はじめに
Ruby on Railsの開発環境を構築する際に、Rubyのバージョン管理ツールであるrbenvを使うと便利です。プロジェクトごとに異なるRubyのバージョンを簡単に切り替えることができるため、複数のRailsプロジェクトを扱う際に非常に有用です。
本記事では、rbenvを使ってRailsの開発環境を構築する手順を詳しく解説します。
目次
- rbenvのインストール
- Rubyのインストールとバージョン設定
- Bundlerのインストール
- Railsのインストール
- インストールの確認
- まとめ
1. rbenvのインストール
Homebrewを使用して、rbenvをインストールします。
brew install rbenv
また、Rubyのビルドに必要なruby-buildもインストールします。
brew install ruby-build
2. Rubyのインストールとバージョン設定
2.1 ターミナルの設定ファイルを更新
rbenvを使用するために、シェルの初期化ファイルを更新します。
bashを使用している場合:
echo 'eval "$(rbenv init - bash)"' >> ~/.bash_profile
source ~/.bash_profile
zshを使用している場合:
echo 'eval "$(rbenv init - zsh)"' >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc
2.2 Rubyのインストール
利用したいRubyのバージョンを確認します。ここでは、グローバルにRuby 3.2.2を、プロジェクトローカルにRuby 3.2.5をインストールします。
Ruby 3.2.2のインストール(グローバル):
rbenv install 3.2.2
Ruby 3.2.5のインストール(プロジェクトローカル):
rbenv install 3.2.5
2.3 グローバルとローカルのバージョン設定
グローバルなRubyのバージョンを設定:
rbenv global 3.2.2
ローカルなRubyのバージョンを設定:
プロジェクトのディレクトリに移動してから、以下を実行します。
rbenv local 3.2.5
これにより、そのディレクトリ(およびサブディレクトリ)ではRuby 3.2.5が使用されます。
3. Bundlerのインストール
BundlerはRubyの依存関係を管理するためのツールです。指定されたバージョンのBundlerをインストールします。
gem install bundler -v 2.5.6
4. Railsのインストール
指定されたバージョンのRailsをインストールします。
gem install rails -v 7.0.4.3
Bundlerを使用してRailsをインストールする場合は、以下のコマンドを実行します。
bundle install
5. インストールの確認
5.1 Rubyのバージョン確認
ruby -v
出力結果がruby 3.2.5...
のようになっていれば、プロジェクトローカルでRuby 3.2.5が使用されています。
5.2 Railsのバージョン確認
rails -v
出力結果がRails 7.0.4.3
であれば、Railsのインストールは成功です。
6. まとめ
以上で、rbenvを使用したRuby on Railsの開発環境構築が完了しました。これで複数のプロジェクトで異なるRubyのバージョンを使い分けることができ、柔軟な開発が可能になります。
補足情報
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rbenv local と global の違い:
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rbenv global
:システム全体のデフォルトのRubyバージョンを設定します。 -
rbenv local
:特定のディレクトリ内でのRubyバージョンを設定します。そのディレクトリ内に.ruby-version
ファイルが作成されます。
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Bundlerのバージョン指定:
プロジェクトで必要なBundlerのバージョンをインストールすることで、依存関係の問題を回避できます。
トラブルシューティング
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コマンドが見つからない場合:
rbenv
やrails
などのコマンドが見つからない場合は、シェルの初期化ファイル(~/.bash_profile
や~/.zshrc
)が正しく設定されているか確認し、ターミナルを再起動してください。
おわりに
rbenvを活用することで、Rubyのバージョン管理が簡単になります。これからのRails開発がスムーズに進むことを願っています。