2018年2月24日:現状に合わせて修正。
序段
Raspberry PiやOrange PiといったSBC(Single Board Computer)を触っていると、搭載されているWifiやBluetoothといった無線機能が日本で使用してもいいのか気になることがあります。
この「無線機能が日本で使用してもいいのか?」という証明が技術基準適合証明、通称「技適」です
ここでは気になるボード(SBC)に技適があるのかの調べ方を記録しておきます。
どこに行ったら調べられる?
無線・電波の管轄省庁は総務省です。総務省の電波利用ホームページの以下を確認しましょう。
目的地は「 電波利用に関する制度」 → 「無線局機器に関する基準認証制度」 → 「制度の概要」ときて「 技術基準適合証明等を受けた機器の検索」です。
すでに技適が取れている、取れているはずの機器の確認。
例えば手元にあるスマホのYmobileのAQUOS Xx-Yなら「設定→端末情報→技術基準適合証明/FCC」を確認すると、以下のような画面が確認できます。
この数字の中の「R」001-P00701が「技術基準適合証明番号」です。
この番号を総務省のページの方で入力してみましょう。以下のように入力し、下部の送信ボタンをクリックしてください。
すると以下のような画面が出てきます。
YmobileのAQUOS Xx-Yは機種名としてはSHARPの404SHですから、ちゃんとあっているようです。
ここで知っておきたいのは、1機種なのに7行も内容がある点です。違いは「特定無線設備の種別」の項。
これは簡単に言うとLTE、Wifi、Bluetoothなどで異なる、電波周波数帯・仕様ごとに1行あるということです。
1つの証明番号に複数の周波数帯の認可を含めているというのがわかりやすいでしょうか。
ちなみに4行目の「第2条第19号に規定する特定無線設備」というのがWifiとBluetoothの認証にあたる…はず。(細かく分かれていてちょっと自信がない)
Raspberry Pi 3 Model Bの技適の確認
SBCの技適の確認をしてみましょう。
Raspberry Pi 3の証明番号は取扱説明書に書かれていますが、まずは検索の機能のみで探してみましょう。
入力の仕方は、「型式又は名称」の項に「Raspberry Pi」と入力するだけです。
すると出てきた画面はこの通り。
Raspberry Piという名のつく製品はRaspberry Pi 3のみ。まだZero Wはないようです。
追記:2018年2月現在、Zero Wは型式が「Zero W」で見つかります。
そしてRaspberry Pi 3 はWifiとBluetoothが使えるはずなのに1行「第2条第19号に規定する特定無線設備」だけですね。
番号も取扱説明書に書かれているものと一致します。
ちなみに「第2条第19号」がどのような内容を含むかは、「 特定無線設備の技術基準」でわかります。
19号を探すと「2.4GHz帯高度化小電力データ通信システム」とあって、リンクがあります。リンク先には電波の規格基準が書いてありますが周波数帯、電力、ホッピング周波数などの内容から、第2条第19号だけでWifiもBluetoothも両方に対応してると…思います。きっと。
Raspberry Pi Zero Wの技適の確認
追記:2018年2月 本項追記
前項にて「型式:Raspberry Pi」ではZero Wが見つからなかったのですが、Zero Wはどこに行ったのでしょうか?
Zero Wの基板をお持ちの方でしたら「番号:007-AF0005」で調べてれば見つかることが想像できると思いますが、型式ではうまく見つかりません。
色々検索した結果「氏名又は名称:Raspberry」で見つかりました。以下が結果です。
氏名又は名称が「Raspberry Pi 」(RとPが全角)
型式が「Zero W」(ZとWが全角)
となっています。…何考えてこうなってるんでしょうかねぇ。
技適のあるWifiモジュール、ESP-WROOM-02の場合
前項と同じように「型式:ESP-WROOM-02」でもよいのですが、登録者(開発元)でも調べてみます。
ESP-WROOM-02の開発元は「Espressif Systems」なので、「氏名又は名称」に入力します。
そして検索結果がドーンと画像を出すと長いので結果だけ書くと、
「ESP-WROOM-02」「ESP-WROOM-32」「ESP8266EX Module Test Board」の3機種が見つかりました。
「ESP8266EX Module Test Board」なんてあったんですね。見たことありませんわ。
技適のなさそうなSBC達
ざっくり以下のキーワードで探して一件も見つかりませんでした。
「Orange Pi」「Xunlong Software」
「Banana Pi」「sinovoip」
「NanoPi」「FriendlyElec」「FriendlyARM」
「CuBox」「SolidRun」
「CHIP」「C.H.I.P.」
調べてて見つけた変なもの
「CHIP(正しい製品名はC.H.I.P.)」を調べてて見つけた「MoCoMi Chip(国立大学法人 神戸大学)」
加速度センサを搭載したnRF24E1というのが概要だが…「TWELITE 2525A」の方がよさそu(ゲフンゲフン
まぁそれよりも…シャレか!と言いたくなりますな。
「Google」で調べると、ChromecastやChromeaudio(の型式)が見当たりますが、その中に「HOME」もありますね。登録日が平成29年3月23日。発売予定が夏頃と言われています。「H0A」という型式も見つかりますが、そちらはHome Miniのようです。
「Amazon」で調べても「ECHO」「Fireタブレット」などは出てきません。
どうもAmazonではなく製造元が技適もFCCも登録しており、さらに製品ごとに製造元がバラバラ。
製品名(KindleとかECHOとか)ではなく型式名(ECHOだとSK705DI)で登録されているため、非常に探しにくい。製品を持っていてFCC・技適番号がわかっていないと大変。
どうもAmazonはブランド名を付けて売るだけのようですね。
詳しくはロボスタさんの該当ページに書かれております。
後序(ってあとがきの事ね。)
そもそも本文を書こうとした理由は、
「Orange Piシリーズには技適はないよな。そういやRaspberry Pi Zero Wの発売はまだだが、技適ってどうなってるんだろう?」
という疑問でした。
総務省での調べ方自体は、ESP-WROOM-02が発売されたことがきっかけで知ってはいたのですが、
もっといい調べ方は無いのかなとQiitaで検索してみると…無かった!
いや、ESP-WROOM-02の技適を調べられた方はおられるのですが、総務省のページであーだこーだ検索するって内容のものはありませんでしたので記録として書いてみましたとさ。
みなさんも総務省のページを活用して変なデバイスを探してみてください(ぇ