こんにちは。ちょっと自分でもどこを目指しているのかわからない 1 あずきしろもち(@azukisiromochi) です。
今回は 色の見え方の違いと、その理由 のお話。
以前 Twitter でこんなアンケートをとりました。
あなたの思う「黄緑」はどれ?
— あずきしろもち (@azukisiromochi) February 15, 2019
母数が少なくて申し訳ありませんが、この件数でも回答が割れています。
つまり、 人によって「黄緑」と思う(感じる)色が異なる という事です。
不思議ですよね?
この記事では色の見え方の違いと、その理由にフォーカスをあてていきたいと思います!
はじめにお断り
今回の記事は Qiita に多く投稿されているような技術的な要素はほとんどありません。
ですが、開発を行う際にユーザーと『色』の決定を行うシーンは少なからずあり、そこで役に立つかもしれません。
ということで、「技術的な記事じゃないと読みたくない!」って方は、そっとブラウザバックしてくださいね
黄緑の定義
黄緑ってどんな色?
黄緑(きみどり、おうりょく)は、黄色と緑の間色。
黄緑を示す単色光の波長は、およそ545nmから565nm程度であり、短波長になるほど緑みがかった色に、長波長になるほど黄みがかった色になる。
下の色見本で、左は黄みの黄緑、右は緑みの黄緑である。
黄緑 | Wikipedia
Wikipedia 先生によると、 黄色と緑の間の色 という非常に曖昧な定義がなされています。
さらには、 黄みの黄緑 や 緑みの黄緑 といったワードも出てきて 曖昧さここに極まり といった感じです(笑)
最初に出てきた4色も黄緑
冒頭に出てきたツイートの4色。
実はすべて『黄緑』として定義された色になります。
①Chartreuse Green(シャトルーズグリーン)
フランスのグルノーブルに設立された修道院の名前がシャトルーズ。
その修道僧が作ったリキュール 2 が黄と緑のどちらともいえない色をしていたので、その色の色名にこの名前が与えられたと言われています。
個人的にすごく好きな色の一つです。
②若草色(わかくさいろ)
早春に芽吹いた若草のようなあざやかな黄緑のことです。
③の「萌黄」と同じ意味合いのいろですが、こちらのほうがより黄みが強く若さを感じさせる色です。
③萌黄(もえぎ)
春に芽吹く若葉のような黄緑色を表す伝統的な日本の色名です。
「萌葱」と書くこともあります。
④Leaf Green(リーフグリーン)
直訳すると木の葉の緑色という色名です。
芝生の色であるグラスグリーンとともに自然の黄緑色を表す分かりやすい色名の黄緑です。
色はそもそも曖昧なもの
ここまででたくさんの黄緑が出てきました。
ここまで読んできた人なら
「この部分は黄緑でおねがい」
みたいなお願いをされると、困ってしまうことが分かったと思います。
このような曖昧さは赤や青でも同様で、一部の例外 3 を除いては絶対的な色はありません。
では、 なぜ色はあいまいなのでしょう?
色の曖昧さの原因
「 色彩とは何か? 」という考えについて、古くは古代ギリシャのプラトンやアリストテレスにより書き残されています。
紀元前4世紀ごろの話です。
そんな昔から人は色に興味を持ち、学んできました。
最初は植物や鉱物の染料や顔料から色を抽出することから始まり、光を発見し、合成染料を発見し...
その度に様々な科学者や芸術家が色彩論を研究して色の定義が進みました。
つまり、色は 定義して出来上がったのではなく、元々あったものが後から定義されて色として認識された のです。
「この若葉は良い色だ。若草色と名付けよう」
そうしてうまれた色(色名)が、のちに定義された『黄緑』という色相の範囲にあてはまっているため、たくさんの黄緑が存在し曖昧さにつながっているのです。
曖昧な色を伝えるための方法
色はあいまいなものです。
でも、色は身近なものです。
色を伝えなければならないシーンはたくさんありますが、曖昧な色をどう伝えればよいのでしょうか?
色相で伝える
色相とは「赤」「青」「黄緑」といった色合いを表す言葉です。
すでに説明しましたが、色相を使った色の伝達では曖昧すぎて難しいですね。
色名で伝える
「シャトルーズグリーンでお願いします」
良さそうですね!
伝わる気がします。
聞いた人は、「シャトルーズグリーン......。聞いたことがない色だけど調べればコードが出てくるだろう」とOKを出すでしょう。
そして驚愕するのです...
「サイトによってコードがちがうぅッ!!」
と。
色名も結局のところシャトルーズっぽい色として付けられたにすぎません。
そう、曖昧なのです。
そうなると色名でも人に伝えることは難しそうです。
via. Encycolorpedia
via. COLORS MATSUYAMA
via. Colors in Japanese
コードで伝える
結局のところ明確に定義されたコード値が確実だと思います。
#d3e173
などの16進数で表したものでもよいですし、RGB、HSV、HLS、専門的なものだとマンセル値などでもいいでしょう。
相手がわかる体系のコードで伝えれば、 概ね 認識の齟齬はなくなります。
概ね と書きましたが、コードも万能ではありません。
色というものは「まわりの明るさ」「隣接する色」「色を表現するものが何なのか(印刷物なのか、ディスプレイなのかなど)」などにより見え方が大きく異なります。
コードとあわせて 実際の色がわかる画像なども用意 して、齟齬が小さくなる工夫をするとよいですね。
おわりに
色があいまいで、人に伝えることがいかに難しいか をまとめてみました。
色彩検定などで学問として色を学ばないと、なかなか気が付くことができない内容だと思います。
あなたは色を伝える側ですか?
それとも受け取る側ですか?
もしかすると、その両方に属している人もいるかも知れません。
そんな色を扱うみなさんに、この記事を通して「色の伝え方」を意識してもらえたら嬉しいです!