電気自動車の今昔
今、旅行で愛知に来ています。
トヨタ博物館に行って解説を聞いていたら、100年ほど前の自動車黎明期は、現代の主流であるレシプロエンジン(いわゆるガソリン車)は20%ほどのシェアで、蒸気機関、電気自動車の方が人気だったそうです。
当時は、レシプロよりも蒸気の方がパワフルだったり、ガソリンスタンドも少なければ電気の方が補給しやすいなどの背景があったようです。
現代では100年の時を経て、ガソリンから電気への転換を迎えています。
ここに至るまでには、夜間電力が余っている問題や電池の技術発展、環境性能の要求の高まりなど、いろいろな背景がありました。
技術の振り子
技術は振り子、あるいは螺旋だという表現を何度か目にしたことことがあります。
自動車の機関の話のように、昔廃れた技術が何かをきっかけに見直され、再燃する。
背景にあるのは、技術単体の進化というより周辺環境の方が影響していると思います。
- マシンスペックの向上
- ボトルネックとなるポイントが変わる
- エンドユーザーの環境
- スマホとか、VRとか
- ビジネス上の目標、収益構造
- 広告収入、サブスク、マイニングetc
- OSS界隈の動向
- 拡張ツールでさらに便利に
- セキュリティポリシーの変化
- Cookie、HTTPSなど
- 法規制の変化
- 緩くなる、キツくなる、解釈が変わる
技術の審美眼
でも再燃した時、過剰な期待を持って迎えられ、銀の弾丸かのように取り扱われることがある。
クラウド、ゼロトラスト、アジャイル、機械学習、マイクロサービス・・・思い当たる節はないでしょうか。
PoCでも有利な条件でやれば優位性が示せるのは当たり前で、上に挙げた観点でも適性があるのかも大事だし、それに加えて、
- 組織の体制
- 既存のIT資産との連携
といった組織内部の環境への適性も関わってくると思います。
まとめ
- 螺旋の歴史を知っておくと面白い
- 次の復活が訪れたときに理解が早い、正しい選択/使い方ができるはず
- 置き換えではダメ
- 取り入れるにしても、従来のものと同じ思想ではないから、単なる置き換えではなくアジャストが必要
- そのスコープは、従来考えていた範囲と同じとも限らない
- 最終的には諦める
- 銀の弾丸はないと心得る
- 従来のやり方も、どこかで諦めはあって当たり前に受け入れられているだけ
- 新技術の諦めポイントを掴み、関係者を説得させる
ということで、これから電気自動車を購入予定ですが、従来の自動車の枠組みに囚われずに楽しんでみたいと思っています。