どう考えても勉強する時間がないのに申し込んでしまった人間の学習と反省の記録(2022年春)
対象読者層
受ける時間・勉強する時間がないと言い訳して気が付いたら申込期限(あるいは受験)1週間前になっている人。
あるいは忙しすぎて受験できないと自分に言い訳している人向け。
反面教師にしてくれ。
基本スペック
専攻は農学系・未経験でIT系入社し数年経過。
業務で1年目に軽くhtmlとJava、その後誰も知らないようなツールを使いデータ移行。
それ以降はほぼAccess開発で、たまに素敵なExcel→Access(OracleDB)へのデータ移行をしている。
C#やVB.netの案件に一時的にぶち込まれたこともあるがあまりの多忙さに記憶から消滅。
IT系のアルファベットの略語が覚えられない。
財務会計系の問題が致命的にできない。勘で選んでそれっぽいのを選んでも9割ぐらいの確率で間違える。家系で唯一帳簿が読めない人間。
入社1年目のころにITパスポート、3年前に情報セキュリティマネジメント試験に合格。
受験しようとしたきっかけ
会社が受験料出してくれる&微々たるものだが一時金が出るから。
入社前に会社から基本情報技術者のテキスト(キタミ式)を配布され、新人研修でも広く浅く解説があったので試験についてはざっくりとだが知っていて会社も受けろ受けろと言っていたので。
今まで受けてこなかった理由
受験申込時期と試験日付近はどういうわけか鬼のように忙しく毎回申し込みを忘れたり受験できるような状態じゃなかったので見送っていた。
あと申し込み時期に軽く過去問をやってみたらあまりにもわからないことが多くとても合格点にはたどり着けそうになかったというのもある。
今回受けた理由
たまたま申し込み最終日(5/19)の23時50分ごろに試験のことを思い出し、
このギリギリに思い出したからには受けなければならないという謎の使命感に駆られ受験を決意した。
怒涛の休日作業や納品で疲れて血迷っただけかもしれない。
これが月末納品未着手ひとりぼっち開発案件にぶち込まれた日の出来事であった。
受験スケジュール
午前試験を5/24、午後試験を5/27に受けることにした。
丸1日休むことができる業務状況じゃなかったのと連日の午前様で体力がゴリゴリに減っているので午後半休で受けに行くという形で2回に分けた。
午前試験を受けた感想
日付が変わってから解いた過去問で、間違えた問題の答えを間違ったまま覚えていたことが判明。
睡眠時間を大幅に削ってまで過去問をやっても逆効果だったなという印象。
午後試験受けた感想
表計算の問題って関数覚えていかなきゃいけないと思って当日に頑張って暗記していったんですけど、暗記しなくてもよかったらしいですね。
ところで「表計算ソフトの機能・用語」っていったい設問のどこに載っていたんですかね。(見かけなかった)
基本情報の学習のために使った書籍・サイト
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キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 平成29年度版
https://www.amazon.co.jp/dp/4774185221
定番中の定番。(新人研修で配布されたやつがどこにもなかったので、会社に置いてあった誰のかわからない本)
イラストも多く仕事中の虚無時間に流し読みしたり暇つぶしにも使えるのでおすすめ。
必ずしも最新版を買う必要はない気がするがどうなんだろう。 -
基本情報技術者ドットコム
https://www.fe-siken.com/
超必須、ここでひたすら過去問道場。 -
「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
https://wa3.i-3-i.info/
過去問やってて理解できなかった単語をここで軽く調べ概念を理解するのに活用。
大体の単語は網羅されているので助かる。
解説を読み終わったらページ下部のその他の用語で知らないものをひたすら読んでいくというのをやりがち。
試験関係なくこれまで勉強になった気がする書籍・サイト
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すらすらと手が動くようになるSQL書き方ドリル
https://www.amazon.co.jp/dp/4774122998
新人研修時に使った本、入社して数年以上経つが今もやってよかった1冊だと思っている。
SQLとテーブルの扱いはこの本と1年目にぶち込まれたデータ移行案件で培われたといっても過言ではない。
現在は改訂第3版が出ている。 -
星野君のWebアプリほのぼの改造計画
https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/series/2411/
新人の頃にあれこれ調べていたらたどり着いた連載、ここで初めてセキュリティの概念に出会い楽しさに目覚めた。
書かれた日付は古いが、webセキュリティ入門の読み物としてはとっつきやすいと思う。 -
小悪魔女子大生のサーバエンジニア日記 (書籍版)
https://www.amazon.co.jp/dp/477414522X
入社1年目の頃に漠然とサーバ周りも理解できるようになりたいなんて無謀な望みを抱いて買った本。
絵や字の癖など人を選ぶだろうが、分かりづらいところをどうにか分かるようにかみくだいて書かれているので、入門書として仕事中の虚無時間などに読んでみてはいかがだろうか。
今読むと全部難なく理解できるが、1年目の当時は途中で挫折した。 -
情報セキュリティ標準テキスト
https://www.amazon.co.jp/dp/4274202178
たしか新人研修で配布された。
フォントや挿絵等からは面白みを感じないが、内容は超基本的な所を抑えていて入門書としてはちょうどいいし、仕事の虚無時間に読むと良い暇つぶしになる。
教科書的な内容なのでセキュリティに一切興味のない人だと読むのは苦痛かもしれない。
その他
データベースの学習がしたい人はMicrosoftAccessを使うとExcel感覚でテーブルが作れるので、(SQLの書き方に癖はあるが)なんとなくデータベースやテーブル加工を理解するのにちょうどよいと思う。
Accessがない人はProgateのSQLコースの無料分でも満点取れるレベルのことは十分学べる気がする。
アルゴリズムはわからなければ処理の流れを日本語で書いてみればいいんじゃないかな。
試験を受けての学び
過去問で5割前後の点数しか取れなくても1週間睡眠時間(寿命)を削って勉強すれば合格できる可能性は十分にある。がんばれ。
日頃運動をしない社会人には丸1日試験を受ける体力など存在しないので、無理せず午前午後で日付を分けた方が良い。
取得一時金が数十万円出るとか資格取っていないとクビになるとかならともかく、睡眠時間(寿命)を大幅に削ってまで受ける価値のあるものではない。
結論
無茶な学習計画など立てず、睡眠時間は取ろう。
継続して学習できる才能のある人は1日1~2時間の学習を3週間続けるぐらいで合格できそう。
継続して学習できない詰込み型の人でもせめて睡眠は8時間取ろう。
計算ミスで点が取れないのはもったいないので、凡ミスしないように。
試験の役に立った可能性のあるもの
暑さに耐えかね試験直前にがぶ飲みしたトップバリュのスポーツドリンクと午後試験前に何となく買って食べた刀剣乱舞マンチョコ。
糖分はおそらく効く。
おわりに
午後問題のアルゴリズムや表計算もこんな考え方や使い方があるのか!と試験そっちのけでとても楽しかったし
試験を受けてから、なんとなく調べて行き着いたサイトでCPUの作り方を見て興味を持って近所のホームセンターにブレッドボード見に行ったり
これまでまったく見向きもしなかった物理ネットワーク周りに関心が出てきたり、試験を受ける意義ってこういう見識を広げるところにあるんだろうなと思う。
今は苦しんで覚えるC言語とLisp入門とLispポエムを読み始めている。学習時に意味不明だった逆ポーランド表記法やスタックがなぜか急に腑に落ちた。
次に受ける試験があるとしたら応用情報技術者試験になるが、CPUの作り方やネットワークやセキュリティ系の好奇心をすべて片付けてからになりそう。
以下は睡眠不足のまま書いて5か月寝かせた学習状況日記兼受験ポエム
午前対策
5/22より学習開始
20日と21日は睡眠時間を削って趣味に没頭していたので何もやっていない。
とりあえず基本情報技術者試験ドットコムで過去問道場、平成26年春期以降の問題をオプションは全部オフにしてやった。
100問やるつもりだったが30問で体力と集中力が尽きた、正答率は5割行くか行かないか。
よくわからなかった・知らない単語を【「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典】でひたすら調べてなんとなく分かった気分を得るなどした。
いったん休んで日付が変わったころに40問チャレンジしてその日は寝た。
5/23試験前日(から当日)
過去問をやったところ知識不足や用語がわからない点は目を瞑るとして
計算ミスがあまりに多い、2進数の計算がわからない・変換できない、ちゃんと読まず直感で答えるなどの問題点が発覚した。
これらは改善できそうなのでこの辺りを重点的にやることにした。
[計算ミス]
問題をちゃんと読んでないせいで単位の違いやバイトとビットを読み間違える等のありがちなミスに加えて
字が下手すぎて計算途中の数字を読み間違える、適当にゼロを書いたせいで桁を間違えるといったものが多かった。
なのでこれは過去問道場で計算問題のみを出題するにチェックを入れて、答えが合うまでひたすら計算し続けるというのをやった。
特に自分が自信満々で答えて間違えてたのはこの辺
平成25年春期 問32
平成26年春期 問57
平成28年春期 問31
平成30年春期 問31
平成31年春期 問25
令和元年秋期 問30
平成26年春期 問57に至っては寝不足からか午前8時から午後10時が何時間かというところから間違えていた。
答えが合うまで繰り返しやれば、少しは計算ミスも減ってくるし問題の読み間違え(バイトとビットとか)を嫌でも警戒するようになった。
自分はこの時連日寝不足と業務のロジックを考えるので記憶力がいっぱいいっぱいで答えを覚えるということが全くなかったので詰込みでどうにかなったが、
そうじゃない人はおそらく1日以上の間隔をあけて解いたほうが良いとは思う。
[n進数の問題]
その昔新人研修でn進数の変換とかシフト演算とか教わった気がするが正直全く分かっていなかったし記憶から消えたので、これは改めて勉強した。
勉強時間はリモート保守作業中にテキストを持ち込んだりとか昼休み中とか処理の待ち時間に学習。電話の保留中にも変換の練習とかした。
覚えたのは以下
- 10進数→2進数の変換(割り算の筆算使うやつ)
- 2進数→10進数の変換(各桁に"重み"とやらを掛けて足し算するやつ)
- 16進数→2進数(各桁をそれぞれ2進数にして合体するやつ)
- 10進数→2進数にしたときに無限小数となるやつの見分け方(本当は変換方法をちゃんと覚えたかったけど自信がなかった)
あとその過程で学んだのが2^nのnって0の数なんやなって
2^3→1000→0が3つ
2^5→100000→0が5つ
なので左にnビットシフトすると値がn倍になるというのも今更ながら理解した。
これを覚えてから2進数出る問題がだいぶ楽になった。
今まで、1から順に書き出してたからミスも多いし20ぐらいまでが限界だったので、一気にできることが広がったという感じ。
補数はわからなかったので捨てた。
この日は日付が変わるまで残業して、そこから2時まで模擬試験と学習をやった。77.5点取れたが勘で当たったようなものも多かったので
わからなかった単語とか数式を、試験前に確認しようと思ってメモ書きし試験に備えた。
午前試験当日の午前中
持っているテキストがキタミ式の分厚いやつしかなく、いわゆる単語帳や用語集というものを持っていなかったので
メモ帳に単語を書き出して事前確認用の即席単語帳を作成。情報セキュリティマネジメント試験前に同じ理由で作った単語帳があったので、それにちょっと付け加えた。
自分以外が見ても理解できないだろうなという最低限の情報しか載ってない。
※個人的反省点
試験の集合時刻が15時で、会社から駐車場まで15分そこから会場まで歩いて15分なので14時に出れば余裕やろと思っていたが、
いざPCをオフにしようとしたところでお客様から問い合わせのお電話。
内容自体は簡単だったので10分ほどで終わったが、この電話に出なければもうすこし事前詰込みができただろうなという反省。
この日は気温が高く試験会場に着くまでに熱中症になりかねなかったのでスーパーでスポーツドリンクを買っていたら時間に余裕がなくなってしまったのも反省。
午前試験中
紙を1枚貰えたが、あっという間に消費してしまったのでもう1枚貰えばよかった。落書きするなという教訓。
試験開始時に貰えるものなら2枚目を要求しておくと心の余裕になると思う。
午後対策?
午前試験後
仕事の進捗が芳しくないので会社に戻ったが、その日の試験のことで頭がいっぱいになり何も手が付かなかったので、出題された問題をすべてメモ帳に書き出した。
わからなくてモヤモヤした問題をググって解決できたし、
書き出せば書き出すほどに出題された問題を忘れて脳がすっきりしたので、
日頃の疲れから記憶の整理がうまくいかなくなっている人は覚えている問題をすべて書き出すのがよいかもしれない。
この日だけで40問ぐらい書き出したけど、脳がまだモヤモヤしている状態だったので次の日の午前中も書き出す作業をやった。
驚くことに70問ぐらいは覚えていた。この記憶力を試験前に生かしてほしかった。
午前試験翌日(5/25)
仕事で学習どころじゃなかった。
午前の試験のスコアレポートなるものがあると知った。
5/26
スコアレポート見たら77.5点で奇しくも直前の模擬試験と同じ結果だった。
午後試験頑張らないといけないなと思ったが、日付が変わる頃まで仕事をしていた。
5/26の13時時点で午後試験の問題は解くどころかまともに見たこともなかった。
試験を受けた友人に「ノールックでもどうにかなりますか(震え声)」とアドバイスを求めたが、どうにもならなかったとのありがたい助言をいただいたのでとりあえず、過去問を見ることにした。
午後試験対策
Twitterでスコアレポートを検索してたら、いろんな人が午後試験の結果を上げていたので、そこでどのジャンルが必須問題なのかと選択問題の形式を理解した。1
(ついでに人によって出てる問題が違うことも知った、データベースが出題されている人といない人がいたので)
情報セキュリティマネジメント試験は合格してるからという理由でセキュリティの勉強はしなかった(謎の自信)。
ソフトウェア設計とかプロジェクトマネジメントも仕事の上司さんとかこれまでかかわった案件とか思い浮かべれば何とかなるんじゃね?と一切問題を見ないままに判断し捨てた。
ソフトウェア・ハードウェアは知識がなかったので過去問を2つほど眺め、難しいなあという感想と「人間なので機械語の問題は出さないでほしい」という願いを抱いた。
その後データ構造及びアルゴリズムの過去問を適当に選んで2つ解いた。
問題文がややこしく頭になかなか入ってこなかったけど、要求されている内容はすごくシンプルだなというか日本語的に正しいものを選べば正解のような印象だったので寝不足で読解力が地に落ちてなければどうにかなるかもしれないなと思いこの日は1時過ぎで帰った。
※解いた過去問は令和元年秋期とたぶん平成27年秋期
午後試験当日
プログラミングで何を選ぶか決めていなかったが、直前までExcelからOracleへのデータ移行をしていたこともありメインは表計算を選ぶことにした。
一応過去にJava案件もやったことがあったので、軽く眺めて解けそうだったらJavaにしようと思った。(表計算は面倒くさそうなので)
表計算について仕事でExcelはよく使うが、面倒な処理は全部Accessに取り込んでVBAとかSQLで処理するスタイルで仕事していたので、関数についての知識が基礎の基礎ぐらいしかなかった。
中学校の情報の授業で習ったSUMとかIFとかの基礎的なやつと、仕事で使った簡単な文字列加工の関数ぐらいで「照合検索」「垂直照合」「水平照合」は全く分からなかった。VLOOKUPだけかろうじて見たことがあったぐらい。
なので昼休み中にググって解説サイトを見ながら手元にあったデータ移行用のデータでいろいろ試して、理解には及ばなかったけどどうにか脳を納得させた。
この日も暑かったので事前にスポーツドリンクを買っておいた。
※個人的反省点
3日前の反省を生かし13時半に出ようと準備していたところでお客様問い合わせの電話が。
しかも簡単に対応が終わった前回とは違い、システムの不具合が原因で動作がおかしい&データがちゃんと作られていないというおまけつき。
幸い不具合内容は心当たりがあったから、修正すべき個所はすぐにわかったけど時間はそれなりに掛かり、そうこうしていたらあっという間に14時過ぎて暑い中駐車場からダッシュする羽目に。
午後試験状況
Javaは1問目から意味が分からなかったのであきらめて表計算を解いた。
表計算は予想通り問題を解くのが面倒で問題文の表と設問を行き来するのが大変だったので、最終的に用紙に選択肢を全部書き出して表と見比べながら解いた。
午前試験の反省を生かし用紙に落書きはしなかったが紙が足りなくなった。
そのほかの問題の(漏洩に当たらないレベルの)どうでもいい感想
- セキュリティ:テンションぶちあがるくらい楽しい問題だった。(セキュリティ問題はなんか楽しいのでだいたい好き)
- ソフトウェア・ハードウェア:1問目だけは解き方分かったので解いてみたけど、よくよく考えたらこの分野勉強してないし相当時間かけないと最後まで解けない気がするな…となったのでそこで切り上げた。
- データベース:解き終わるのに5分かからなかった。どこか大前提に超重大なひっかけがあるんじゃないかと疑心暗鬼になるぐらいには簡単だった。過去問を見ていないので何とも言えないが、もしかしたら今までもそれぐらいの難易度だったのかもしれない。2
- ネットワーク:そこそこ興味がある内容ではあったけど、わからないものはわからないという感じ。今後はちゃんと勉強しよう。
- システム戦略:後で解こうと問題も見ずに飛ばした。
- データ構造とアルゴリズム:とても楽しい問題だったがすべて理解するには時間が足りなさそうだったので早めに切り上げ次の問題に。
データ構造とアルゴリズムを解き終わった後に選択ノルマ達成してシステム戦略解かなくてもいいことに気が付いた。 - 表計算:後半問題に納得いかなかったので日本語的な正しさで答えを選んだ。「表計算ソフトの機能・用語」ってどこに書いてあったんだろうな。さすがに自分の問題の時だけは無いとかそういうのではないと思うが。
感想
午後試験ってそれぞれの分野における全く知らないことに対する知見を具体例付きで提示してくれる親切な入門という感じでとても楽しかった。
特に表計算は過去問も見てみたけど、今まで考えたことも無いような使い方がされているのでとても勉強になった。