ジャーニーマン( @beajourneyman )です。長いの"ジャニ"と呼ばれています。
この記事は セゾンテクノロジー Advent Calendar 2024 シーズン3、6日目の記事です。
また、運用がテーマの勉強会 ssmjp の ssmjp Advent Calendar 2024 の6日目にもダブルエントリーしています。
はじめに
以前から、維持運用に欠かせないAWSサポートについて備忘録を残しておきたいと思っていたので、この機会にまとめます。普段は、請求代行を使っているリセーラーアカウント、直接契約のアカウントの両方を使っています。メインで良く利用しているのは前者です。公式サイトと Amazon Nova Micro に"簡潔に"まとめてもらった AWSサポート の解説を添えます。
AWSサポートは、AWSユーザーがクラウドサービスの利用に関する技術的な質問に回答してもらうためのサービスです。以下が簡潔な特徴とプランの説明です。
AWSサポートの特徴
- 多様なサポートレベル: 企業のニーズに合わせてサポートの深さをカスタマイズできます。
- 多チャンネルサポート: 電話、電子メール、チャット、ドキュメントなど、複数の方法でサポートを受けられます。
- 技術的な質問に特化: AWSの製品およびサービスに関する技術的な質問に対応します。
AWSサポートのプラン
- ベーシックサポート(無料): ドキュメント、FAQ、フォーラムへのアクセス。
- スタンダードサポート(有料): 月額料金がかかり、電話、電子メール、チャットによる技術サポート。
- ビジネスサポート(有料): スタンダードサポートに加え、迅速な応答時間とAWSアカウントマネージャーの割り当てが含まれます。
サポートケースを起票する
リセーラーのサポートサイトを開く
こちらは、所属で展開されている手順書をベースに開くので割愛します。大手カスタマーサービスプラットフォーム上に構築されていて、チケット単位でやり取りします。
AWSサポートを開く
該当のAWSアカウントにサインインします。普段はメインで使っておらず問合せるケースが少ないので、最初は AWS Support の文言で検索窓に問い合わせました。ヒットしなかったので、マネージドコンソールの一番上のメニューバーにある「?」から「サポートセンター」をクリックして立ち上げました。
ブログなどでは AWSサポート と多数の記載があるので、バイアスがかかっていましたが、検索する時は サポート だけで良いです。また、マネージドコンソールの言語を英語に切り替えて調べてみました。こちらも Support だけが正解でした。
サポートケースを起票する
たまたま、今回のQiita執筆にあたってスクリーンショットとっていたら、以下のようなご案内が出ていました。自分自身は初めて見たので、ご参考までシェアします。急ぎの時は「電話」か「チャット」が良いそうです。
カスタマーサービス日本語窓口の混雑状況についてのご案内
ただいま、AWS カスタマーサービス日本語窓口が大変込み合っており、「アカウントと請求」に関するお問い合わせにつきましてはご回答までに通常より長らくのお時間を頂戴しております。お預かりしたサポートケースにつきましては順次ご返信を差し上げてまいりますので、今しばらくの間お待ちくださいますようお願い申し上げます。もしお急ぎの要件がございます場合には、ご希望のお問い合わせ方法にて「電話」もしくは「チャット」(いずれも平日 09:00~18:00 JST のみ利用可能)をご選択ください。ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
ちなみに、請求代行リセーラーアカウントの場合は、チケット起票自体の権限がないため、以下のようなエラーが出ます。
また、サポートケース起票他にも「新着」と「サポートツール」の紹介があり、動線が貼られています。
戻ります。右のオレンジの「ケースを作成」ボタンを押します。
サポートケースの関連する問題を「アカウントと請求」「技術」から選択します。今回は技術について書くので「技術」を選択します。
「サービス」「カテゴリー」「緊急度」を選択します。一般的な質問事項に対する推奨事項から該当のドキュメントが紹介され、そちら解決するケースもあるので、目を通しておくと良いです。ちなみに、自チームでは複数のドキュメント、関連ユーザーブログ、他チームの相談などを経てからサポートケース起票に至るケースも多いため、推奨事項で解決するケースは稀です。
緊急度は以下の選択肢から選べます。メインアカウントでは真ん中の「本番環境の重要な機能に障害発生中」を選ぶケースが多いです。技術的な相談などは一番上の「一般的な質問、または機能要望」で良いと思います。
選択したらオレンジの「次のステップ:追加情報」ボタンを押します。分かりやすい「件名」と問い合わせたい具体的な「説明」を記載、必要に応じて、リソース定義のJSONやコードなどの添付ファイルを添えられます。書き終わったら、右下のオレンジの「お問い合わせ」を押します。
言語、問合せ方法を選択し、宛先のEメールアドレスを記載して右下のオレンジの「送信」ボタンを押します。左のチュートリアルでどのステップに進んでいるのか分かります。
サポートに問い合わせる時の注意点
2024年4月のJAWS-UG北陸新幹線(福井開催)でリセーラーの目線のサポートの本音登壇に登壇に出会ったので、そちらを紹介します。JAWS-UG神戸リブートをされたサーバーワークスのサポートエンジニア市野さんのスライドです。余談ですが、スライドの表記は AWS Support です。英語モードで使われているのでしょうか?
そして、決定版とも言えるご自身の神戸支部登壇から、全て重要なのですが、初見で覚えやすいよう3つだけご紹介します。
- 適切なサービス選択と困っていることが分かる端的な件名
- 問合せ文章は5W2H(5W1h + How much)を意識する
- AWSサポートの初回ターンを問い合わせ内容の再確認に費やすのはもったいない
本当に繰り返し読んで頭に叩き込んでおきたい良スライドです。市野さん、ありがとうございます。リセーラーのサポートエンジニアも、AWSサポート担当も、支援者であり伴走者です。課題に取り組むチーム全員が、気持ちよく仕事ができるよう意識してやり取りできると良いと思っています。
これまで問い合わせの個別にケースに関する備忘録
ここからは、思いついた残しておくと良さそうな問い合わせの個別ケースについて、メモとして残しておきます。都度、補記したり、項目追加したりする想定です。
障害発生はある
公式に発表されないケースでも内部的に障害発生しているケースはあります。普段と挙動が違うケースは上記の問い合わせのポイントを意識して、しっかり確認しましょう。ちなみに発生頻度は1年に1回ないレベルです。
デプロイされた変更が取り下げられるケースがある
推察だが、十分な事前周知がなかったと思われる状況だったのかデプロイされた変更が数日で取り下げられたケースを経験しました。サポート問い合わせの中で、確かに言及されていたと言えばそう取れる記載はありましたが、具体的な実施時期には言及がなく、ある日突然大量のアラートが発生して気づきました。業務的には影響はなかったですが、大きな振る舞いの変更で想定されていた挙動ではなかったため、異常ではないのにアラート検知される状況でした。
上限緩和申請の数字根拠
数値根拠の軸が、上限緩和する対象の数値や統計情報とズレていると判断が難しいです。例えば、単位時間あたりの最大が基準だった場合、その単位時間の粒度が違うと単純に比較できないです。
利用中のサービスが新規利用開始できなくなるケースがある
今年2024年の7月のケースなので、記憶に新しいのではないでしょうか? リセーラーの方やCIer/SIerの方は、当該サービスによる構築を前提としている場合は、意図しないアーキテクチャの見直しが必要になる変更でした。AWS界隈では非常に珍しいケースで、メディアのニュースにもなっていました。現在直接的な影響があり、モダナイゼーションの検討が必要になっています。
最後に
今回は AWSサポート について、非常に基本的な内容から実践で使える知見まで簡単にブログ形式にして書いてみました。自分のチームにメンバーが入ったら「読んでおいて」と伝えるような内容をイメージしました。いかがでしたでしょうか? 「他にこれも書いておくと良いよ」などあれば、是非コメントでお知らせください。
以上です。