はじめに
建物を省エネ化しつつ居住環境の改善にも取り組むということは昔から大勢の方が取り組まれていると思います。私自身も数年前からこの分野に関心があり、何かしらシミュレーションはできないかなと考えておりました。
そんな中で、1年前にEnergyPlusというシミュレーションプログラムに出会い、試してみようと思いました。しかしいきなりBIMデータを入れようとしてエラーを起こして詰んだり、Udemyの講座を受けたはいいものの基本がわからず応用が利かない知識を身に着けてしまったりとかなり無謀なことをここ1年やっていました。
このままでは何にも実らないと思い、まずは基本的な「Getting Started」から始めることにしました。この記事はその際の手順や詰まったところをどう解決していったかをまとめたものになります。
EnergyPlusとは
EnergyPlusはアメリカのエネルギー省に所属するNREL(The National Renewable Energy Laboratory 国立再生可能エネルギー研究所 )が公開しているシミュレーションプログラムです。
NRELのHP[1]では「EnergyPlusは建物全体のエネルギーシミュレーションプログラムです。このプログラムは、暖房、冷房、換気、照明、およびコンセントとプロセス負荷のエネルギー消費、および建物内の水の使用をモデル化するために使用されます」と説明されています。
EnergyPlusのGetting Started
EnergyPlusのGetting Startは[2]で公開されているPDFのドキュメントです。4章から具体的なexcerciseがありますので、それに取り組んでいきます。
Energy Plusのインストール方法についてはこの記事では触れませんが、NRELのHP[1]からダウンロードしてexeファイルを実行するだけでインストールできましたので特段解説はいらないかと思います。
実施環境
- CPU: CORE i7 7th Gen
- メモリ: 32GB
- OS:windows 11
Getting Startedの4.2.1項 Exercise 1A. Run Pre-Defined Building with no Windowsについて
手順がGetting Startedの4.2.1項に一つ一つ書かれてますので、それに沿ってやっていきました。
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EP-Launchを開く
Energy Plusをインストールすると、windows11の「スタート」>「すべてのアプリ」のところからEP-Launchを選択できるようになるので、これをクリックしてEP-Launchを起動します。
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入力ファイルExercise1A.idfの読み込み
EP-Launchの赤枠で囲んだBrowseを押下し、ExampleFiles⇒BasicsFilesの順にたどり、Exercise1A.idfを見つけたら開くを押して読み込みます。 -
Weather Fileの選択
EP-Launchの赤枠で囲んだプルダウンリストからNo Weather Fileを選択します。 -
シミュレーションの実施
EP-Launchの赤枠で囲んだSimulateボタンを押下し、シミュレーションを実施します。 -
シミュレーションの終了
シミュレーションが終了すると以下の画面が出ました。
おそらく問題なく完了しているものと思われます。 -
シミュレーション結果の確認
- text outputの確認
EP-Launchの赤枠で囲んだView ResultのText Output Filesのところを押下すると、メモが開き出力された結果が表示されます。大量のテキストファイルがどんどん表示されるので、正直びっくりしました。
- Drawing Filesの確認
EP-Launchの赤枠で囲んだView ResultのDrawing Filesのところを押下すると、ビューアーが立ち上がってシミュレーションに用いた建物の外観がわかるようになるのですが。CADのviewerソフトを入れていなかったので、最初はエラーが発生して見れませんでした。
そこで私は[3]で公開されているオートデスクの無償のビューアのDWG TrueViewをインストールして、EP-Launch>View>Options>Drawing Viewerのところでexeファイルが保存されているところを指定しました。そうすることでEP-LaunchのDrawing Filesを押下するとDWG TrueViewが立ち上がりシミュレーションに用いた建物の外観が見れるようになりました。(またDrawing Filesのところを押下するとsvgも表示させようとMicrosoft Edgeも立ち上がりましたがこのシミュレーションではsvgファイルは生成されないので、何も表示されないようです。)
- Spread Sheetの確認
View Resultの以下の図で赤枠で囲んだSpreadsheets
のところを押下すると、CSVのビューアーが立ち上がりデータを確認できるようになるのですが。CSVのビューアーソフトを入れていなかったので、これも最初はエラーが発生して見れませんでした。
そこで私は[4]で公開されているVisual Studio Codeをインストールして、EP-Launch>View>Options>Spreadsheetsのところでexeファイルが保存されているところを指定しました。そうすることでEP-LaunchのSpreadsheetsを押下するとVisual Studio Codeが立ち上がりシミュレーション結果のcsvファイルの中身が見れるようにしました。
- text outputの確認
まとめ
中身の確認まではまだできていませんが、とりあえずGetting Startedの4.2.1項 Exercise 1A. Run Pre-Defined Building with no Windowsについてエラーなく実施できたと思います。次回は4.2.2項以降のExerciseの実施やシミュレーション結果の比較などをしていこうと思います。
参考サイト
[1]EnergyPlus
[2]EnergyPlusのGetting Start
[3]オートデスクの無償のビューア
[4]Visual Studio Code