この記事では pyenv とはどういうもので、どのようなことできるのかを解説しています。
Windows環境での利用方法について説明しています。
pyenvとは
pyenv は Python のバージョン切り替えを行うためのツールです。
pyenv を使用すると、異なるバージョンの Python をインストールすることができ、バージョンの切り替えを簡単に行うことができます。
公式サイト github.com/pyenv
Windowsで使用する場合は Windows環境向けに開発された pyenv-win を使用します。
公式サイト github.com/pyenv-win
グローバル環境を汚染しない
pyenv を使うと、ユーザーフォルダ配下に Python をインストールするため、他のプロジェクトやシステムに影響を与えません。
プロジェクトごとに Python のバージョンを指定
プロジェクトごとに異なるバージョンの Python が必要な場合、pyenv を使えばディレクトリ単位でバージョンを指定できるため、プロジェクトごとに適切な環境を構築できます。
インストール
Windows環境で使用する場合は pyenv-win をインストールします。
公式サイト インストールページ
インストール方法はいくつかありますが、公式サイトで最も簡単な方法として掲載されている PowerSell でコマンドを実行する方法を解説します。
注意
その他の方法を使用する場合、手作業での環境変数の登録やpyenv実行ファイルへの権限付与などを行う必要があるためお勧めしません。
PowerShell を開き以下のコマンドを実行します。
Invoke-WebRequest -UseBasicParsing -Uri "https://raw.githubusercontent.com/pyenv-win/pyenv-win/master/pyenv-win/install-pyenv-win.ps1" -OutFile "./install-pyenv-win.ps1"; &"./install-pyenv-win.ps1"
実行するとユーザフォルダ C:\Users\ユーザ名\
の直下に .pyenv フォルダが作成され、pyenv-win の関連ファイルが展開されます。
pyenv のバージョンを確認します。
pyenv --version
バージョンが表示されればインストールは成功しています。
pyenv を使用して Python をインストール
pyenv は PowerShell でコマンド入力して操作します。
インストール可能なバージョンを調べる
pyenv install --list
インストール例 (3.10.0をインストール)
pyenv install 3.10.0
C:\Users\ユーザ名\.pyenv\pyenv-win\version
にインストールされます。
インストールされているバージョンを調べる
pyenv versions
3.10.0
* 3.11.0 (set by C:\Users\ユーザ名\.pyenv\pyenv-win\version)
選択しているバージョンに * が付きます。
バージョン切り替え
Python のデフォルトバージョンを指定
pyenv global 3.10.0
pyenv global コマンドを実行すると、ログインしているユーザが使用する Python のバージョンが変わります。
バージョンが変更されていることを確認します。
pyenv versions
* 3.10.0 (set by C:\Users\ユーザ名\.pyenv\pyenv-win\version)
3.11.0
Python のコマンドでも確認できます。
python --version
Python 3.10.0
プロジェクトで使用する Python のバージョンを指定
プロジェクトのフォルダに移動してコマンドを実行します。
cd C:\project1
pyenv local 3.11.0
pyenv local コマンドを実行すると、現在のフォルダに対して Python のバージョンを指定します。
バージョンが変更されていることを確認します。
pyenv versions
3.10.0
* 3.11.0 (set by C:\project1\.python-version)
設定の解除は以下のコマンドを実行します。
pyenv local --unset
その他のコマンド
インストール可能な Python バージョンのリストを更新する
pyenv update
pyenv install --list で検出するインストール可能な Python バージョンを更新します。