ジャーニーマン( @beajourneyman )です。
2023年7月の「Qiita Engineer Festa 2023」参加した後、また長期ブランクに入ってしまいました。なかなか技術ネタの継続投稿は難しいです。今回は「セゾン情報システムズ Advent Calendar 2023」の12日目の記事になります。
2023/12/17:関連記事を書いたので、巻末にリンクしました。
今回のテーマ「Amazon Connect の電話番号取得」
最近、Amazon Connect の「料金無料通話番号(トールフリー番号)」「ローカル交換キャリア番号の DID (直通ダイヤル)」をそれぞれ取得したので、そちらの手順とこれまでの変更点を簡単に残します。
ご注意:本エントリーは国または地域を選択しても電話番号が表示されない日本の電話番号取得を対象とし、Amazon Connectのコンソールは基本的に「日本語」を選択しております。また、サポートケースを直接起票できない他社提供の請求代行を使っている環境での手順となります。
コレまでの電話番号取得を大まかにふりかえる
2019年にAmazon Connectを利用開始してから、アカウントが増えてきました。その中でいくつか変更があったので、簡単にふりかえります。
- 2019年ころの電話番号取得は、Amazon Connectにすでに割り当てられている番号から選択できた記録が残っていました。国 (日本+81)、何らかのプレフィックスを選択すると、現在取得可能な番号が表示され、取得できる仕様でした。
- 2021年ころの電話番号取得は、国/地域で日本を選択するとサポートケースを起票するように変更になっていました。サポートケースを起票して上限緩和申請が通ると、上記のように番号が選択できるよう解放される仕様に変更になりました。サポートケースを起票する際に必要な書類は「電話番号が付与されている都市と一致する住所が文書に記載されている政府発行の有効な身分証明書 (例: 国民 ID カード、パスポート、運転免許証)」「電話番号が付与されている都市と一致する住所が文書に記載されている公益法人、法務省からの企業登録証明書、国または地方の税務申告書、社会保障支払の領収書などの政府機関への支払い済み領収書」両方のコピーになります。一気に取得の敷居が高くなりました。理由は、当局からの要請やコンプライアンス上必要だからです(AWSサポート回答)。特殊詐欺(振り込め詐欺)なども形を変え続いている時代背景もあるのではと想像します。
- 執筆時点、2023年11月12月現在の電話番号取得は、サポートケースを起票する点は変わりませんが、申請が通るとサポートケースの回答として割り当てられた電話番号が通知されコンソールで表示される電話番号の候補から選べない仕様に変更になりました。流れが変わっていたので問い合わせたところ、2023年04月の仕様変更でした。また、申請の際に必要な書類は「会社登録書類 (過去 6 か月以内に発行されたもの)」「事業者の認定代理人の個人 ID またはパスポート」「ビジネスの住所の証明 (過去 6 か月以内に発行されたもの)※1」3点のコピーになります(細かな要件は以下公式ドキュメントをご覧ください)。要件がより厳格になったのではないでしょうか。以下は執筆時点の Amazon Connect のコンソールの左メニューペインの「チャンネル」から「電話番号」を選び「電話番号の取得」画面で「国/地域」で日本を選んだ状態です。「選択した国で利用できる電話番号はありません。電話番号をリクエストするには、サポートケースを作成してください。」と案内が出ている状態です。
※1:ローカル交換キャリア番号の DID (直通ダイヤル)を申請する際に必要。ただし、料金無料通話番号(トールフリー番号)の場合は不要。
電話番号取得の事前準備
- Amazon Connectのインスタンスを準備する。
- 並行して「会社登録書類 (過去 6 か月以内に発行されたもの)」「事業者の認定代理人の個人 ID またはパスポート」のコピーを準備する。
<ポイント>
「ビジネスの住所の証明 (過去 6 か月以内に発行されたもの)」は「会社登録書類 (過去 6 か月以内に発行されたもの)」で取得したい地域の住所を証明できる場合は不要なケースがあります。当方申請時は不要でした。具体的には通称「登記簿謄本(書類の件名は履歴事項全部証明書)」と呼ばれる書類で要件を満たせました。事業者の認定代理人である社長の氏名、住所の記載があるからです。
電話番号取得申請をする
請求代行のリクエストフォームよりリクエストします。テンプレートを添えます。
Amazon Connectにて受架電を行うため、東京「03」プレフィックス番号の取得リクエストをさせていただきます。
コンタクトセンターのインスタンス ARN :aws:connect:xxx
電話番号種類と数:1
- 03 プレフィックス番号 (東京) :1
- 050 プレフィックス番号 :
- 0120 プレフィックス番号 :
- 0800 プレフィックス番号 :
申請理由:Amazon Connect で受架電を行うため必要なプレフィックス番号の数は、1件です。
お手数ですが、本人確認用の書類提出用の格納先をご連携いただけますでしょうか。
AWSからS3アップロード情報の回答があるので、申請対象のアカウントにサインインした状態で、リソース所有アカウント専用に生成されたリンクをクリックしS3を開きます。
手順通りにファイル追加・設定を行いアップロードをします。アップロードが成功したら、請求代行先の返信フォームより一報を入れます。
<気づき>
この際、忘れていて確認に時間がかかったのが、認定代理人指名や住所などを記載する英語による申請用添付資料でした。フォームはこの時代珍しくリッチテキスト形式でした。「事業者の認定代理人の個人 ID またはパスポート」が日本の運転免許証の場合は、認定代理人の英語表記がないため、事前に確認しておくことをオススメします。タイミングは申請書類のコピーを取得する際にヒアリングしておくと良いと思います。パスポートの場合は掲載されているので追加確認は不要です。住所と郵便番号も聞かれるので、会社のサイトの英語ページで調べておくと良いです。
割り当てられた電話番号を確認する
受理されてしばらくすると、請求代行のリクエストで割り当てられた番号の案内があるので、コンソール上で確認します。Amazon Connectの管理コンソールを起動して、左のメニューペインの「チャンネル」から「電話番号」を選択します。
「0120」や「0800」のトールフリー番号の場合は、電話の種類が「料金無料通話」になります。
<気づき>
リクエストの際に、申請に関するビジネス的なインパクトを聞かれますが、どの程度重要なのか申請の背景を知らない方に分かるように具体的に記載するよう心掛けました。また、自社でAWSエンタープライズサポートを受けておりTAM(テクニカルアカウントマネージャ)の方と、事前に今後の進め方について密に情報連携しており、適切なサポートを受けられていました。
今回、「料金無料通話番号(トールフリー番号)」「ローカル交換キャリア番号の DID (直通ダイヤル)」をそれぞれ取得しましたが、申請書類をアップロードして、翌営業日には取得できました。一部ではとても時間がかかる、3日程度などの情報もあり、環境的な差異など不明ですが実績値として添えておきます。ご参考になれば幸いです。
電話番号を取得しただけだと、日本の携帯電話には発信できません。発信制限については以下のエントリーをご覧ください。
以上です。