普段からBeamerでVector型(EPS, PDF, SVGなど)の資料づくりを目指している.
Vector型は, どれだけ拡大してもボケないという特徴を持つ形式である.
その際によく使う方法やツールを紹介する.
PDFからPDF形式で図を取り出す
PDFから図を取り出したい時, 「Prt Scr」で画面をキャプチャすると, 拡大した際に図がボケてしまう.
図をきれいに切り出すには, Vector形式で切り出す必要がある.
Windowsでは, 以下のような手順で行うことができる.
- Adobe Acrobat Readerで対象のPDFを開く
-
編集
→スナップショット
を選択 - 切り取りたい箇所を選択
-
Ctrl+P
(印刷)で, プリンターにMicrosoft Print to PDFや**CubePDF**などPDFへの変換が可能なプリンターを選択し, 印刷 (PDFへ変換)する
なお, 4.でPDFのページサイズに合わせて用紙を選択 (Z)
にチェックを入れれば, 自動的に選択範囲に合ったページサイズのPDFが作成される.
選択範囲に厳密に切り出したいときは, 必要な場合にカスタム用紙サイズを使用
にもチェックをいれるとよい.
文字を文字として認識するCubePDFがオススメ.
CubePDFで図が回転してしまう場合, AdobeReaderで印刷を確定した後, CubePDFの「詳細設定」から, ページの向き: 横
を選ぶことで解消される
Libre Office Drawでできること
Libre Office Drawを使うと以下のことが可能となる.
- PDFを編集する
- PDFやEPSを作成する
- TexMathsでLaTeXコマンドが使える
※Libreofficeのアイコンがバグるときは, ツール
->オプション
->表示
->アイコンのスタイル
を変更するとよい.
PDFの編集
あまり知られていないと思う機能.
Ctrl+O
(開く)でpdfを選択すると, 普通に編集ができる.
(注意) DrawにドラッグアンドドロップしてもVector型で貼り付かない.
たとえば, PythonやMatlabのプロットで, 後から色を変えたいとか, フォントサイズを大きくしたいとかなったときに便利.
PDFやEPSの作成
Drawで図を作成後, 出力したい範囲を選択して, ファイル
→エクスポート
から, EPSを選択し, 選択範囲
にチェックをいれて保存すればよい.
圧縮形式は, LZWエンコード
にしておくとよい.
(注意) PDFで出力する場合, 選択範囲
にチェックを入れても, 保存される大きさは, 作成したページのサイズに依存するため, 余白が大きくなってしまうことがある.
これを解決するには, ページサイズを直接変えれば良い.
非常に気づきにくいところにある.
自分は基本的にEPSを使うようにしているが, EPSで表現しきれない情報 (透過色, 縦書き文字列など)を含む場合はPDFを使うようにしている.
LaTeXコマンドを使う
作成する図に$\LaTeX$数式を打ちたいことがあるだろう.
プラグインTexMathsを使うとそれが可能になる.
Downloadしてきて, 開くだけでインストールは簡単にできる.
ファイル
のすぐ下にできる$\pi$アイコンから数式作成が可能.
そのままいつもどおり数式を打てば良い.
-
Image Format
は,svg
必須. -
Transparency
にチェックを入れることで, 白い部分が透過する -
Preamble
からは, $\LaTeX$で使うパッケージ(usepackage)の追加が可能
#Adobe Readerの注釈やコメントをPDFに埋め込む
Adobe Readerの注釈機能で, コメントや色付けしてもBeamerにincludegraphicsすると表示されない.
それを解決するには, CubePDFでPDFとして出力(印刷)すればよい.
#PowerPointにVector型を貼る
PowerPointには, PDFやEPS, SVGが貼れない.
WMF (Windowsメタファイル)なら貼れる.
LibreOfficeから, WMFで図を出力して貼ろう.
WMFで出力するとフォントが変になることがある.
代わりのフォントとして, MS UI Gothic
がおすすめ.
PDF余白削除
texliveを入れると, pdfcrop
というコマンドが使えるようになる.
pdfcrop ファイル名
とすれば, 余白を切り取れる.
PDF・EPS・PS変換
texliveを入れると, 下記のコマンドで変換が可能になる.
コマンド名 ファイル名
でOK.
- epstopdf
- epsからpdfへ
- pdftops, pdf2ps
- pdfからpsへ
- ps2pdf
- psからpdfへ
PDFフォント確認
これもtexliveについてくる: pdffonts ファイル.pdf
数式画像からLaTeXコマンドへ
#まとめ
- Adobe Reader + CubePDFでPDFの切り出しが可能
- Libre Office Draw + TexMathsできれいな図が作成できる
論文にはキレイな図を貼ろう.