最近光造形3Dプリンタを買ったのですが、数多くの失敗とそれと同じだけの克服がありました。
後続のためにここへ概要を書いておきます。
サポート周りの破断
概ねサポート周りが弱い。サポートの根本・太さ・先を強化したりラフトを強化することで解決できそう。
僕の場合はラフト追加で解決。
サポートからモデルが脱落
サポートが弱い。サポートの根本・太さ・先を強化したりラフトを強化することで解決。
僕の場合は総合的にサポートの太さを強化して解決。
ラフトしか印刷されない
いわゆるラフトシルエット(customer_v2)。
リンク先に書かれている通り以下の対策がある。
- レジンのフィルタリング
- Z軸公正
- LCDディスプレイ
- フィルムをアルコールタオルで拭く
うちではすべてやった結果成功するようになったのでどれが問題だったのかは不明。
立方体の頂点などが欠ける
本来きちんとエッジが出るはずの角が印刷されない。削れてしまう。
まず、そもそも角が印刷範囲から外れていた場合があった。chituboxは印刷範囲から物体がはみ出ている警告があったがlycheeはそれがなかったため気づかなかった。この場合は物体の印刷位置を調整して解決。
もう1つのケースでは印刷範囲には問題がなかったため、頂点へサポートをつけることで解決した。
印刷後、固まりきっていないレジン部分が残ってしまった
写真の布の造形のエッジの部分。洗浄が足りず固まりきらなかったレジンが残ったまま二次硬化してしまった。
対策として、超音波洗浄機と非常に柔らかいハケ(elegooレジンに毎回1つついてくるやつ)で丁寧にレジンを落とした。
できたもののの面が付箋のように剥がれる
原因は造形物の面がレジンの水面と水平に近いため。光造形3Dプリンタはレジン水面と水平方向に0.0x mmの面を積み重ねて立体造形物を作る。そのため造形物の面がレジンの水面と水平に近いとサポート材があっても印刷面が動いてしまい画像のように付箋上に剥がれてしまう。
対策として面をレジン水面と水平ではなく、常に20度以上の確度をつけるようにすることで解決した。
印刷物が反ってしまう
図のように板状のものを印刷した際、本来直線であるはずの面が反って丸まってしまう。
SK本舗ユーザーのリレーコラム#05「3Dプリンターで水洗いレジンを使用した際の反り対策と模型制作を考える」(今井誠)に書かれた角度をほぼ立てにする方法で解決できた。
サポートを外した場所が凹んでしまう
サポートを外したときに造形物側がえぐれてしまい、ヤスリをかけてもサポート痕が消えない。
対策はContact Shape Comparison of Support Structures in SLA/DLP/LCD 3D printingで説明されているcontact shapeのsphere化がよい。これによってえぐれることがなくなり、ヤスリがけをするとキレイにサポート痕が消える(プラモデルでランナーからパーツを切り離すとき、ランナーとパーツのコンタクトポイントより少し手間をニッパーで切ってその後ヤスリなどで整えるのと同じテクニック)