社内エンジニアとしてパートで働きながら、副業でWebライターをやっています。
「エンジニアキャリアについてあなたの考えをシェアしよう!」のキャンペーンを見かけたので、私も参加してみようと思いました。iPadほしい。
「出戻りエンジニア」というキャリア
巡り巡ってエンジニアに戻ってきたという私の想定外のキャリアです。人生わからないもんだ。
就職氷河期でしぶしぶエンジニアに
新卒時は、「IT革命」なるワードが新語・流行語大賞を取り、世間は就職氷河期真っ只中(終わりかけ)の時代でした。やりたかった職にことごとく落ち途方に暮れていた私は、当時成長産業として新卒をゴリゴリ採用していた中小エンジニア企業にしぶしぶ就職。ちなみに大学は文学部史学科、プログラミングの「プ」の字さえかじったことのないど素人でした。
新卒で入社した会社は、まあ絵に書いたようなブラックな就労状況でした。残業、残業、休日出勤、そして残業。基本給が悲しいほど安かったので、残業代で稼ぐしかなかった部分もあります。給与明細を渡されると(当時は紙で手渡された)、同期の仲間で「今月残業何時間だった?」「俺100超えた!」「くそ、負けたー!」などと謎の自慢合戦が始まることもありました。今考えると異様な状況ですね。
転職、そして退職
そんな就労状況なので徐々に体が悲鳴を上げ始め、20代前半にして髪の一部がメッシュのように真っ白になりました。これはまずいと思い、3年目に別のIT会社へ転職。
転職した会社は、前の会社より給料が格段に良かったものの、言ってもSESとして客先常駐の身なので、ブラックな職場環境は相変わらずでした。折しもそのタイミングで夫と出会い結婚、「もう二度とエンジニアなんてやるかクソがああ!」 という気持ちでスッパリ辞めました。
まさかの出戻り
それから12年。子どもが小学生に上がって育児が一段落したことから働き始めようということになり、あるIT企業のライター職へ応募し、採用面接を受けることになりました。そこで社長から、「エンジニアやってみない? 今PHPできる人を探してて」 と驚きの打診されたのです。
私「え、私、ブランク10年超えてますけど?」
社長「でもこの経歴なら大丈夫でしょ」
私「めちゃめちゃ忘れてますけど。思い出すのに時間かかるかもですけど、いいんですか?」
社長「ゆっくりやってくれて大丈夫。実はうちの会社、これから社内システムに力を入れたいって思ってたんだけど、いい人がいなくてね」
こんな10年以上ブランクのぽんこつに近い私をスカウトしてくれるなんて・・・と驚きつつ、エンジニアの仕事が嫌いだったわけではないので(ブラックな働き方が嫌だっただけ)、せっかくだしお受けすることにしました。それが今の会社。
子どもが小学生だとまだなにかと手がかかるもので、フルタイムでガッツリ働くってのはあまり現実的じゃなかったんですが、時給もいいし、「自分のペースでゆっくりやってくれていい」「いつ休んでもいい」と言われたのがありがたかったです。
それにしても、正社員時代の最後、夫(当時の上司)から言われてちらっとかじっただけのPHPが、まさかここで役に立とうとは。ほんと人生、何が起こるか分からないものです。
「エンジニア」の市場価値が爆上がりだった件
10年ブランクの元エンジニアでも求められることってあるんだなあと驚いたものですが、「まあ人足りてないからね」とはPMである夫の談。「2030年までにIT人材が最大で79万人不足する」なんて経済産業省の試算もありますが、世の中のIT人材不足はマジで深刻なんだなということを実感しました。
試しに転職サービスに会員登録して経歴を更新してみたら、その日だけですさまじい数のスカウトメールが来てびっくりしました。なるほど売り手市場とは言え、ここまでなのかと。
そうか、IT人材はいまや世の中にとって資源なんだ。一度退職した人を呼び起こしてでも起用したいくらい、人手が足りていないってことなんですね。ずっとブラック職場でしか働いて来なかった私、「エンジニアなんて使い捨てじゃ~」と言わんばかりの扱いしか受けてこなかったので、いまいちピンと来ません。
当時は体がボロボロになったけど、いやほんと、頑張っておいてよかった。昔の自分を褒めちぎりたいと思った瞬間でした。
エンジニアにWebライターのキャリアを加算
出戻りエンジニア業は安定しており、パート勤務を始めて今年で6年目になります。コロナ禍でフルリモートになり、快適な働き方を実現できていると思います。ありがたや。拾ってくれた今の会社の社長に報いるためにも、これからも続けていければなと思っています。
そして昨年からは、副業としてWebライターの仕事を始めました。初めこそなかなか仕事が取れなかったり低単価案件に苦しみましたが、2年目にしてようやく安定して来た感じです。安定副収入ばんざい。
ライター業ではさまざまなジャンルの記事を書いていますが、いまの世の中、「エンジニアになりたい」と考える人は多いらしく、現役エンジニアとして依頼される記事が非常に多いです。例えばこんな感じ。
- プログラミング学習の方法
- プログラミングスクールの選び方
- プログラミング独学の進め方、
- エンジニアになるための方法(=プログラミング学習の方法)
- エンジニアの種類
副業としてフリーランスでライターをやっていて、最近とくにつくづく感じるのが、「現役」であることの強み です。「現役エンジニアが教えます」「現役エンジニアのナマの声」といった感じに、世の中「現役エンジニア」の言う事は信じる的な、謎の強さがあります。現役無双。おかげで仕事が次から次へとあって助かっています。
ライターとして客観的に見て、エンジニアという職業の強さを改めて感じることがあります。手に職があり、世の中に仕事が溢れていて、望めば簡単に独立できちゃうっていう技術職の強みです(ただし独立したからと言って稼げるとは限らないところはポイント)。これからのキャリアを自在にデザインできちゃうエンジニアというキャリア。そりゃみんななりたいって思うよね。わかります。私本当にたまたまだったけどラッキーだったと思う。
ということで今の私は、「現役エンジニア×Webライター」としてそれぞれのキャリアを磨いていくのが目標です。「出戻りエンジニア」のキャリアとしては、育児をしながら無理のない範囲で、新しい知識や技術を取り入れて勉強していきたい。ライターとしては、自分の知見を底上げできるプラスアルファ要素として続けていきたい。できればさらにもう一つくらい、新しい仕事を増やしていきたい。リスキリング、リカレント教育が叫ばれる人生100年時代、キャリアも欲張りじゃなくっちゃね。
おわりに
Qiitaの記事を読んでいると、世の中って頭のいい人で溢れていて、羨ましくなるようなキャリアを持っているすごい人がたくさんいて、方や私なんてヘボい仕事しかしてないし出戻りだし、って自信をなくすこともあります。それでもここまで自分なりに悩んで考えて頑張ってきた結果として今の私があって、きっとこれからも同じで、そういう小さな一歩がエンジニアキャリアを形作っているんだなとも思います。
たまに振り返って、でも前を見て、未来を見て、ひたすらに学ぶ。エンジニアって素晴らしい仕事だと思います。前ばっかり見れる。私もエンジニアの端くれとして、これからも精進していきたいなと改めて感じました。おわり。