LoginSignup
12
11

More than 5 years have passed since last update.

Aframe + Vue を使ってOculusGoでWebVRを(なるべく簡単に)はじめる

Last updated at Posted at 2018-12-13

はじめに

Oculus Rift Advent Calendar 2018の14日目の記事です。
OculusといえばUnityやUE4による開発がメジャーですが、中にはブラウザ上でVRをやってみたい!という変態人たちも結構います。
しかし、いざ AframeReact360(元ReactVR) のページを見ても「よくわからん・・・」という人が多く、断念している人が多いと思います。

Aframeって何?

ざっくり説明すると、ブラウザ上でHMDやCardboard対応の3Dレンダリングを簡単に行えるフレームワーク(内部的にはthree.jsのVR向けラッパーライブラリ群)です。 公式サイトのデモでブラウザ上で3Dモデルが表示されていると思います。

右下のアイコンをクリックすると

といったVRおなじみの画面が出てくると思います。

Aframeを実際に使用するまでがわかりにくい

公式サイトのインストール項目を見ると、英語慣れしていないと何をすればよいのかわかりにくいです。
ここの項目は開発スタイルごとのHowTo的な話が盛り込んであり、Aframeを使うという意味では下の2項目になります。

Include the JS Build

HTMLからビルド済みファイルを使用する方法です。scriptタグを使ってCDNからファイルをロードします。

<head>
  <script src="https://aframe.io/releases/0.8.0/aframe.min.js"></script>
</head>

Install from npm

パッケージ管理ソフトのnpmからAframeを利用できるようにします。単純にモジュールをローカルに持ってくるだけで実際に使用する時はnodeモジュール利用時の作法を守っていく必要があります。(本来 npm init を行ったり、コマンドも npm install aframe --save としてモジュールをdependenciesに追加する必要があるのですが、説明がありません)
さらに項目の続きに

  • If you use npm, you can use angle, a command line interface for A-Frame. angle can initialize a scene template with a single command:

とあり、angle自体は簡易的なジェネレータで、テンプレートのpackage.jsonに記述されている構成が古い(webpackが2.7で止まってたり、babelの設定が含まれていない、など)ため、これを使ってAframeの開発することはおすすめしません。

Vue CLIを使ってみる

Vue CLIはVueのためのCLIですが、ジェネレータが優秀で、Webpack導入からBabelの設定まで設定してくれるため、Aframeの開発にも利用すると、開発が非常に楽になります。
とりあえず、Vue CLIのインストールは省略し、ジェネレータから作成する場合に、どのようにAframeを含めていくかやっていきます。

ジェネレータを使用してプロジェクト作成する

コンソールから以下のコマンドを打ちます。[任意のプロジェクト名]の箇所は自分の好きな名前をつけてください

vue create 任意のプロジェクト名

するとCLIの選択画面が出てくるので、下にカーソルをあわせてエンターキーを押します

Vue CLI v3.1.3
┌───────────────────────────┐
│  Update available: 3.2.1  │
└───────────────────────────┘
? Please pick a preset: (Use arrow keys)
   default (babel, eslint) 
❯  Manually select features 

とりあえずはBabelLinter / Formatter にチェックがはいっていればOKです。エンターキーを押します

? Check the features needed for your project: 
❯◉ Babel
 ◯ TypeScript
 ◯ Progressive Web App (PWA) Support
 ◯ Router
 ◯ Vuex
 ◯ CSS Pre-processors
 ◉ Linter / Formatter
 ◯ Unit Testing
 ◯ E2E Testing

ESLint + Standard configにカーソルを合わせてエンターキーを押します

? Pick a linter / formatter config: 
  ESLint with error prevention only 
  ESLint + Airbnb config 
❯ ESLint + Standard config 
  ESLint + Prettier 

Lint on save にチェックが入っていればOKです。エンターキーを押します

? Pick additional lint features: (Press <space> to select, <a> to toggle all,
 <i> to invert selection)
❯◉ Lint on save
 ◯ Lint and fix on commit

どちらでも良いのですが、個人的に In dedicated config files のほうが管理しやすいです。エンターキーを押します

? Where do you prefer placing config for Babel, PostCSS, ESLint, etc.? (Use a
rrow keys)
❯ In dedicated config files 
  In package.json 

これまでのプリセットを保存して別のプロジェクトで使い回すか?という内容が表示されます。 N をタイプしてエンターキーを押します

? Save this as a preset for future projects? (y/N) 

インストールが終了するまで待ちます。終わったらエディタでプロジェクトが入ったフォルダを開きます。以下の例ではvscodeを利用しています。

code 任意のプロジェクト名

Aframeを追加する

package.json があるプロジェクトのルートディレクトリに移動し、以下のコマンドを利用します。 パッケージ管理ソフトはyarnをおすすめします。

yarn add aframe

HelloWorldのコードを書いていく

(任意).eslintrc.js書き換え

Linterに手を加えます。好みの問題になるのですが、自分は普段このような設定を使っています。個々の設定の意味はESLintのルールを見ると良いでしょう

module.exports = {
  root: true,
  env: {
    node: true,
  },
  'extends': [
    'plugin:vue/essential',
    '@vue/standard',
  ],
  rules: {
    'no-extra-semi': 'warn',
    'no-undef': 'warn',
    'quotes': ['error', 'single'],
    'space-before-function-paren': ['error', 'never'],
    'arrow-parens': 0,
    'generator-star-spacing': 'off',
    'no-console': process.env.NODE_ENV === 'production' ? 'error' : 'off',
    'no-debugger': process.env.NODE_ENV === 'production' ? 'error' : 'off',
  },
  parserOptions: {
    parser: 'babel-eslint',
  }

main.js書き換え

エントリーポイントになっているmain.jsを書き換えます。ファイルはsrcフォルダ内に入っています。
import 'aframe'を追加します。

import Vue from 'vue'
import App from './App.vue'

import 'aframe'

Vue.config.productionTip = false

new Vue({
  store,
  render: h => h(App)
}).$mount('#app')

App.vue書き換え

App.vueはルートVueインスタンスになるもので、ここに子になるコンポーネントが追加されていきます。同じくsrcフォルダ内にあります。
.vueファイルはテンプレートとスクリプトに別れており、template(html)の記述とjsのスクリプトを一つにまとめて書くことができます。
以下のように書き換えます。


<template>
  <div id="app">
    <aframe-window></aframe-window>
  </div>
</template>

<script>
import AframeWindow from './components/AframeWindow'

export default {
  name: 'app',
  components: {
    AframeWindow
  }
}
</script>

HelloWorld.vue削除、AframeWindow.vueを新規作成

プロジェクトのルートディレクトリ以下から、 /src/components/HelloWorld.vue を削除、同じディレクトリにAframeWindow.vue を追加し、以下のよう内容にします


<template>
  <div id="aframe-window">
    <a-scene background="color: #ECECEC" embedded>
      <a-box position="-1 0.5 -3" rotation="0 45 0" color="#4CC3D9"></a-box>
      <a-sphere position="0 1.25 -5" radius="1.25" color="#EF2D5E"></a-sphere>
      <a-cylinder position="1 0.75 -3" radius="0.5" height="1.5" color="#FFC65D"></a-cylinder>
      <a-plane position="0 0 -4" rotation="-90 0 0" width="4" height="4" color="#7BC8A4"></a-plane>
    </a-scene>
  </div>
</template>

<style>
@media only screen and (min-width: 640px) {
  #aframe-window {
    width: 640px;
    height: 320px;
    margin-left: auto;
    margin-right: auto;
  }
}

@media only screen and (max-width: 640px) {
  #aframe-window {
    width: 320px;
    height: 320px;
    margin-left: auto;
    margin-right: auto;
  }
}
</style>

<script>
export default {
  name: 'AframeWindow'
}
</script>

これだけでAframeで開発を行う準備ができました。ここからVueやAframeの世界がまっています!

ローカルサーバーを起動する

上記ファイルを保存後、以下のコマンドを実行します

yarn run serve

起動に成功すれば以下のようなメッセージが出ます。
PCとOculusGoが同じルーターに繋がっている場合は Network の箇所のアドレスをOculus Goのブラウザで開くことができます。
スクリプトのファイルを保存するたび、自動ビルド+ブラウザリロードがかかるので、すばやく開発をしていくことができます。

 DONE  Compiled successfully in 1179ms

  App running at:
  - Local:   http://localhost:8080/
  - Network: http://192.168.***.***:8080/

Aframeの開発にVueを使うメリットは?

今回は時間がなくてあまり説明できませんでしたが、Aframeの開発にVueを用いる理由として、

  • AframeはDOM操作を意識しないとオブジェクト間の連携ができない。が、Aframe自体はDOM操作が得意ではない
  • VueはDOM操作を意識しなくてもDOM構造をいじることができるので、よりプログラマブルに記述できる
  • AframeとVueどちらもコンポーネント指向のため、書いたコードがどのように動くのか把握しやすい
  • Vue CLIがめんどくさい設定を殆どやってくれるので、初期設定で悩むことが少ない

など、お互いのメリットを生かして利用できるため、それぞれ別の目的のフレームワークでありながら、共存させることができ、とても強力な組み合わせになっています。
また、AframeもVueもドキュメントが豊富で、リファレンスに困ることが少ないというメリットもあります。

Vueについてはこちらを参照するとわかりやすいかもしれません。

12
11
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
12
11