はじめに
Lightning Network のデーモンの実装である lnd を立てるチュートリアルです。某connpass のイベントで、建てられなかった人が多かったということで、需要があると思い書いた次第。
lnd は、btcd という Go 製のフルノードを使うことを想定して作られていますが、bitcoind も使えますし、macOSならインストールも簡単です。ほとんど迷いなく建てられると思います。今回は testnet です。
bitcoind のインストール
コマンド一発です。
$ brew install bitcoin
bitcoind ではないことに注意。
bitcoind の設定と同期
bitcoind の設定ファイルを書きます。Mac の場合は ~/Library/Application Support/Bitcoin/bitcoin.conf にあります。
testnet=3
txindex=1
daemon=1
server=1
rest=1
rpcuser=REPLACEME
rpcpassword=REPLACEME
rpcport=18332
zmqpubrawblock=tcp://127.0.0.1:28332
zmqpubrawtx=tcp://127.0.0.1:28333
minrelaytxfee=0.00000000
incrementalrelayfee=0.00000010
設定を書いたら起動します。
$ bitcoind
すると同期が始まります。同期の様子は、
$ tail -f ~/Library/Application\ Support/Bitcoin/testnet3/debug.log
などで見ることができます。また、 $ bitcoin-cli getblockcount でいくつブロックが同期されたが確認できます。
全ブロック同期までには数時間かかりますが、たしかすべての同期を待たずして lnd を建てられた気がします。
lnd のインストール
go言語のインストール
$ brew install go
簡単だなあ。
次に、 $GOPATH というものを設定します。どこでもいいのですが、今回はホームディレクトリに設定しましょう。
$ cd && mkdir go
PATHを通します。
export GOPATH=$HOME/go
export PATH=$PATH:$GOROOT/bin:$GOPATH/bin
$ source ~/.bashrc
lnd を github から clone してビルド
$ go get -d github.com/lightningnetwork/lnd
$ cd $GOPATH/src/github.com/lightningnetwork/lnd
$ make && make install
ビルドが終了したら、立ち上げてみます。
lnd --bitcoin.active --bitcoin.testnet --debuglevel=debug --bitcoin.node=bitcoind --bitcoind.rpcuser=REPLACEME --bitcoind.rpcpass=REPLACEME --bitcoind.zmqpubrawblock=tcp://127.0.0.1:28332 --bitcoind.zmqpubrawtx=tcp://127.0.0.1:28333
すると画面に文字が流れ、ウォレットを unlock するか create しろと言われます。はじめなのでもちろん create します。
$ lncli create
適当にパスワードを入力したら終了です！
lnd と会話してみる
lnd の情報を見てみるコマンド
$ lncli getinfo
peer を確認して孤独を癒やすコマンド
$ lncli listpeers
peer につないだり、チャネルを張ったり、送金したりする手順は他の記事に譲ります。
簡単に lnd を立ち上げる
bitcoind と同様に、 ~/Library/Application\ Support/Lnd/lnd.conf に設定を書くことができます。
[Application Options]
debuglevel=debug
maxpendingchannels=10
MinChanSize=20000
maxlogfiles=0
maxlogfilesize=10
[Bitcoin]
bitcoin.active=1
bitcoin.testnet=1
bitcoin.node=bitcoind
[Bitcoind]
bitcoind.rpcuser=REPLACE
bitcoind.rpcpass=REPLACE
bitcoind.zmqpubrawblock=tcp://127.0.0.1:28332
bitcoind.zmqpubrawtx=tcp://127.0.0.1:28333
[Autopilot]
; autopilot.active=1
; The maximum number of channels that should be created.
; autopilot.maxchannels=5
; The percentage of total funds that should be committed to automatic channel
; establishment
; autopilot.allocation=0.6
こんな感じです。 lnd.conf を書くと、煩わしいオプションを指定する必要がなくなり、
$ lnd
だけで lnd が立ち上げられます。