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広告業界についてざっくり説明

Last updated at Posted at 2019-01-08

意外とまとめて解説してくれてるサイトがなかったので、
知らない人への説明用に広告業界や裏側の仕組みと用語についてざっくり説明。

業界概要

日本の広告市場は年々拡大していて、2017年のデータでの総広告費は6兆3,907億円にもなっている。すごい。

広告業は主に以下の構成員で説明できる。

  • 発注元
  • 広告代理店
  • 媒体

超ざっくりと関係性を説明するなら、発注元が商品の宣伝を広告代理店に依頼して、広告代理店が媒体に広告の掲載を依頼して、媒体が消費者に向けて広告を表示して商品の宣伝をする。そして、消費者は発注元から宣伝された商品を購入すると言う流れである。
実際はもっと複雑な構成だけど大きな役割はこんなもんでいいと思う。
さらに、それぞれの役割と具体例について説明していく。

発注元

商品やサービスを宣伝してほしい依頼主である。これはかなり想像しやすいと思う。
殆どの企業が何かしらの広告を出していますね。

具体例

トヨタ、サントリー、docomo、Apple、任天堂、etc....

広告代理店

一番イメージのつきにくい役割かと思いますが、やってることは意外と単純です。
広告を出したい企業も、広告を掲載する媒体も山のように存在しています。
これらを発注元が広告を管理して媒体を選んで配信するタイミングや効果を管理するのはめちゃくちゃ大変です。
おそらく本来の業務ができなくなるでしょう。そこで登場するのが広告代理店です。

彼らの仕事は依頼主と媒体の仲立ちをして広告運用を適切に行う事です。その報酬として手数料を依頼主から貰ってます。
広告代理店の仕事は物凄く多義に渡っています。広告代理店の中でも様々なカテゴライズがあります。
ただ、企業の採用活動の宣伝を行い手数料を得ているサービス業と言う点は変わりません。

広告代理店は大きく分けると主に3つである。

総合広告代理店

全てのメディアに対して広告の販売などを手がける企業。

具体例

電通、博報堂

専門広告代理店

新聞、交通広告インターネットなど、特定のメディアのみを担当する企業。

具体例

サイバーエージェント

ハウスエージェンシー

親会社のための広告を手がける企業。

具体例

JR東日本企画(Jeki)、東急エージェンシー

媒体

こちらも想像しやすいかと思います。要するにメディアです。
古くからあるのだと、新聞TV、最近だと、SNSですね。彼らが媒体です。

物を売る場合は当たり前だけど沢山の人に見てもらう必要があります。そのためには、魅力的なコンテンツを用意する必要があります。
新聞やテレビは分かりやすいですよね、面白い記事や番組があればいろんな人が見るので、依頼主からすれば商品が売れる確率が上がります。
今までは割と単純な構造だったのですが、インターネットとSNSの登場で一気に媒体の形が広がっていきます。

例えば、LINEやFaceBook,Twitterなどは独自に魅力的なコンテンツを用意してる訳ではないけど、ユーザー同士の交流の場として、
いろんな人たちが使います。みんながコミュニケーションを取る場所を無料で提供することで消費者を獲得しているのです。

さらに、SNSはアカウントを作るので、その人の性別、年齢、住んでる場所、興味のある事、が分かります。この情報からより適切な広告を表示することが可能になります。
TVだと興味ない人にも広告を表示しているので、インターネット広告の方がよりターゲットを絞れるから効率がいいのです。

さらに、YouTubeが出てきたことで、一般の人も媒体になれるようになりました。YouTubeという大きな媒体の中に、チャンネルと言う小さな媒体(と言っても登録者が数百万なら十分大きな媒体です)が、沢山の消費者を抱えているのです。これにより媒体が今までよりも一気に広がりました。

たまに「ブロガーやユーチューバーってどうやって稼いでるの?」って疑問を聞きますが、彼ら自身が広告媒体になることで代理店(依頼主)から報酬を貰っているのです。
経済まわしてんなあ広告業。

具体例

TV、 新聞、YouTube、 FaceBook、 Twitter、 etc....

広告代理店と媒体の間の人達

ざっくりだと上記の組織になるけど、広告代理店と媒体の間にも様々な組織が存在している。
追加で解説しておく。

制作会社

大手の広告代理店は社内に制作部門を持つ企業も多いが、下請けとして広告制作会社を設立したり、外部の制作会社に制作を依頼することもある。

メディアレップ

メディアレップとは、 インターネット広告の取引において、メディア(媒体)と、 広告代理店や 広告主との仲介役を担う業種のこと。

**4マスメディア(TV、新聞、ラジオ、雑誌)**の広告と異なり多種多様なメディア、広告メニュー・手法が存在するインターネット広告に対して代理店が対応仕切れなかったため、広告メニューを一括して管理し販売する会社が必要となったため成立。

広告主のニーズや予算に応じて、最適な インターネット広告商品を提案することができる。

用語集

ざっくりと解説できたので、次により詳細な仕組みについて用語解説の形で説明していく。

RTB、SSP、DSP、DMP

まとめて説明した方が分かりやすい。図にすると以下のようになる。

image

① 媒体社のサイトに訪れるとサイトからSSPに広告リクエストが通信されます。
② SSPは受け取ったを広告リクエストを分析し、連携している各DSPに入札リクエスト(ユーザーID、掲載先ドメイン、広告枠ID、広告サイズなど)を通信します。
③ 各DSPは受け取った入札リクエストを分析し、広告配信をしたい場合は入札レスポンス(入札金額、DSPの広告タグ)を通信します。
④ SSPは各DSPからの入札レスポンスを分析し、最も価格の高い入札レスポンスを決定し、サイトに返します。
⑤ 入札に競り勝った広告がサイトに表示され掲載されます。

RTB(Real-Time Bidding)

広告表示1回ごとに、買い手である広告会社のシステムに対して、ディスプレイ、ビデオ、モバイル、ソーシャル等へリアルタイムに自動でオークションを行うシステムであり、最高額の入札単価を提示した買い手が広告を表示させることができる。

サイトに訪問すると毎回同じ広告が出る訳ではなくて、その時に入札された広告が表示されている。
これは裏で自動的に表示する広告のオークションが開催されて、より高値の広告が表示されているということです。

セカンドプライスオークション

2番目に高い金額で入札したDSPの応札金額に1円を足した金額で1番高い金額をつけたDSPに落札させルコとを、セカンドプライスオークションといいます。通常RTBではセカンドプライスオークションにて取引されます。

例えばDSP Aが100円、DSP Bが80円、DSP Cが70円だった場合にDSP Aに81円で落札させて広告を掲載します。

SSP(Supply-Side Platform)

媒体側の広告収益を最大化するためのプラットフォーム。

入札対象の広告の中から最も媒体側に取って利益のある、基本的にはより高値の広告が配信されることになる。
DSPとの違いは、媒体側(FaceBookとかブログサイト)にとって利益が最大化される仕組みであること。

DSP(Demand-Side Platform)

広告主側の広告効果を最大化、最適化するためのプラットフォーム。

市場を飛び交うデータ量は、毎日、数百億単位のインプレッションが取引されています。広告効果を追求する広告主のニーズに応えるには、入札状況などのあらゆる情報を処理して配信にフィードバックする必要があり、これらを人の手で行うことは難しく、計画的に柔軟な広告運用を可能にすることが必要です。

そこで登場したのがDSPで、いわば広告配信に置けるブレーンのような立ち位置です。DSPにより効果の薄い広告、例えば車が欲しい人に化粧品の広告を配信するようなことがなくなり、広告配信の最適化が実現できます。

DSPは、なるべく効率的に広告配信をするために、入札条件を設定する必要があります。

SSPとの違いは、広告主側(トヨタとかサントリー)にとって利益、つまりは広告の効果が最大化される仕組みであること。

DMP(Data Management Platform)

自社や外部などの様々なデータを抱合し、分割・正規化し、それらを保存・管理するプラットフォーム。

DMPは実際に広告主サイトに訪れたユーザ-情報、媒体サイト情報、オフラインデータや外部データ等あらゆるオーディエンスデータを全て統合し、統合した大量のデータをSSP、DSPに提供することで広告配信最適化の精度が向上します。

要するに、ユーザの情報をまとめて管理してSSPとDSPに渡して、広告配信の最適化の精度を上げてくれます。また、デバイスを横断したマーケティングも可能になる(スマホやPC)。スマホやPCだとCookieを利用するので端末毎の情報になってしまう。

指標

広告業界には、広告配信の効果を測定するために独自の指標が存在しているのでよく使う指標を解説していく。

IMP(インプレッション)

広告がユーザーに表示されること。表示された回数は「インプレッション数」と呼ばれる。

ユーザーがサイトに訪問して広告が表示されたらインプレッション数が上がります。

CT(クリック数)

表示された広告がクリックされた回数。単にClick数とも言う。

CV(コンバージョン)

広告主が設定したゴールに到達した数。

広告を表示するのは純粋に宣伝のためもあるが、ネットをしていてよく目にする広告はサービスや商品をピンポイントで紹介しているものも多い。

そのような広告はリンクで遷移先のサイトで商品説明から購入までの導線が設定されている。

このような広告は明確に商品(サービス)を購入してもらうというゴールが設定されてる。
このゴールに到達した数のことをコンバージョンと言う。

例えば、広告をクリックした先のサイトで商品を購入した場合にコンバージョン数が上がる。

CTR(クリック率)

ある期間において、表示された広告に対してどれ位クリックされたかの割合のこと。
Click Through Rateの略語。

計算式はCTR=クリック数 ÷ IMPで表される。
例えばトータルのクリック数が1,000回、インプレッション数が100,000回の場合のCTRは、100x1,000回÷100,000回=1.0%となる。

CPC(平均クリック単価)

広告1回のクリックに対して支払う広告費の平均単価のことを言う。
Cost Per Clickの略語で、平均CPCなどとも表現する。

同一期間における広告費とクリック数を比較し、CPC=広告費÷クリック数で表される。
例えばトータルの広告費が100,000円、トータルのクリック数が500回の場合のCPCは、100,000円÷500回=200円となる。

上限CPC(上限クリック単価)

広告1回のクリックに対して支払う広告費の上限入札価格のことで、リスティング広告を管理するツールなどで上限クリック単価を設定することができる。

CPM(インプレッション単価)

Cost Per Mille(コスト・パー・ミル)の略語。

CPMは、表示回数1,000 回あたりの単価のことを言う。
例えばAdwordsなどで、CPM方式(表示回数に基づいた料金を支払う方式)を利用する場合はこの指標を利用する。

上限CPM(上限インプレッション単価)

広告1,000 回の表示に対して支払う広告費の上限のことを言う。

CVR(コンバージョンレート)

Conversion Rateの略語。
ユーザーの広告クリック数に対して、達成された目標(CV)の割合のことを言う。

同一期間におけるコンバージョン数とクリック数を比較し、CVR=コンバージョン数÷クリック数で表される。
例えばコンバージョン数が20件、クリック数が400回の場合のCVRは、100x20件÷400回=5.0%となる。

CPA(コンバージョン単価)

Conversion Per Acquisitionの略語。
商品の購入や会員登録、資料請求など、広告主が設定した目標1件あたりにかかった費用のことを言う。

同一期間における広告費用とコンバージョン数を比較し、CPA=広告費用÷コンバージョン数で表される。
例えば広告費用が100,000円、コンバージョン数が10件の場合のCPAは、100,000円÷10件=10,000円となる。

Cost(広告費用)

ユーザーが広告をクリックした回数とクリック時の広告単価を掛け合わせた費用の総額。

同一期間におけるCPCとクリック数を比較し、広告費用=平均クリック単価×クリック数で表される。
例えば平均クリック単価が100円、クリック数が1,000回の場合の広告費用は、 100円×1,000回=100,000円となる。

リターゲティング広告

広告をクリックしたのに商品を購入せずに離脱したユーザに対して配信する広告。

例えば1度カートに入れた商品や、閲覧した商品についての訴求広告を配信する事で、ユーザの興味を惹く広告を継続的に配信する事ができる。

また、仮にディスプレイ広告をクリックしなかったとしても、リスティング広告の”網”を張っておくことでユーザーを購入まで導くことも考えられます。

リスティング広告

検索結果に連動して表示される広告のこと。
媒体は主にGoogleやYahooなどの検索エンジン。

Googleなどでエンジニアで検索すると、エンジニア向けの求人サイトの広告が検索結果の上に表示されると思う。それがリスティング広告である。

ユーザーが検索している関心が高い時に広告が表示されるため、高い効果を発揮する。

ランディングページ

広告をクリックした時に最初に遷移するページ。LPとも言う。

ピギーバック

サイト提供元(媒体)には色々とタグが設置されている。
あるタグのプログラムが動作するときに、連携して別のタグを動作させることを、タグのピギーバックと言う。ピギーバックの本来の意味は便乗するに近いニュアンスなので使われてるっぽい。

グロス、ネット、マージン

グロス、ネット、マージンの関係性を端的に表すと以下の計算式になる。
それぞれ説明する。

グロス=代理店のマージン+メディアレップのマージン+ネット

グロス

グロス(Gross)には、総量、総計などの意味があり、広告業界では広告プロモーションの総額のことを指しています。要するに、広告主が支払う広告料金のことである。

マージン

マージン(Margin)には、販売価格と原価の間、利ざやなどの意味があり、広告業界では代理店の手数料のことを指しています。

マージンには、代理店のマージンとメディアレップのマージンがある。なお、テレビ業界などはメディアレップを挟まないのでマージンが高い傾向にある。

ネット

ネット(Net)には、純量、正味などの意味があり、広告業界では広告媒体の原価のことを指しています。要するに、媒体側の手数料のことである。

参考サイト

【保存版】知ってるつもりのSSP / DSP / DMPをおさらい

【2017年版】いまさら聞けない、リスティング広告の専門用語解説

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