ace-jump-modeでリージョン範囲を広げるためには

ace-jump-modeでリージョン範囲を広げることを考える。つまり、C-SPCでマークをセットしてリージョンをアクティブにし、その後いくらかカーソルを移動すればリージョン範囲が広がることが確認できるが、ace-jump-modeでさらにその範囲を広げてみよう、ということである。これを実際にトライしてみるとすぐに分かるように、最新版ではace-jump-mode発動時のカーソル位置に常にマークをプッシュしてしまうため、リージョン範囲が期待した通りに広がらない。
（ただしace-jump-modeを適切なキーに設定している状況を想定。例えばC-c C-SPC）

そこで以下のように関数を修正した。

(defun ace-jump-push-mark ()
  "Push the current position information onto the `ace-jump-mode-mark-ring'."
  ;; add mark to the emacs basic push mark

  ;; リージョンがアクティブのときはマークをプッシュしないように修正
  (unless (region-active-p)
    (push-mark (point) t))
  ;; 修正ここまで

  ;; we also push the mark on the `ace-jump-mode-mark-ring', which has
  ;; more information for better jump back
  (let ((pos (make-aj-position :offset (point)
                               :visual-area (make-aj-visual-area :buffer (current-buffer)
                                                                 :window (selected-window)
                                                                 :frame  (selected-frame)))))
    (setq ace-jump-mode-mark-ring (cons pos ace-jump-mode-mark-ring)))
  (if (> (length ace-jump-mode-mark-ring) ace-jump-mode-mark-ring-max)
      (setcdr (nthcdr (1- ace-jump-mode-mark-ring-max) ace-jump-mode-mark-ring) nil)))

リージョンがアクティブのときはマークをプッシュしない、というものである。上記関数を評価した後は期待通りにリージョン範囲を広げることができる。

余談だが、最近「画面内を素早くカーソル移動する方法のまとめ」で紹介したavyでもリージョンがアクティブ時の同様の問題点が指摘され、修正されている。むしろ本稿はこの修正に触発されて書いた。
avy.el (avy-action-goto): Don't push mark when region is active