こちらの記事は、Skyler Thompson氏により2019年12月に公開された『 Do You Really Need More RAM? 』の和訳です。
本記事は原著者から許可を得た上で記事を公開しています。
昔はコンピュータが遅くなれば、メモリを追加することが単純で安価な問題の解決方法でした。その考えは今でも根強く残ってますが、正しいのでしょうか?
コンピュータを高速化しようとするとき、メモリを最優先にすべきでしょうか?最近のコンピューターを平均的なユーザーが使う場合、これらの質問に対する答えは基本的にはノーです。
コンピュータは、CPU、GPU(CPUと組み合わされることもある)、メモリ、ストレージ、電源装置、マザーボード、その他いくつか(または多数)のコンポーネントなど、さまざまな部品で構成されています。
では、なぜ人々はメモリがパフォーマンスのボトルネックであると何も考えずに仮定して、アップグレードしようとするのでしょうか。
1.メモリはどのくらいあれば十分ですか?
これは、コンピュータを使用する人とその人が何を計画しているかに大きく依存します。基本的な事務作業(Microsoft Word、電子メール、Webブラウザ)をする人にとっては、8GBあれば十分です。
メモリをこれ以上買うのはお金の無駄でしょう。Chromeのようなウェブブラウザは大量のメモリを消費し、より多くのメモリを消費する可能性があると主張する人もいるでしょう。これは、Chromeがオペレーティングシステムが現在使用していないメモリを利用しようとするためです。ですが、メモリが必要な場合、OSが再利用して再配布するので、問題ありません。
大量のビデオ編集や大量のdockerコンテナ(仮想環境)を使った作業のように、「プロ」作業をたくさん行う場合には、さらにメモリが必要になります。一般的には、そのような状況で買える限りの量です。例えば、私のコンピュータ上でdockerコンテナで動作するシステムで作業していると、時々マシン上の32GBをすべて消費してしまいます。
これらの状況は非常にまれです、だいたいの人は8GBでも大丈夫でしょう。それ以上のものは通常ではお金の無駄になるでしょう。ただし、最近のプログラムではRAMの利用が増えているので、将来に備えて16GBは購入してもよいでしょう。
また、一般的には妥協点はありません。できるだけ多くのメモリが必要か、または8/16GBで十分かのいずれかであり、ほとんどの人は後者のカテゴリーに分類されます。
2.優れたパフォーマンスを実現するには、ソリッドステートドライブ(SSD)が重要
パフォーマンスを改善する重要な要素は、ソリッドステートドライブ (SSD) です。コンピュータにハードディスクドライブ(HDD)が搭載されている場合は、この部品を購入してパフォーマンスを大幅に向上させる必要があります。
数年前にSSDをすべてのマシンでプライマリブートドライブとして使用するように切り替えて以来、ハードディスクに戻るなんて考えられません。マシンの起動にかかる時間は1~2分から5~10秒に改善しました。
起動時間だけではありません。Windowsを使用してるとログイン中画面を1~2分見つめた後、最初の5~10分はマウスを動かす以外に何もできないくらいぎこちないパフォーマンスを経験したことはありませんか?
chromeをクリックすると、開くのに2分かかる。MS Wordを起動して入力を開始すると、数分後に実際に単語がページに表示される。SSDでは、この問題は発生しません。
ここで重要なのは、ほとんどの超低速マシンのボトルネックはHDDだということです。時間の経過とともに速度が低下して断片化し(最初からそれほど速かったわけではない)、ほとんどのHDDの読み取り/書き込み速度は平均60~70Mbpsになります。最新のNVME SSDと比較してみると、3000Mbps以上の読み取り/書き込みが可能で、パフォーマンスの違いがわかります。
マシンの動作が遅い場合は、HDDがあるかどうかを確認し、HDDのアップグレードについて確認します。小さなSATA SSD(NVMEより遅いが550mbps程度)は通常30ドル程度で手に入り、大幅な改善が見込まれます。
※訳注:日本でも3000円程度から購入できます。
3.CPUはどうですか?
最近のCPUが、基本的なコンピュータで行うタスクのためのシステムのボトルネックになることはめったにありません。低価格のCPUでも、シングルコアのパフォーマンスはかなり良いという事実があります。ほとんどのプログラムはマルチコアを利用せず、CPUのシングルコアのパフォーマンスに大きく依存しています。繰り返しますが、高負荷のビデオ編集を行うプログラムは、明らかにより良いCPUを必要とし、より高価なものが提供するマルチコアに依存しますが、ほとんどの人にとっては必要ではありません。
4.不要なソフトのダウンロードをやめる
これは主にWindowsユーザ向けです。遅いマシンを紹介されたときに私が目にする主な問題は、あらゆる種類のブロートウェアやマルウェアがインストールされていて、そのゴミを取り除くだけでマシンが大幅にスピードアップすることです。
ほとんどのユーザーは、Microsoft Officeとウェブブラウザ以外のものは必要としないので、これを使い続けるべきでしょう。企業(または個人)を知らない、素敵なプログラムが見つかってもインストールしないでください。おそらくマルウェアでしょう。
結論
結論として、想定したとおりに動作しないマシンがある場合は、メモリのアップグレードを何も考えずに検討しないでください。遅いマシンを高速化するための優先順位は、おそらく次のようになります。
- 不要なものを消しましょう。ストレージの残量が少ないマシンでは、最高のパフォーマンスを発揮できません。また、数か月または数年にわたってインストールされたと思われるマルウェアやブロートウェアも、もちろん削除しましょう。
- SSDを購入/アップグレードしてください。HDDが搭載されているマシンの場合は、SSDに交換してください。少なくとも、SSDを起動ドライブとして使用し、より安価なHDDをストレージとして使用してください。マシンにNVMEドライブを使用する機能があり、SATAドライブを使用している場合は、NVMEドライブに交換します。
- メモリ- 前2つの手順でパフォーマンスが改善しない場合にアップグレードしましょう。メモリが8BG未満の場合はアップグレードを考えてください。メモリが16GBより大きく、大量の作業を行っていない場合は、アップグレードしないでください。
- CPU- CPUのアップグレードは通常、ノートパソコンでは不可能であり、デスクトップでも互換性のあるものを見つけるのは困難です。CPUの処理速度が遅く、最近より集中的な作業を始めて、デスクトップを使用している場合は、より高速なCPUへのアップグレードを検討してください。CPUを購入する際には、マザーボードのソケットに互換性があることを確認してください。
翻訳協力
Original Author: Skyler Thompson
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