この記事はPONOS Advent Calendar2021の5日目の記事です。
昨日は@FW14Bさんの「VSCodeのインテリセンスが機能しなかったときに確認すること」でした。
概要
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dotnet-format
とは - 何が良いのか
- インストール方法
- 使い方
- 設定
- オプション
dotnet-format
とは
C#やF#, VBのコードをフォーマット(整形)してくれるツール(フォーマッター)です。
(私はC#以外で使ったことは無いですが)
設定にもよりますが、こんなコードを
// 例: 整形前
using System.Linq;
using System;
namespace FormatSample
{
class Program
{
static void Main(string[] args) { Console.WriteLine("Hello World!");
foreach(var arg in args){
Console.WriteLine(arg);
}
}
}
}
このように整形してくれます。
using System;
using System.Linq;
namespace FormatSample
{
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
Console.WriteLine("Hello World!");
foreach (var arg in args)
{
Console.WriteLine(arg);
}
}
}
}
上記の場合変わったところは
- usingを名前順で並び替え
- インデントの修正
-
foreach
の後ろにスペースを追加 -
{
,}
の後ろに改行を追加
です。
何が良いのか
チーム開発などではコードが決まった形に整形されることで、書いた人間によるコードの書き方の違いが消えるためコードが読みやすくなります。
そのためコードレビューで細かい書き方に注意を払う必要がなくなりロジックなど必要な箇所を見ることだけに集中できます。
またフォーマッターで修正できる範囲であればコーディング規約に従っているかを気にしてコードを書く必要がないので、コードを書く側もコードの内容に集中できます。
個人開発でもフォーマットされたコードのほうが気持ち良いので気分が良くなります。(個人の感想です)
インストール方法
dotnet
コマンドがすでに使える状態であれば
dotnet tool install -g dotnet-format
でインストール可能です。
プロジェクトのローカルにインストールしたいのであれば
dotnet tool install --local dotnet-format
とします。
ただしプロジェクトのローカルにインストールする場合はマニフェストファイルが必要です。ない場合は先に
dotnet new tool-manifest
でマニフェストファイルを作成しておきましょう。
使い方
csproj
が1つしか無いディレクトリであれば
dotnet format
というコマンドだけでフォーマットしてくれます。
sln
やcsproj
が複数という構成プロジェクトの場合は
dotnet format [<PROJECT | SOLUTION>]
というように引数にsln
かcsproj
を渡してworkspaceを指定してやる必要があります。
Unityのプロジェクトはまさにそういう構成なので
dotnet format Assembly-CSharp.csproj
というようなコマンドを叩く必要があります。
設定
.editorconfig
にdotnet-format
の設定を書くことでコマンド実行時にその設定を読み込みフォーマットを行ってくれます。
.editorconfig
ファイルが何かわからない方はEditorConfig
で調べてみてください。
どのような設定があるかはdotnet-formatの設定を確認してください。
dotnet_sort_system_directives_first = true
としておくとusing Xxx.Yyy
が名前順にかつSystem.Zzz
が先頭くるようにソートされるのでおすすめです。
dotnet-formatの設定の例をほとんどそのままコピーしてくればいい感じにしてくれます。
オプション
dotnet format [options] [<PROJECT | SOLUTION>]
のようにworkspaceの前にオプションを指定することができます。
dotnet-formatコマンドの説明に有効なオプションが書いてあります。
よく使いそうなのは
--include <ファイル or ディレクトリ>
ファイルかディレクトリを指定してフォーマットの対象にします。スペース区切りで複数指定可能。
単一のファイルだけフォーマットしたいときなどに使えます。
--exclude <ファイル or ディレクトリ>
ファイルかディレクトリを指定してフォーマットの対象から除外します。スペース区切りで複数指定可能。
プロジェクト内の自分が書いたものではないコード(Unityのパッケージとか)を除外するのに使えます。
--check
フォーマットせずにフォーマットされているかだけを判断できます。
フォーマットされていないプルリクエストを拒否するなどで使えます。
あたりだと思います。
リンク先に--check
は書いてありませんがdotnet format --help
で出てきます。
注意
dotnet format --include Bar.cs Foo.csproj
のように--include
オプションを使用した場合、最後の引数のworkspaceが--include
オプションの引数として扱われてしまいます。
(おそらく--exclude
でも同じことがおきます)
その場合は
dotnet format --include Bar.cs -v d Foo.csproj
のように別のオプションを挟むことで解決できます。
まとめ
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dotnet-format
はC#/F#/VBのコードをフォーマットしてくれるツール - 使用することでコードが読みやすくなる
- コードの整形をフォーマッタに任せることでコードを書くことに集中できるようになる
- インストールは
dotnet tool install -g dotnet-format
ordotnet tool install -g dotnet-format
- 設定は
.editorconfig
に書く - オプションは
dotnet format [options] [<PROJECT | SOLUTION>]
の形式で指定する
記事中のリンク
dotnet-format
dotnet-formatの設定
dotnet-formatコマンドの説明
明日は私(@block)です。