筑波大学2024年度授業enPiTでチーム開発をしたときの記録です。
開発したプロダクト
-プロダクト名:感想畑
-webアプリケーション
https://kanso-batake.vercel.app/
背景
【対象】
-研究に関わる全ての筑波大生
【課題】
-論文を理解するのが難しい
-研究室内でサーベイ情報が整理されていない
-論文に慣れていないので浅く広く眺めたい
【解決法】
-他の筑波大生が投稿した論文のまとめ情報を読むことで論文の概要を理解する
-タグ機能を使用して研究室内での共有場所とする
-タグ検索や関連する研究室からまとめを眺めることでその分野ではどのような研究が行われているかを知る
【独自性】
-利用者を筑波大生に絞ることにより、信頼度の高い情報を提供
-Notionよりも広い範囲で他人のサーベイを見ることができる
-投稿時は論文のdoiを入力するだけで基本的な論文情報を入力可能
感想畑の使い方
googleアカウントやメールアドレスでサインイン
論文を探したい
- トップページの投稿順の論文まとめを読む
- 検索バーから論文タイトルを検索
- 検索バーからタグ検索
論文を投稿したい
- 右上のハンバーガーボタンから「レビューを作成」を選択
- doiを入力
- 論文を読んだまとめを自身のフォーマットで記入
- 投稿
他にも
- マイページから過去に自分が作成した論文まとめを閲覧
- マイラボから自分の研究室メンバーが投稿した論文まとめを閲覧
- まとめ方の気に入った投稿者や気になる分野を扱っている研究室をクリックすることでさらに広い範囲を調査
メンバーの主な役割と振り返り
山岨 寛門:プログラミング開発(フロントエンド寄り)、モック作成
大作 春輝:プロダクトオーナー、プログラミング開発(バックエンド寄り)
三浦 隼:スクラムマスター、プログラミング開発(フロントエンド寄り)、モック作成
土居 亮斗:プログラミング開発(フロントエンド寄り)
関 拓己:プログラミング開発(バックエンド寄り)
赤田 真由:プログラミング開発(フロントエンド寄り)、モック作成
開発中意識したこと
デモの改善
秋スプリントでは毎回の終わりにショートレビューがあり、デモを発表する時間が設けられていたが、開発時間が短く、デモの準備を十分に行うことができなかった。また、他のチームの発表を聞く時にもあまり手を動かすことをせず受動的になってしまっているという話し合いがチーム内で行われた。特に私たちのチームは研究者を対象としており、多くの学部3年生にはストーリーが伝わりにくいという問題を抱えている。
発表を聞いている人が受動的ではプロダクトが十分に伝わらず、レビューが来なくなってしまっていた。
そこで、デモの方法を大幅に変えることで聞いている人に手を動かしてもらい、レビュー会全体を活発化させることを試みた。
具体的には、見るだけで完結してしまう画面共有を基本的に廃止し、各自のパソコンでプロダクトを動かしてもらいながら説明を行った。また、それだけでは説明不足となりプロダクトの使い方が分からなくなってしまうことを考え、発表者以外は教室で歩きながら案内役としてプロダクト使用のサポートを行った。
これにより、1日に数件、酷いときには0件だったレビューも10件以上貰えるようになり、後半のプロダクトの改善や方向性の検討にとても良い影響をもたらした。
振り返りの改善
enPiTでは、毎回のショートスプリントの最後に各チームで振り返りを行う時間があった。しかし振り返り自体はいくつも挙げられるものの、長期間にわたって重要なものとその回のみの軽いものの区別が付きにくい、数日後の授業には前回の反省を忘れてしまっているという問題があった。
そこで私たちのチームは、一度メンターの方に振り返りを見てもらい、良かったことと悪かったことの中でも重要なものに各自で星のスタンプを付け、スタンプの多いものを長期間残しておく方法を教えていただいた。この方法は重要な振り返りを見やすくし、また自分以外のメンバーがどの振り返りを重要に思っているかをとても分かりやすくした。
そして振り返りが終わり、その日の授業が終了した時にはmiroのボードの上に大きく「振り返りをする」というメモを置き、次回のプランニング時に必ず前回の振り返りを思い出すことのできるようにした。
個人的な振り返り
enPiTの授業を受けて、私は大幅に成長することができた。授業選択の際には、先輩からなかなかに重い科目だと聞かされていたため受講するか悩んでいたが、チーム開発というものに惹かれ、また就職活動の時に胸を張って頑張ったと言えるならばと、受講を決めた。
実際に受講し終えた感想としては、期待していたよりも多くのことを学んだ。大学院から筑波大学に来た私は周りがどれほどのスキルを持っているのかを知らなかったが、自分より遥かに高いプログラミングスキルを持ったチームメンバーにとても驚き、やる気に繋がった。また、チーム開発の話し合いの場では私の意見が大きくプロダクトの方向を決めることもあり、プロダクト開発の楽しさを知ることができた。
これらの学びは現在取り組んでいる就職活動にも活かすことのできるものであり、受講を決める時の考えは間違っていなかったことを嬉しく思った。
最後に、このプロダクトの開発およびその成果に向けて貴重な助言とご指導をいただいた教員やメンターの皆様に心から感謝申し上げます。