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メタバースモブプロを続けてみたまとめ

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この内容は VR・メタバース教育 Advent Calendar 2022の21日目の記事です

メタバースモブプロ

自分はメタバースモブプロを友人たちと1年ほど続けています。元々は2021年の11月頃にあったら便利だなと考えたツールがあって、それをただ自分で作るのではなくて、モブプロで作ってみようと思い友人に声をかけました。最初はzoomを使ってモブプロをやっていましたが、今年の1月ぐらいに突如僕がこのモブプロのプラットフォームをメタバースにしたい!と言い出して、そこからメタバースモブプロをやっています。毎回メタバースでやっているわけではなくイベント2,3回に1回ぐらいの割合です。最近はメタバースの比率は徐々に下がりつつありますが、そういう経緯も含めてやってきたことをまとめてみます。

モブプロのやり方

まずモブプロのやり方ですが、特に難しいことはなく自分的にはプログラムを書いている画面を共有して、それを見ながらみんなでコミュニケーションすれば、それでモブプロと呼んでいいと思っています。実際にやってみると分かりますが、他の人がプログラムを書いているところをただ見るだけでも発見があります。自分では思いもしなかったところからからコードを書きはじめたり、自分ではやらないような操作を見るだけで学べることがあります。さらに他人がやったことの意味や方法が分からなかった場合に質問してみると良いです。この答がより新しい発見につながることもよくあります。

モブプロは手は止めても口は止めない

モブプロで避けた方がいいのは無言でプログラムを組むことです。手が止まるのは全く問題ありませんが、その場合は必ず何を考えているかを口に出すようにすることが重要です。例えばつまっていれば、どこにつまっているかを共有してください。自分以外の人もその問題について同じように考えてくれます。状況によっては一瞬で答えが返ってくることもあります。また自分の行動を口に出しながらプログラムを組むのは自分にとっても発見があります。さらに口にすることで情報が共有されます。本来定例などで口頭や文章で伝えていることよりもより直接的で具体的な情報が短時間で得られます。モブプロでやった範囲のことは参加者全員が近いレベルで共有出来ます。

モブプロは教育か

さて今回のテーマは教育です。モブプロが教育と呼べるかですが、教育素材としてモブプロをやったことはないですが、僕は教育に非常に向いていると思っています。例えば新人教育にモブプロを使えばかなり効率的にプログラミングを教えることが出来ると思います。コードを書いているところを見せるだけでも、もっと言えばコードを書かなくても、決まった一連の作業を一通り実践して見せるだけでも口頭や文章で教えるよりもずっと分かりやすく多くの事を教えることが出来ると思います。

教育とは

学校の教育は先生が生徒に教えます。国語の漢字、算数の九九、社会の歴史。こういったものはやはり授業というスタイルが向いています。答えが一つしかない場合には最も効率的な方法だと思います。一方プログラムは特定の答えを覚えてもあまり意味がありません。そこへ至る工程は人の数だけあり、その行程を自分なりにどう考えるかが重要です。こういったものを教育しようとする場合グループディスカッション形式でやっているところを見せる方法論はとても価値が高いと思います。

モブで教育すること

グループディスカッション形式でやっているところを見せる方法論はモブ「プロ」だけでなくて、他の事にも使える気もします。例えばモブ「デザイン」はどうでしょうか?デザインのような絵を描くことに関しては明確な答えがありません。完成に至る道筋は人の数だけあります。これは結構向いているように思いました。モブ「作曲」はどうでしょう?デザインやプログラムほど行程が見える化しない気もして、やり辛いかもしれません。プログラムやデザインのような完成までの行程がデジタルで少しずつ進むものに関してはモブ○○は教育に向いている気がします。

モブプロのデメリット

モブプロは沢山メリットがありますが、一方でデメリットもあります。一番強く感じているのは、開発速度が出せないことです。最初に書いた通りツールを作ることを目的としてモブプロを始めていますが、実際に成果物に関してはなかなか進んでいません。コミュニケーションするということは言い換えれば全員の意見が同意するまでは話している状態と言えます。全員の合意を取るためにはどうしても時間がかかります。その間はコードは殆ど進みません。なので、急いで作らなければいけなかったり、コードが明確なフェーズであればモブプロよりソロプロの方が速いと思います。

モブプロの進行

ただこれは自分の進行にも問題があると思っていて、そもそも成果を出すことに重きを置いてないのが大きいです。というのも、作るだけなら一人でやった方が良いのにわざわざモブプロにしたのはやはり自分の進行とは全く違う進み方を期待していたので、例えば進行が脇道に反れた場合でも元の方向に戻す努力はほぼほぼしていません。その結果みんなで作っているGitHubのプロジェクトはCI/CDもユニットテストも動くようになっているし、普段の会話用のDiscordや静的情報をまとめるNotionもあります。下手な仕事の環境よりも開発環境としては充実しているんじゃないかと思うレベルです。さらに描画フレームワークの選定やメタバースのアプリ調査のためにまるまる1回使ったり、Unityの勉強会をしたことさえあります。こういうのを全部やめてツールづくりだけに専念するように持っていけばもっと速度は出ると思います。やらんけど。ただ、それが無くてもでやっぱり一人で作るよりは進みは悪いかなと思います。

メタバースとは

モブプロに関しては大体書いたので次にメタバースですが、そもそもメタバースとは何でしょうか?これはあまり明確な定義はまだない気もします。ただ自分はヘッドマウントディスプレイを被ってVR空間上に投影される空間をメタバースと定義しており、アバターを使ったコミュニケーションも必須だと思っています。モブプロには、GatherというRPG風の2次元空間をキャラクタが動いて実際のコミュニケーションはzoomと似た感じで行うツールもあり、これもサイトによってはメタバースと紹介されていますが、やはりちょっと違う気がしています。何故ならヘッドマウントディスプレイを被ってVR空間には特別な意味を感じているからです。

メタバースでモブプロ

モブプロをメタバースでやったみたいと思ったきっかけはこの記事を読んだことです。仕事が出来るならプログラムも組めるだろうし、だったらモブプロをしてみたいと思いました。その後モブプロメンバーに相談した所、最終的には全員乗り気で全員でOculus quest 2を買ってやってみることになりました。4時間のイベントを1回まるまる準備回にしたり、事前に調べた情報はslackにしたりして、第1回はHorizon Workroomsで開催しました。詳細はこちらこちらにもまとめています。

メタバースモブプロのメリット

メタバースでモブプロをするメリットは圧倒的な臨場感だと思います。特にその場でしゃべっているという感覚が強くこれはインパクトがある体験でした。その後続けてみてもzoomよりコミュニケーションの質は1段階上に感じています。理由として全員が同じデバイスを使っているので人によってボリュームが違う事が少なく、環境オーディオで向いている方向に依存した音声が聞こえること、そして手を使ったコミュニケーションも投影されていることなどがあると思います。どれもzoomでは体験できないことでこれがあることでより臨場感のある会話が出来ているなと感じます。

メタバースモブプロのデメリット

ヘッドマウントディスプレイを被りながら、パソコンの操作をすることが難しいのが大きいです。これは訓練や設備投資によって改善は出来ます。ただ、何もつけてない状態に比べれば確実にデメリットはあり、ハンデを抱えながら操作しているのは間違いないです。あと、トラブルとその回避に使う時間はzoomよりも多いです。4時間やっていて途中で1回も切れないことはほぼなく、誰かが定期的に居なくなることはわりと当たり前です。これはVRデバイスとメタバースアプリの向上でどんどん改善する問題だとは思いますが、現段階では使う側の負担は避けられず、分かりやすくいえばメンドウクサイことが多いです。人によって面倒くさいの許容レベルは様々だと思いますが、小さい面倒が沢山積み重なっていくので、定期的に何度も繰り返していると人によってはもういいやと思うことは避けられないと思います。ただこれをメタバースと呼ぶかは微妙ですが、大体のアプリはWeb参加も可能なので開催自体はヘッドマウントディスプレイがなくても可能です

メタバースモブプロをやり続けて

結局書いたようなデメリットもあり、1年を通じてやっていると今回はコードを書くことに集中したいのでメタバースは止めておこう。今回は複数人がトラブったのでメタバースは止めておこうということが何度かありました。その結果として徐々に回数は減っていき、今は理由がない限りはメタバースは使わなくなってきてはいます。個人的にはハードウェアやソフトフェアの進化により状況はどんどん変わっていくと思いますが、現時点の自分にとっては、いくらコミュニケーションの質があがったとて面倒な思いをしてまでやりたい方法論ではなくなりつつあるというのが正直なところです。

メタバースモブプロの教育

で、最後にメタバースモブプロですが、これを教育に使えるかは実際のところは分かりませんが、書いてきた通り非常に大きな可能性は感じています。特にコードを書く、パソコンを操作するという所に特化した使い方では、まだポテンシャルを活かしきれていないように感じていますが、例えばもう少し違う要素で使ってみるとさらに大きな効果が発揮出来る可能性も感じます。メタバースモブプロに対して興味がある人は是非お声がけください。もしかしたら新しい何かが始められるかもしれません。

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