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PythonでアーカイブしたZIPファイル名をShift-JISにする

Last updated at Posted at 2024-03-03

Pythonのzipfileライブラリはファイル名をUTF-8でエンコードするためWindowsのレガシーな解凍ソフトで解凍するとファイル名が文字化けします。ファイル名をShift-JISでエンコードする方法を紹介します。

※ これは2019-07-18に個人ブログで公開した記事を移植し、CC0-1.0で提供しています。情報は古い可能性があります。

世の中には UTF-8 で文字化けする解凍ソフトが残っている

2007年9月にZIPの仕様が追加され、エンコードをUTF-8に統一するための仕組みが完成してから、ZIPファイル名はUTF-8にエンコードすることがスタンダードになりつつあります。

しかし、日本国内では、UTF-8に未対応の解凍ソフト(+Lhaca Lhaplusなど)を使っているユーザーが多くいます。(WindowsのエクスプローラーだけでUTF-8のZIP解凍できるのに)

ファイル名を Shift-JIS でエンコードできるのか

全ユーザーを説得して各UTF-8未対応の解凍ソフトをアンインストールして回るわけにもいかないので、ファイル名をShift-JISでエンコードする方法を考えます。

まず、CPythonのzipfileライブラリのソースコードを見てみます。

CPython3.7では、454行目にファイル名のエンコードの関数があります。抜粋すると次の通りです。

    def _encodeFilenameFlags(self):
        try:
            return self.filename.encode('ascii'), self.flag_bits
        except UnicodeEncodeError:
            return self.filename.encode('utf-8'), self.flag_bits | 0x800

まずASCIIでのエンコードを施行して、 UnicodeEncodeError ならば(=ASCIIでなければ)「UTF-8」でエンコードするようにハードコードされていました…。

標準ライブラリをコピーして Shift-JIS に変更する

あまりしたくないですが…。標準ライブラリをコピーしてShift-JISに対応します。 454行目の 'utf-8''cp932' に変更します。また、フラグ 0x800 を削除します。

ちなみに、0x800 は、ZIPの規格で定められた「general purpose bit flag」のBit 11を 1 にしています(16進数 800=2進数 100000000000)。これは、前述のエンコードをUTF-8に統一するための仕組みで、規格では「Language encoding flag (EFS). If this bit is set, the filename and comment fields for this file MUST be encoded using UTF-8.」と定められており、UTF-8でなければ立ててはいけないフラグなので取り除いています。

zipfile.py

454-: return self.filename.encode('utf-8'), self.flag_bits | 0x800
454+: return self.filename.encode('cp932'), self.flag_bits

import 先を今回作ったzipfile.pyに変更します。

from .zipfile import ZipFile
# ...
with ZipFile(zb, mode='w') as zf:
    # ...

以上の対策で、Windowsのレガシーな解凍ソフトで解凍できるようになります。逆にLinuxなどではUTF-8しか対応していない場合文字化けする可能性があります。

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