エンジニアたるもの「一次情報にあたれ」
エンジニア界隈では「一次情報にあたれ」という言葉がよく使われる。原書や原典を直接読むべきだという考え方だ。聞いたことがない人はいないと思うが、なぜ一次情報にあたるべきなのか?その理由には、もちろん正当な背景がある
一次情報以外は伝言ゲーム
一次情報とは、その仕組みを作った本人、もしくは最も近い人物が記述した情報だ。基本的には、もっとも正確でかつ網羅的な内容が含まれる。それに対して、二次情報は一次情報をベースにまとめられたもので、解釈や装飾が加わることが多くなる。あえて言うなら、一次情報以外の情報はすべて劣化コピー。それを見ただけで理解した気になることは危険で、発信者の意図が歪んでしまうこともある
一次情報は「最小かつ完全」である
一次情報は、基本的に抜け漏れがないように完全を目指して書かれている。そのため、余計な例えや説明を極力避け、正確性を重視した「最小かつ完全」な形で提供されることが多い。これがもっとも効率的で、一次情報が持つ最大の特徴と言える
しかし「最小かつ完全な文章」は読みにくい
「最小かつ完全な文章」は無駄がなく、効率的。一方で、このような文章は読みにくいと感じる人が多いかもしれない。特に、頭の良い人にはこのような情報が最も読みやすく感じられるが、凡人にはそれが一つの障壁になることがある。なぜなら、こうした文章は読むのに慣れが必要で、初心者には難解だからだ
「分かりやすさ」よりも「正確さ」が優先される
この読みにくさの理由は、余計な情報が削ぎ落とされているからだ。例えば、QiitaやZennなどの技術ブログでは「分かりやすさ」を重視しているが、一次情報では「正確さ」が重視される。分かりやすい文章には冗長な説明や例えが多く含まれることもあり、それが理解を助ける一方、一次情報はそうした冗長さを排除する
日本人は「分かりやすさ」を求めがち
個人的な見解だが、日本人は特に「分かりやすさ」を求める傾向が強いと思う。マンガ文化が発展した背景にも、文章より視覚的な情報の方が理解しやすいという文化的側面があるのかもしれない。最小かつ完全な文章を理解することが難しく、日本人は文章だけでは伝わらないと感じることが多いかもしれない
つまり…
結局、「一次情報にあたれ」というのは間違いなく正しいことだ。しかし、一次情報だけで全てを理解するには、かなりの知識と経験が必要になる。理解が難しい人は、一次情報に目を通しつつ、二次情報などで補完していくのが現実的な方法となる。賢い人ほど「なぜこれだけ言っても一次情報にあたらないのか?」と不思議に思うかもしれないが、そうした人々にとっては、そもそも読めない難解な文章である可能性もある。実際僕も一次情報で理解するのは苦手だ。。