1. はじめに
先日、こちらのダンスのコンペを観てきた。
出演者の一人、JACKSON kakiさんが非常に面白かった。
以下引用。
JACKSON kaki
1996年静岡県生まれ、情報科学芸術大学院大学在籍。アーティスト、DJ、VJ、映像作家、グラフィッ クデザイナーとして活動する。VR/AR、3DCG、映像、パフォーマンス、インスタレーション、サウンド など、マルチメディアを取り扱い、身体の自然と、バーチャル・リアリティーの概念について制作とリサーチを行う。
テクノロジーダンス「さるかに合戦」
暴力・性・死を描くために、テクノロジーと「さるかに合戦」を踊ります。
本パフォーマンスはテクノロジーと物理現実の肉体を用いて、「隠された身体」つまり「暴力」「性」「死」について、伝統的な物語である「さるかに合戦」に沿いながら、ダンスを踊ります。私たちから隠されている身体を剝き出しにしながら、それを隠そうとするテクノロジーと共に「必死に」踊ります。
ダンス経験がない、やわらかそうなボディのロン毛のお兄さんがパンイチに不思議な衣装とVRヘッドセットを身につけて、ひとりで一生懸命動いていた。最先端の技術を使ったよくわからない事故(?)、テックの誤用・無駄遣い(?)、テックとアナログの魔融合(?)(もちろん良い意味で)を良い施設の良い椅子でたっぷり見させてもらったという印象である。かなり意味がわからなくて、とても面白かった。絶対また続きを観たい。
そのパフォーマンスに触発された結果、私も私なりのテック(今回はchatGPT)の誤用・無駄遣いを勝手に開陳したいと考えた。
2. 誤用・悪用
chatGPTが苦手なことをやらせた事例集。
周知の通り、chatGPTはアスキーアート等の非言語やインターネット上の情報が少ないものは苦手で、人間のいたずらにも結構ひっかかってしまう。かわいい。
2.1 アスキーアート
かわいい。
全然大仏ではないが、かわいすぎる。
セレンディピティ感がすごい。大仏ではない別のものを連想してしまう。
2.2 堂々と変なことを言わせる
AtCoderのchokudaiさんこと高橋直大さんが紹介されていたワザ。
すべてひらがなに統一してあげるのがコツ。
「ヒカキン」とカタカナにしてあげると正しめの答えを返してくれるが、ヒカキンさんの本名は「開發 光(かいはつ ひかる)」。かっこよ!
「ポチョムキン」が不動産用語になるところを見たかったが失敗。
一方で「ストランドビースト」「キル・ザ・ビースト」「ファンタスティックビースト」は美しい正答を出してくれた。塩梅の調整が楽しい。
2.3 ランキング関連
1番目は正答することが多いが、2番目以降は誤答することが多い。実際、紀ノ川の流域面積のランキングは不明だが、流域面積は1,750km2。
2.4 日本史関連
読み仮名も違うし兵庫県出身である。
2.5 ローカルな地理の話
「坂東太郎」とは利根川の愛称である。坂東太郎の歌舞伎っぽさはとてもわかる。
一生懸命答えを考えてくれたchatGPTには申し訳ないが、全て川の別名である。
「白洲次郎」をしれっと混ぜてみたが、ちゃんと惑わされなかったので偉い。
2.6 私が堂々と嘘質問を投げる
江坂遊は日本のSF作家である。しかも大阪府出身である。
「けいおん!」のプロデューサーは中山佳久さん、中村伸一さん、太布尚弘さん、八田陽子さんである。
奈良県現知事が山下真氏であるのは正解。
気持ち良いくらいめちゃくちゃに嘘を返してくれて嬉しい。
ちなみに、「政治家の田山花袋について説明して」と投げたところ、普通に嘘を見破られた。
『蒲団』の「リアリスティック」は本当に凄いので、全世界のセクハラおぢに読ませて回りたい。
3. 無駄遣い
chatGPTに変なものを食わせたり、クリエイティビティを発揮させたりした事例集。
3.1 しいたけ占いの要約
私の読解力に問題があるのか、しいたけ占いをいつもスッと理解できないため。文章が上手いのは分かるが、何も読み取れない。私も共感してもらった感を味わって励まされたいのに。
3.2 『HUNTER×HUNTER』の「ヒソカ」を降臨させる
ちょいちょい「。」を使ってしまう。
ちなみに、ヒソカより『ONE PIECE』の「ルフィ」の方がうまい出力をしてくれる。
筆者は帝京平成大学のMAD以外では『ONE PIECE』未履修だが、それっぽい気がする。
うっせぇ‼︎‼︎行こう!❣️帝京魂🔥
3.3 アホのパンチラインの量産
私は倫理や一般常識を踏み越えずにシュールを極めたものが好きなので、これはchatGPTだからこそできる良い出力だと思う。
ソース:
3.4 いろいろなポケットモンスター
チューニング次第で無限に遊べる。
4. さいごに
chatGPTはコードレビュー等のプログラミング用途では素晴らしく便利で、もう私はchatGPT無しでは生きられない身体になってしまった。一方で、使い方によっては「極めて自然で最もらしく、無難で当たり障りのない(※しかも欧米寄りの倫理観で)」ものしか出力されないこと、時には大嘘を自信満々に返してくることがあることに、空虚さや息苦しさやつまらなさを感じて、苛立つこともよくある。
今回は、chatGPTのそういった側面へのアンチテーゼとしての使い方を列挙してみたが、もっと面白い遊び方やハック方法はきっとあるはずなので、まだまだ探求していきたい。
chatGPTを盲信せず、上手く使いこなして遊ぶための参考になりましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。