~第三話:上司の命令って大体雑~
白「よっしゃ、データも見れるし、会員データとか商品データも繋いだから原因もわかるようになったで!」
ゾウ「俺のおかげだろ焼き肉おごれよ」
白「金ないからソフトカルビな。」
ワニ「おーやっとるか」
いつもの通り暇そうなアホが女をはべらせて登場する。
白「ぐは」
お気づきかとは思うがゾウはもう居なかった。ワープしたのか10m程離れている自席で既にパソコンをカタカタやっている。
ワニ「ぐはってなんだよwおー確かに売上とかが俺でも分かるようになったわ。さっき経営会議あったんだけど上層部にも説明しやすくて助かったわ。でかしたな」
猫「やっぱり部長凄い!!カッコよかった!!」
ワニ「ガハハハハ!まあ俺がやらせたんだから当たり前だけどなwwやっぱりマーケティングというのは(うんちく)」
白「(この女も意味不明だな。。いっそ二人でロケットに乗って宇宙の塵になれよ)」
ワニ「じゃあ売り上げの出る企画の方も頼むわ。」
白「(うわ。。。忘れてた。そしてコイツ面接出る意味あんのかよ)はっはっは!お任せください!」
~帰宅後~
白「はー施策どうすっかな。。。また適当にクーポン撒いたろかww俺も使えるしなwwよっしゃ1000円以上で1000円OFFで良いやww売上凄くなるでwww」
黒「お前それは見方を変えたら横領だろ・・・あと費用対効果考えたら何の意味もないやん。。。」
白「あ、兄貴!」
黒「その施策のKPIって何?あと、施策ってちゃんと状況を考えないと。もうレジに並んでる人にクーポン配っても無駄なんやぞ。ちゃんとそれがなければ買わない人を買わせるようにしないと」
白「そ、そりゃもちろん!売上が100万で購入は1000件購入単価は1000円が目標や!!(適当)」
黒「・・・それってクーポンの目的達成してんの?クーポンの目的って何?セグメントは??」
白「・・・え?売上だけど。おめえ面白いこと言うなー?オラおでれーたぞ。事業は売り上げが全てだぞ。オラ知ってっぞ。部長も売上しか見てねーんだぞ」
黒が深いため息をつく。。。こういう安易な施策設計は意外と多い。
黒「それじゃダメだろ。。。色々セグメント考えろよ。そのための可視化だろ?過去のクーポンデータも見てみて傾向をつかんで・・・クーポンで1000円払って売上1000円だったら商品が無くなる分損してるだろ?お金あげてるだけじゃんw」
白「はっ!確かにw頭いいね兄貴!損してんじゃんwww」
黒「おい」
白「はい」
黒「KPI施策設計やり直し」
白「・・・はい。申し訳ございませんでした。」
マーケティング・コンテンツ担当の視点
今、マーケティング施策やコンテンツ作成をしているディレクター業務を実施している方々はいらっしゃるでしょうか?そしてKPI設計はどのくらい実施しているでしょうか?
どんな施策にも目的があるはずです。その為には達成べきKPIがあるはずです。色々なやり方はあると思いますが、私がKPIを設計する場合、以下の3つの指標構成を意識しています。
■売上をKGIと置いたとき
・関連指標
「購入数」「購入単価」「CVR」「訪問数」等の『相互の指標に関連性があるもの』です。
例えば購入単価を上げれば購入数がそのままでも売り上げが上がりますし、CVRを上げれば訪問数がそのままでも売り上げは上がるという様に相互が関連している指標です。
⇒この指標のメリットは目的として明瞭であるということです。実際に各数字を目標にしてアップすることができたとき、ほかの関連数値がそのままであることが前提ですが、理論上売上が確実にアップするため成果として分かりやすいからです。
しかしこの関連指標だけを目的にすると柔軟な各種施策に対応したKPI設計を実施することはほとんどできません。そこで次の指標が重要になってきます。
・準関連指標
「直帰率」「回遊数」「滞在時間」「会員登録数」等の関連指標と比較すると相互に直接的な繋がりは無いものの間接的には相関関係がありそう、もしくは関連があるとされるもの
⇒仮に直帰率が100%であれば、購入完了画面が入口でない限りは、売上も0円だが直帰率から売上を計算することはできないため、各指標との相関等で調査する。
・非関連指標
相関によってしか判断不可能な指標。たとえ0であっても必ずKGIが0になるとは限らないが、売上との相関が高いという根拠や仮説がある場合のみ取り入れる指標
⇒これらの指標は考えれば無限にあります。よって、切り口や有効性を論理的に考え、本当に有効なものを取捨選択することが必要となってきます。
※指標のつながりのイメージ
【余談】 まずは計測を疑え
よし!数字も揃った!KPI設計や!!ってなるのは分かりますが、ちょっと待ってください。その計測は本当に正しいか検証済みでしょうか?保障された数字でなければ絶対KPI設計に使ってはいけません。確実に詳細を突っ込まれたとき説明できなくなります。
意図しているセグメントが抜けていないか、または、セール等の各種キャンペーンを実施していて集客している増分を加味しているか、無駄なURLが計測に含まれていないか等、論理的に数字を取捨選択してください。この数字の検証が何より大事になってきます。
狙った数字を取得する裏には必ず意図があるはずです。その意図を踏まえた数字になっているか納得いくまで数字を分解して、検証した上で使うようにしましょう。