はじめに

CI/CDのパイプラインをGitLabRunnerのKubernetes Executor（EKS）を使って実行する方法になります。
GitLab RunnerをEKSにインストールをします。
※EKSクラスターは構築済みの前提です。

これを利用する背景や課題だったこと、メリットなど

以前はec2上にkopsを構築、スケールアウトにはSpotinstを利用して、Runnerを利用していましたが、メンテナンスのコスト高、安定感に欠けていました。

今回はAWSの完全マネージド（EKS＋Autoscale+Spotinstance）にすることによりメンテナンスの容易さ＋安定化することが目的となります。

また、スポットインスタンスのワークロードでEC2 Auto Scalingを利用することにより、入札不要モデル（上限価格は設定不要、デフォルト値はオンデマンド価格）で、スポットインスタンスでも中断回数を大きく減らすことが可能で、パイプラインの中断を防ぎます。

作業の流れ

k8s上にrunnerのnamespaceを作成
GitLab runnerのchartが利用できるhelm repositoryを追加する
Runnerの設定ファイルの取得と反映
Runnerのinstall

1. k8s上にRunnerのnamespaceを作成

kubectlでEKSのクラスターに接続できる状態で、以下を実行します。

$ kubectl create namespace gitlab
namespace/gitlab created

2. GitLab Runnerのchartが利用できるhelm repositoryを追加する

gitlabのhelmリポジトリ追加します。

$ helm repo add gitlab https://charts.gitlab.io

追加されたか確認します。

$ helm repo list
NAME    URL
gitlab  https://charts.gitlab.io

3.Runnerの設定ファイルの取得と反映

以下を実行してvalues.yamlを作成します。
適宜values.yamlを修正します。

$ helm inspect values gitlab/gitlab-runner > values.yaml
$ vim values.yaml

以下、修正する必要がありそうな部分です。
Runnerが使うCPUやメモリもこのファイルで設定できます。

#GitLabのURL（Runnerを動かしているサーバのURL）
gitlabUrl:

#Gitlabから取得したトークン
runnerRegistrationToken:

#Runnerを動かす最大コンテナ数
concurrent:

#RBACの作成を有効
rbac:
  create: true

4.Runnerのinstall

上記で作成した設定パラメータのyaml（values.yaml）を使ってhelmでinstallできます。
更新や削除する場合は以下の※を実行します。

$ helm install -n gitlab gitlab-runner -f values.yaml gitlab/gitlab-runner

※パラメータを書き換えで更新する場合（既に上記の手順でインストールしている場合は以下で上書き）

$ helm upgrade -n gitlab gitlab-runner -f values.yaml gitlab/gitlab-runner

※runnerの削除する場合
既にインストールされている場合は以下で削除

$ helm delete -n gitlab gitlab-runner

installされているか確認します。

$ helm list -n gitlab
NAME            NAMESPACE       REVISION        UPDATED                                 STATUS          CHART                   APP VERSION
gitlab-runner   gitlab          1               2020-07-21 08:22:00.642993 +0900 JST    deployed        gitlab-runner-0.18.1    13.1.1

EKS上に展開されているか確認します。

$ kubectl get all -n gitlab
NAME                                               READY   STATUS    RESTARTS   AGE
pod/gitlab-runner-gitlab-runner-7bdc85b647-tggk9   1/1     Running   0          159m

NAME                                          READY   UP-TO-DATE   AVAILABLE   AGE
deployment.apps/gitlab-runner-gitlab-runner   1/1     1            1           159m

NAME                                                     DESIRED   CURRENT   READY   AGE
replicaset.apps/gitlab-runner-gitlab-runner-7bdc85b647   1         1         1       159m

参考

https://docs.gitlab.com/runner/install/kubernetes.html
https://www.creationline.com/lab/gitlab/33461

GitLab RunnerをEKSで実行