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ディスク情報を取得するコマンドを試作してみました

Last updated at Posted at 2019-12-08

この投稿は「さくらインターネット Advent Calendar 2019」の9日目の記事です。

概要

  • ディスク情報を取得するコマンドを Go 言語で実装してみました。
  • さくらのクラウドで試してみます。
  • コマンドの仕様について説明します。

動機について

普段 Go 言語をメインで使っているので、Go 製のライブラリやツールなどをよく検索しています。
そんな中、Go 言語で実装されたハードウェア情報を取得するツール ghw を見つけたのですが、ghw をはじめ、udevadm infoutil-linuxfindmnt などがどのようにディスク情報を取得しているのかが気になり、学習がてら実装してみました。

ディスク情報を取得する試作コマンドについて

以下がリポジトリとなります。

なお、本コマンドを実行するには、大雑把に言いますと、Linux であり、systemd が使われており、コンテナではない環境が必要になります。
ここでは例としてさくらのクラウドの Ubuntu 18.04 を利用してみます。

さくらのクラウドのサーバで試す手順について

ご紹介したい機能がありますので、シンプルモードではない方法で説明します。
サーバの追加画面から、右上の「シンプルモード」のチェックを外します。

simple.png

サーバの詳細な作成画面から、仮想コアやメモリや OS などを埋めた上で「ディスクの修正」の項目まで進みます。
「github.comから取得」を設定すると、指定したアカウントの公開鍵があらかじめサーバに設定されます。

add_server.png

非常に便利ですので、ぜひご利用ください。

サーバ作成後、ssh でログインもしくはコントロールパネルの「コンソール」のタブから作業をしてみることとします。
「コンソール」のタブから作業する場合は、以下の位置になります。

console.png

コマンドのインストール方法について

こちらの README.md にも記載していますが、

$ wget https://github.com/blp1526/blkinfo/releases/latest/download/blkinfo_linux_x86_64.tar.gz
$ tar zxvf blkinfo_linux_x86_64.tar.gz

を実行し、コマンドをインストールしてから、

$ ./blkinfo /dev/vda3

を実行してみると、若干の差異はあると思いますが、以下のようなディスク情報が JSON で取得できると思います。
なお、Ubuntu 18.04 のパブリックアーカイブでない場合には /dev/vda3 は存在しないかもしれませんので、別のパスを指定してみてください。

{
  "path": "/dev/vda3",
  "resolved_path": "/dev/vda3",
  "parent_path": "/dev/vda",
  "child_paths": [],
  "sys_path": "/sys/block/vda/vda3",
  "resolved_sys_path": "/sys/devices/pci0000:00/0000:00:05.0/virtio2/block/vda/vda3",
  "sys": {
    "uevent": [
      "MAJOR=252",
      "MINOR=3",
      "DEVNAME=vda3",
      "DEVTYPE=partition",
      "PARTN=3"
    ],
    "slaves": [],
    "holders": []
  },
  "major_minor": "252:3",
  "udev_data_path": "/run/udev/data/b252:3",
  "udev_data": [
    "S:disk/by-uuid/xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx",
    "S:disk/by-partuuid/xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx",
    "S:disk/by-path/virtio-pci-0000:00:05.0-part3",
    "S:disk/by-path/pci-0000:00:05.0-part3",
    "W:4",
    "I:1583813",
    "E:ID_SCSI=1",
    "E:ID_PART_TABLE_TYPE=gpt",
    "E:ID_PART_TABLE_UUID=xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx",
    "E:ID_PATH=pci-0000:00:05.0",
    "E:ID_PATH_TAG=pci-0000_00_05_0",
    "E:ID_FS_UUID=xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx",
    "E:ID_FS_UUID_ENC=xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx",
    "E:ID_FS_VERSION=1.0",
    "E:ID_FS_TYPE=ext4",
    "E:ID_FS_USAGE=filesystem",
    "E:ID_PART_ENTRY_SCHEME=gpt",
    "E:ID_PART_ENTRY_UUID=xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx",
    "E:ID_PART_ENTRY_TYPE=xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx",
    "E:ID_PART_ENTRY_NUMBER=3",
    "E:ID_PART_ENTRY_OFFSET=8392704",
    "E:ID_PART_ENTRY_SIZE=33548288",
    "E:ID_PART_ENTRY_DISK=252:0",
    "E:net.ifnames=0",
    "G:systemd"
  ],
  "mount_info_path": "/proc/self/mountinfo",
  "mount_info": {
    "mount_id": "28",
    "parent_id": "0",
    "major_minor": "252:3",
    "root": "/",
    "mount_point": "/",
    "mount_options": [
      "rw",
      "relatime"
    ],
    "optional_fields": [
      "shared:1"
    ],
    "filesystem_type": "ext4",
    "mount_source": "/dev/vda3",
    "super_options": [
      "rw",
      "errors=remount-ro",
      "data=ordered"
    ]
  },
  "os_release_path": "/etc/os-release",
  "os_release": {
    "BUG_REPORT_URL": "https://bugs.launchpad.net/ubuntu/",
    "HOME_URL": "https://www.ubuntu.com/",
    "ID": "ubuntu",
    "ID_LIKE": "debian",
    "NAME": "Ubuntu",
    "PRETTY_NAME": "Ubuntu 18.04.3 LTS",
    "PRIVACY_POLICY_URL": "https://www.ubuntu.com/legal/terms-and-policies/privacy-policy",
    "SUPPORT_URL": "https://help.ubuntu.com/",
    "UBUNTU_CODENAME": "bionic",
    "VERSION": "18.04.3 LTS (Bionic Beaver)",
    "VERSION_CODENAME": "bionic",
    "VERSION_ID": "18.04"
  }
}

自作コマンドの仕様について

出力されたフィールドについて説明します。

  • path
    • コマンドの引数として与えたパスを入れています。
  • resolved_path
    • path がシンボリックリンクだった場合 resolved なパスを入れています。
      • 例えば、 path として /dev/disk/by-uuid/xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxxあたりのパスを指定したとすると、そのパスの resolved なパスが入ることになります。
  • sys_path, parent_path, child_paths
    • sys_path/sys 配下のディレクトリから、指定したディスクの情報を取得できるパスを入れています。
    • parent_path, child_paths は、sys_path から見て、親階層、子階層のブロックデバイスを入れています。
  • resolved_sys_path
    • sys_path はシンボリックリンクのため、そのパスの resolved なパスを入れています。
  • sysuevent, slaves, holders
    • sys_path ディレクトリの uevent ファイルの中身と、slaves, holders ディレクトリに存在するファイルの情報となります。
    • slaves, holders は LVM の OS をブートしたときに存在するようです。さくらのクラウドを利用して検証する場合には、ISO イメージからサーバを作成し、パーティションの作成時に LVM を指定するとよさそうです。
  • major_minor
    • デバイスのメジャー番号とマイナー番号をコロンで結合したものを入れています。デバイスのメジャー番号とマイナー番号は、(たとえば) lsblk コマンドで表示でき、 cat /proc/devices で一覧を確認できる番号となります。
  • udev_data_path, udev_data
    • udev_dataudevadm info /dev/vda3 などで取得できる情報を入れています。 udev_data_path から取得できるものです。
      • udevadm info がどこから情報を取得しているのか man などからわからなかったため、strace udevadm info /dev/vda3 でファイルを開いている場所を探し、当たりをつけました。
      • ソースコードはこのあたりでしょうか...
  • mount_info_path, mount_info
    • findmnt コマンドで取得できる情報が欲しくて追加したフィールドです。 path で指定したブロックデバイスがマウントされているのであれば、値を入れるようにしています。
    • findmnt コマンドについては man 8 findmnt/proc/self/mountinfo を参照していることがわかりました。
    • ただ、 /proc/self/mountinfo で表示される各項目が何を表しているのか不明でしたので、調査したものをコメントとして https://godoc.org/github.com/blp1526/blkinfo#MountInfo に残してあります。
  • os_release_path, os_release
    • マウントポイント + /etc/os-release から取得できる os-release の情報を入れています。
      • マウントポイント + /etc/os-release という実装にしたので、たとえば Ubuntu サーバ内の /mnt に CentOS のディスクをマウントしていた場合、その CentOS のブロックデバイスのパスをコマンドの引数として指定すれば、(Ubuntu ではなく)CentOS の /etc/os-release の情報が取得できます。

まとめ

コンテナ上では /dev 配下などの問題でこのコマンドは実行できず、 さくらのクラウドという IaaS で検証できるものとして、この記事を書いてみました。
以上、「さくらインターネット Advent Calendar 2019」の9日目の記事でした。

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