2023春の情報処理技術者試験でネットワークスペシャリストに合格しました。
私は車載組み込み系のエンジニアで、ネットワーク技術者とは遠い立場にいます。
私がネットワークに触れるのは車載のイーサネット機器を多少いじる程度で、Pingは打てるというレベルでした。
ちなみに保有資格は以下です。
・応用情報技術者
・統計検定2級
応用情報の時にネットワークの勉強もした気がしますが遠い昔なので忘却の彼方でした。
ここでは、そんな私が約半年の勉強でどのようにネスぺに一発合格したのか、その体験談を記載したいと思います。
ネットワークスペシャリストを取ろうと思ったきっかけ
もともと私が目指していたのは秋のエンベデッドシステムスペシャリスト(ESS)でした。
エンベデッドの試験は秋なので、春の試験で午前Iの免除を獲得しておこうと思いました。
が、昔は受験料が4000円くらいだったのが今は7000円を超えていて、ケチ心が働き受かるつもりのない試験に大金を払うことに二の足を踏みました。
だったらせめて受からずともちゃんと勉強はして臨もうと思い、春の試験科目を吟味し一番興味ありそうなネスぺを受けることにしました。
そんな経緯で選んだネスぺですが、勉強を始めたら意外に面白く、そのうち本気で受かるつもりになっていました。
11月
勉強を開始しました。
まずは、当初の目的通り午前Ⅰ免除が獲得できないと話にならないので午前Ⅰの勉強から始めました。
以下のサイトの内容を鵜吞みにし、ひたすら過去問のと解答の暗記しました。
https://www.jouhoushori.com/entry/%EF%BC%92%E9%80%B1%E9%96%93%E3%81%A7%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E5%8D%88%E5%89%8D%E2%85%A0%E5%AF%BE%E7%AD%96
このサイトにも書いてありますが、午後Ⅰは範囲が広いですが、全てのことを把握している必要性はないので、丸暗記で問題ないと思います。
11月の終わりには、ほとんどの問題の頭を読むだけで答えが選択できるようになりました。
12月
午前Ⅱの過去問を読み、分からない単語が出たらそれを調べ、ノートにまとめる方法で学習しました。
全くの素人だったので、1年分の過去問を勉強するのに相当な時間がかかりました。
略語などは全て正式名を調べ、意味と関連付けて正式名で覚えるようにしました。
しかし、体系的な学習ができていなかったので、頭に残ることは少なかったです。
1月
ネットワークに関する基礎的な知識が全くないことに気づき、以下の本を購入しました。
「ネットワークスペシャリスト試験に出るところだけを厳選! 左門至峰による ネスペ教科書」
この本は非常に分かりやすく、受験に必要な知識を短時間で学ぶのに最適でした。最初はよく分からなかった部分も、何度も読み返すうちに理解できました。
補足情報や調べたことは全て本に直接書き込みました。
最初はノートを取っていたのですが、ノートに書いたことと参考書に書いたことが結びつかず、直接参考書に書いてみたら見返した時にも書いたことがすぐ確認できるし、あのページにこんなこと書いたなという記憶が紐づいて格段に記憶が定着するようになりました。
2月
午後Ⅰの過去問を解き始めました。以下の本を参考にしました。
「本物のネットワークスペシャリストになるための最も詳しい過去問解説」シリーズ
この参考書は1冊まるまる1年分の午後問題解説にあてている贅沢な本です。問題に対するほとんどの疑問を1つの本の中で答えてくれているので、ネットワークスペシャリストの試験では重宝します。
R3の問題に最初に挑んだとき、3割程度しか解けず心が折れそうでした。ですが、解説を読み込み、分からない部分は調べ全て参考書に書き込み、理解できるように努めました。
3月
午後Ⅱを解き始めました。
問題が非常に長いので最初は集中力が切れ最後まで持ちませんでした。
ですが繰り返し解くことで、
・問から先に読み、該当する箇所を文章の中から見つけてくる
・文章の中に答えがある
というポイントを押さえていけばある程度回答できることが分かってきました。
月の後半には午前Ⅱの勉強も開始しました。ここまでの勉強で大体の知識が身についていたため、比較的楽に進みました。
4月
最後の仕上げです。
まずは最初に暗記したはずの午前Ⅰの内容をほとんど忘れてしまっていたので、再度詰め込みなおしました。(笑)
後はこれまで解いてなかった昔の過去問で模擬試験を行いました。
いよいよ本番
午前Ⅰ、午前Ⅱ→簡単に解けました。
午後Ⅰ
カツサンドと一番でっかいレッドブルを飲んで挑む。
HTTP/2、マルチキャスト、Wifi-6と全てノーマークの分野から出題されて泣きそうになりました。
ここで終わりかー放棄して帰ろうかなー、と思ってましたがよくよく読んでみると日本語の問題に近いものも多く、知識がなくとも出題者が聞きたいのはこんんだろう、という感じで答えられるものが何個かあり、運が良ければ受かってるかもと思えるぐらいには解答欄が埋まりました。
過去問をひたすら解いて出題傾向に慣れていたからできたことだと思います。
午後Ⅱ
過去問と似たような出題で自信をもって解けました。
結果
全く自信のなかった午前Ⅰが意外と7割越え、逆に自信のあった午後Ⅱが同じ点数でした。
まとめ
遠回りしたところもありましたが、知識0スタートの場合以下の順番で勉強するのが最短ルートかと思います。
1.ネットワーク関連の書籍などで最低限の知識を身に着ける
試験に受かることが目的であれば、ネスぺの教科書でいいと思います。
おすすめは「ネットワークスペシャリスト試験に出るところだけを厳選! 左門至峰による ネスペ教科書」
本格的に知識を身につけたいのであれば「マスタリングTCP/IP―入門編―(第6版) 」
2.午後Ⅰの過去問を解く
まずはネスぺの問題の傾向に慣れる
少なくとも3年分は繰り返し解いて、ノーヒントで全問正解できるようになる
解説付きの参考書があるとよい
3.午後Ⅱの過去問を解く
午後Ⅰができれば午後Ⅱも大体解ける
問題が長いので、どこを抑えればいいのかを意識する
4.午前Ⅱの勉強をする
午後の勉強ができていれば午後Ⅱはそんなに難しくないはず
過去問からも出題されるので何年か分勉強すればここで落ちることはない
5.午前Ⅰを丸暗記
上で紹介したサイトにも書いてますが、午前Ⅰはちゃんと勉強する必要ないと思う
なので応用情報の過去問3年分の問題と答えを丸暗記
また以下の勉強法がおすすすめです。
・略語は必ず正式名で覚える
・ノートは使わず参考書に書き込み
以上の方法で私は未経験から一発合格を果たしました。
勉強は辛かったですが報われてよかったです。
今度は当初の目標のエンベデッドシステムスペシャリストを受験します。
午前Ⅰは免除獲得したし、高度情報の問題の傾向もつかめたのでもう少し楽に勉強できるのではないかと思います。
そういう意味でもうけておいてよかったです。