ただの個人的忘備録
ー 忙しい毎日のなかで、忘れないように。
- できている
- できていない
XX おじさんの知恵袋での会話
同僚から、とあるお客さまへメッセージ:
ワイヤーのご確認は済まれましたでしょうか?
こちら確定次第デザイン・コーディングの方始めさせていただきたいのでよろしくお願いいたします!
XX おじさんよりアドバイス:
(あるお客さま)さんは大丈夫だと思いますが、気難しいクライアントだと上記の表現を次のように解釈してしまうときがあります。
ワイヤーの確認してって言ったよね?
コーディング進めたいから待ってるんだよね。
トラブルを回避するためにも次のような考え方をもって欲しいです。
・ワイヤー確認して欲しいと依頼したけれどまだお返事を頂けていないのはきっと忙しいからだろうな。
・依頼そのものをうっかり忘れているかもしれないな。
・確認が遅れることで完成が遅れてしまうとクライアントがお困りになるかもしれないな。
先日ご提示しましたワイヤーのご確認作業の進行は如何でしょうか?
AA日までにご確認頂けましたらBB日までに仮リリースすることが可能です。
上記は
進行は如何でしょうか?と尋ねることで「仕事が忙しくて時間が取れなかった」とか「うっかり忘れていた」と先方の誤りや過失を認めやすい雰囲気を作っています。
また、AA日までに確認してもらえないとBB日には仮リリースすることは出来ない、という情報を伝えることが出来ています。
クライアントは急かされることを嫌いますので「急かす」ことなく「促す」というニュアンスでアプローチすると言葉にならない不満を蓄積させずに済みますよ。
それを見ていたわたし:
今まで割と頻繁にこういった場面あり、何とお返事をお返しすべきかウンウン…と悩み、
でもその間にも時間は刻々と過ぎて (そしてたまに、会社の偉いひとから「○○さん、△△様にお返事してねー」とお声があったり)
じつは本日もあったんですねー。
ある機能について、お客様は
「これは前はこう動いていた、でも今そう動いていない。急いで直して下さい。」
とおっしゃられたのですが、ソース内容と変更のタイムスタンプを見る限りは、前から同じく状態のはず。。。
でもわたしはそのシステムで使用されている言語分野は未熟なので断言はできない。。。という状況でした。
「お客様困ってるなら直せばいーんじゃない?」
ですし、実際いま作業しておりますが、「はい、やります」と言うべきでない場合も契約の状況によっては、あると思うんですね。
こういった場合…まずどういう視点で向かい、どのようなご返答の仕方がありますか?
XX おじさんよりアドバイス:
難しいですね。
お客様の認識が間違っているという場面もおおいにありますね。
まず、お客様はお困りになっていますので「共感」しましょう。
そして、「事実」を伝えます。
そして、「今できること」を伝えます。
基本方針はこれで良いと思ってます。
例えば、
(共感)
「なるほど、それは困りますね。」
(事実)
「確認したところ、当該部分のプログラムの最終変更日時はXXXであります、
これはXX年XX月XX日以降、変更が加えられていないことを示します。
つまり、XX年XX月XX日から振る舞いは今のままだった、ということを示しています。」
(今出来ること)
「現状、調べられる範囲での事実関係は以上の通りで御座いますが、お客様がご希望であればご指示通りの振る舞いにしたいと考えておりますのでXX日の作業時間が掛かりますが宜しいですか?」
先方がご立腹であればあるほど、共感の部分に重点を置くと良いと思います。
まずは共感、例え相手が間違っていたとしても実際勘違いしている通りだったならばお困りだろうな。怒って当然だろうな。という気持ちになってほしいです。
そして、次のステップで事実を伝えます。
この時どのような反論があろうとも、どれほどご立腹になろうとも、事実を事実として毅然とした態度で伝えます。
そして、それでは今後どう致しましょう。
というストーリーであれば概ね対処可能だと思います。
じゃあ、対応時間の費用はどうするの?
といったところは後からでも対処出来ますし、上司に相談ということも出来ます。
答えになったでしょうか?
さらに:
付け加えますと、この時、謝罪しないという点がポイントです。
お客様が勘違いしていた場合でも謝罪しなければならないとしたらこれは心が折れちゃいます。
「ご迷惑をおかけしております。」
「大変お待たせしております。」
これらは謝罪のときに使われる言葉ですが実際には謝罪していません。
ご迷惑をおかけしていることも、大変お待たせしていることも、単なる事実です。
こちらは事実を述べているだけなので心が折れず、けれどもお客様は何となく神妙な気持ちになってるんだなと解釈してくれます。
どうしても謝罪しなければならないときは私が代わりに謝罪しますので、●● さんは謝罪しないように心が折れないように頑張って工夫をして欲しいです。
わたし:
わたしは意外に気が強く、お客様に何か認識違いがあるような状況下で
「ご迷惑をおかけしております。」
と言うと、きっと内心ムッとしてしまう気がします。
「大変お待たせしております。」
は事実で、それは自分自身も必ず申し訳なく感じることで ー 頑張って謝らないよう、でも心にないことを言葉にしないよう、日々練習します。
XX おじさんより:
なるほど、確かに。
お客様が誤解しているのであれば「ご迷惑」は掛けていないですものね。
私はこのようなときに次のような考え方をするようにしています。
お客様は
「迷惑を掛けられた」と感じている、
「待たされている」と感じている。
この点について「共感」して解決の糸口を見つけたい。
正しさに拘って解決出来ないことと、解決の糸口を見つけることとどちらが大切か?
どちらがお客様と自分がより早く幸せになれるだろうか?
大抵の揉め事や行き違いは正しさと正しさのぶつかりあいだと考えています。
どちらかが絶対的に正しくて、どちらかが絶対的に間違っている、ということは殆どなくて、
「ほぼ間違いのない正しさ」と「ほどほどの正しさ」がぶつかったりすることが多いです。
私達は自分が間違っていない、正しいのだと感じたときに、誰かとぶつかってしまう危険な状態にあると考えて良いのではないかなと思ってます。
両者が正しさを競うと解決出来る問題も解決への糸口さえも見出すことが難しくなります。
私が今まで経験してきた中で感じたことは、最初に共感。
共感しないことには解決のスタート位置に付けない。
というものです。
誤解であるならば一緒に確認すればよくて、相手が間違っていることを自覚したとき撤回したり、勘違いを認めてくれる場合もあります。
また、明示的に勘違いを認めなくても、そのことについて触れなくなるということもあります。
私は
私だったらどうするか?どのように考えるか?
を伝えることにしています。
自分なりの問題解決アプローチを見つけてくれると嬉しいです。
わたし:
すごくむずかしいです。
自分を振り替えってみると、仕事以外のことはけっこうゆるくて、
「いやいや~、そうやって揉めて解決しないのと、相手の目線に合わせてみて分かる部分もあるし、ま、いいやって許したら、相手も理解してくれることもあるし、どっちのがお互いに楽/ハッピーか明らかじゃない?」
という感じにやっておりますが、仕事のことになると…なぜだろう…なかなか出来ない。何故なのでしょう。
XX おじさんより:
あくまで想像ですが責任感なのではないか?と思います。
仕事においては謝罪をしてしまうと間違いを認めた、瑕疵を認めたと受け取られることがあるので慎重になっているのかなと想像しました。
この辺り微妙なんですが、共感と同意は別物で、共感しても同意しないという場面って結構あります。
というか交渉が必要な場面って利益が相反していたり、主張がぶつかっていたり、行き違いがあったりなのだと思います。
あるとき、お客様のお気持ちをウンウンと頷きながら聞き、共感していたところ、あとから
「私の主張にウンウン頷いていたのだから、間違いを認めているんですよね?」
と言われて驚いたことがありました。
それ以降、お客様のお考えを聞いたあとには
「なるほど、お客様のお考えは理解出来ました。」
あるいは
「お客様のお気持ちは理解しました。」
と言うようにしています。
気持ちは理解したけれども、同意はしていない(留保している)よ、ということを言外に表現しています。
お客様の主張に同意出来ないときでも共感して良いのだとすると、交渉はとてもやりやすくなります。
お客様はまず、共感して欲しいのですから。
共感してお客様の目線を想像出来るようになったときに初めて、同意出来る部分と同意できない部分の境界線がぼんやり見えてくるのだと思います。
いつも無意識にしてることを言葉にして表現してみるというのは意外と難しいものですね。
この拙い文章で真意が伝われば嬉しいです。
改めて交渉とは何なのか?を考えてみたいと思います。
ウィキペディアによると「交渉とは、合意に到達することを目指して討議すること。」とあります。
お客様と交渉している場面を例として役割を整理してみます。
お客様=クライアント(支払いを少なくし、成果物を大きくしたい)
あなたの会社=約束(契約)を果たし、お客様に幸せになってもらう
あなた=調停者
お客様と交渉する人(あなた)は会社の代表なのですが、会社の利益を代弁する存在だと合意が難しい場合があります。
これは取引形態や提供するサービスによって様々です。
例えば、自動販売機のようにお客様が選んだ商品を提供するだけで成立する取引であればそもそもお金を入れて商品を選んだ時点で合意が成立していますので、商品がでてこないなどのトラブルがない限り交渉は必要ありません。
しかし、受託開発やコンサルティングなどのように成果物が見えにくいサービスについては合意するために交渉が必要になります。
ソフトウエア開発においては請負契約よりも準委任契約の方がより交渉の抽象度が高く、交渉が難しい傾向があります。
話を元に戻すと、
お客様にとって「あなた」の役割が会社の代弁者である限り、誰が交渉を行っても合意に至るのは非常に困難です。
そこで私が過去に発注者として営業と交渉していたときのことを思い出しました。
その時、営業は私の主張に共感しつつも、会社の規定でそれは出来ない。
あるいは「3000万円ご注文頂けるならば1000万円お値引きという条件で上司に掛け合います」
という形で擦り合わせをしていたんですね。
これって、一言で言うと「調停者」じゃないかなと思いました。
「あなた」がお客様にとって、調停者の役割を演じることが出来れば交渉はもっとわかりやすく、シンプルになるのではないかと感じています。