 0.3 % (15mV@5V) | 0.1 % (5mV@5V) | 50 mV | 0.3% Vo (15mV@5V) | 0.1 mV |
Impedance[Ω] @ 100 Hz | 0.007 | 0.003 | 0.0013 | 0.0002 | ? | ? | ? |
Impedance[Ω] @ 1k Hz | 0.006 | 0.0027 | 0.0035 | 0.002 | ? | ? | ? |
いざ、発振!
出力側(C1)に積層セラミックコンデンサ(X7R特性以上)を付けて、発振負荷領域を探してみる。
- 入力電圧は 5V としている。(5VはLM350で生成)
- 出力電圧は 3.3V としている。(R1=120,R2=200となる)
- Cadjは、無し。
- 出力の負荷は無し。(R1,R2のみである)
- オシロスコープは、SainSmartの安物。(どこまで信用できるかは謎)
- オシロスコープの時間軸は 20 uSec/div である
評価回路
LM317の場合
LM317 出力コンデンサ:なし → 発振しない
LM317 出力コンデンサ:0.1uF積セラ → 発振しない
LM337の場合
LM337 出力コンデンサ:なし → 発振しない
LM337 出力コンデンサ:0.01uF x5 → 発振しない
LM337 出力コンデンサ:0.01uF x6 → 発振する
LM337 出力コンデンサ:0.1uF → 発振する
LM337 出力コンデンサ:0.1uF x10 → 発振する
LM337 出力コンデンサ:0.1uF x16 → 発振する
LM337 出力コンデンサ:0.1uF x17 → 発振する
LM337 出力コンデンサ:0.1uF x18 → 発振する
LM337 出力コンデンサ:0.1uF x19 → 発振しない
まとめ
- LM337は、発振しやすい!!
仕様書に「solid tantalum or 10-μF aluminum electrolytic required for stability」って書いてあるくらいだし。 - 0.05uF ~ 1.8uF の間が発振しやすい模様。
- 負荷容量と発振の特性は、シャントレギュレータのTL431 のC,Bあたりの領域とかなり被る
使うときは気を付ける。以上!