はじめに
LPIC 101に3週間で合格しました。
学習目的
インフラエンジニアへの転職を考えており、多くの企業から需要のあるLPICの資格取得を目指しました。
試験結果
LPIC101
合格ライン:500/800点
実際の得点:700/800点
学習前の知識
知識0からスタートしました。
学習時間
日数 : 20日
時間 : 約60時間
平日は平均2時間、休日は平均6時間ほど勉強していました。
Linux未経験のLPIC-1の勉強時間の目安が101, 102合わせて150時間ほどと言われているので比較的短期間での合格と言えると思います。
(学習時間参照元)
学習教材
Ping-tはWeb形式の問題集で、スピードマスターは紙の問題集です。
私は参考書を読むよりも、問題を解くことで理解が深まるタイプなので、問題集タイプの教材を中心に学習しています。
選んだ理由
Ping-t
以下の理由から、この問題集を教材として選びました。
①多くの人が利用しており、評価が高い
「LPIC 問題集」と調べると真っ先に出てきます。また、多くの記事や動画などでおすすめされており、合格者の多くがこの問題集を利用しています。
②範囲を網羅している
約700問が収録されており、これらの問題を解くだけでLPIC 101の範囲を一通り網羅できます。
実際に、Ping-tの学習だけで合格したという方もいるようです。
①、②から、収録されている問題を解くだけで合格できる教材だと判断できたのでこの教材を選びました。
上記に加えて無料(101の範囲のみ)という点もよかったです。
Linux教科書 LPIC レベル1 スピードマスター問題集
以下の理由から、この問題集を教材として選びました。
①多くの人が利用しており、評価が高い
こちらもPing-tと同様に「LPIC 問題集」と調べると真っ先に出てきて、合格者の多くがこの問題集を利用しています。また、Amazonの評価も高く、自分が購入した時点で★4.5ほどでした。
②問題的中率が高い
収録問題数はPing-tよりも少ないものの、問題的中率が高くてスピードマスターのみ学習して合格された方もいるようでした。
①、②から、こちらもPing-tと同様に、収録されている問題を解くだけで合格できる教材だと判断しました。
学習方法
1. Ping-tの「最強WEB問題集」をほとんどの問題が連続正解できるまで解く。
下図参照(ヒット=正解、コンボ=連続正解)
・解説部分だけを全部読んでから問題を解き次のセクションに進む。
・進めた分を忘れないように適宜前の問題は解く。
といったやり方で進めました。
2. コマンドのオプションの暗記。
まず、覚えたいコマンドのオプションを眺め、
次にコマンド名だけを見て、そのオプションを紙に書き出します。
その後、思い出せなかったオプションを確認します。
※以下は、オプションを覚えたいコマンド名をメモした紙です(一部、コマンド名以外の内容も含まれています)。
覚えるコマンドはPing-tの解説で表にまとめて載っているコマンドです。
下の画像(モザイク加工しています)のようにエクセルに貼り付けて、見たいときに見れるようにしました。
3. スピードマスターを2周。
Ping-tの問題がほとんど解けるようになってから最後の仕上げとして学習しました。
1周目は全問解いて間違えた問題に印をつけました。
2周目は1周目で間違えた問題のみ解きました。
上記の学習方法に至るまでの過程
1. エクセルにまとめて学習
はじめはPing-tの問題を解いていて、わからないところは調べてエクセルにまとめていました。
これは新しいことを学習する際は理解することが重要で、わからないことはすべて潰していかないといけないと感じたからです。
しかし上記の進め方では50問解くのに5時間ほどかかってしまっていました。
Ping-tは何周も勉強する予定だったのですが、このペースでは1周が限界というペースでした。
また、調べたことをまとめたからといって必ずしも理解できるわけではありませんでした。
以上から非効率に感じたのでこの学習法はやめました。
2. 合格体験記を参考に学習
その後、ある合格体験記で「1セクション(約20〜60問)の解説をすべて読んでから問題を解き、次のセクションに進む」という学習法で、8日間でLPIC 101に合格された方がいたため、その方法を参考にして学習を進めました。
このやり方に切り替えてからは、50問を解くのに1時間もかからないほど、大幅に時間を短縮できました。
上記の学習方法でPing-tに収録されている問題はほとんど解けるようになりました。
3. コマンドの学習
2の学習を終えた時点では、コマンドに関する問題に苦手意識がありました。
というのも、問題自体は解けるものの、問題文や選択肢を見ないと正しいコマンドが思い出せない状態だったからです。
本番では、選択肢のない記述式でコマンドを答える問題も出題されるため、しっかりと対策が必要だと感じました。
自分は、アウトプットすることで記憶が定着しやすいタイプです。
そのため、以下のように紙に書き出しながら覚える方法を取り入れました。
1.コマンドのオプションを眺める
2.コマンド名だけを見て、オプションを紙に書き出す
3.合っているかを確認し、思い出せなかったオプションを復習する
この「覚えたい内容を眺める → 何も見ずに書き出す → 正誤を確認する」という学習法は、学生時代にテスト勉強でよく使っていた方法です。
この方法で何度も重要な試験を乗り越えてきた経験があるため、今回の学習でも採用しました。
上記の学習によってコマンドのオプションはだいたい覚えられました。
4. スピードマスターで学習
3.の学習を終えた時点で範囲はすべて網羅できておそらく受かるだろうという状態だったのですが、
・LPICを初めて受ける
・単一の教材(Ping-t)でしか勉強していない
という点から不安があったので、最後にスピードマスター問題集を使って学習しました。
・Ping-tでカバーしきれない範囲を補う
・Ping-tと異なる問われ方をしても答えられるようにする
という目的で学習をしました。
自分の中ではあくまでPing-tがメインで、スピードマスターは補助的な教材という位置づけで学習しています。
そのため学習方法としては特別なことはしておらず、
・1周目は全問解いて間違えた問題に印をつける。
・2周目は1周目で間違えた問題のみ解く。
というやり方で進めました。
この問題集を2周解くことで、どんな問題がきても解けるという自信をつけることができました。
試験
800点中700点で合格しました。
資格試験が初めてでテストセンターで試験を受けるというのも初めての体験だったので緊張しました。
落ちたら受験料15000円(税込16500円)が無駄になってしまうというのもプレッシャーになっていました。
試験開始直後は緊張していたのに加えてLPIC特有の見慣れない文章に動揺して全然問題が解けませんでした。
あれだけ勉強したのにだめだったのかと絶望しながら解き進めていってふと画面の右上の方を見ると残り問題数と残り時間が表示されていて40問/60問、1:00:00くらいでした。30分で40問ほど解けていたので、あと15分もあれば全問解き終わるくらいのペースでした。なにかの間違いかな、あと40問なのかなと一瞬思ったりしたのですがそんなことはなく、かなりいいペースで問題を解けていました。私はかなり不安症な性格なので/60問と書いてあっても「実は60問+60問で120問あるんじゃないか」などと考えながら問題を解き進めました。残り時間45分ほどで60問が解き終わり、「次へ」ボタンを押すと「見直し画面」が表示されました。その画面をしばらく眺めて「次の問題に進む」や「B問題に進む」といったボタンがないことを確認して、追加の問題がないことがわかってほっとしました。
試験時間の途中でも解き終わったら試験終了ボタンを押して退出できるのですが、残り時間45分フルに使って見直しを2周しました。試験時間が残ってるのに終了ボタンを押して不合格だったらすごく後悔するだろうなと思うと最後まで退出できませんでした。
試験時間が無くなって次に表示された画面でpass 500/800 700/800 と表示されていて一瞬何が起こったのかわからなくて、passってなんだろう?500ってなんの数字?自分の点数?みたいな状態でした。
しばらく画面を眺めて冷静になると、「pass」は合格を意味し、「500/800」は合格ライン、「700/800」は自分のスコアだと、ようやく理解できました。
反省
試験内容
試験は700点と余裕をもって受かりましたが、内容としては以下のようになります。
100%の自信を持って答えた問題
2割
選択肢から正解を推測して80%の自信で答えた問題
4割
2択まで絞って答えた問題
2割
神頼みで答えた問題
2割
↑を見るとわかりますが、運に助けられた部分は大きいのではないかと思っています。
試験中は落ちたなと思っていて、今回出題された問題を少しでも多く覚えて復習に役立てようと考えていました。
①聞き方を変えられるとわからないところが多々ありました。
例:mount --bind
→「mount --bind」の意味は、私の理解では「あるディレクトリを他のディレクトリにマウントする」でしたが、選択肢には「1つのディレクトリを他のディレクトリでも使えるようにする」のように書かれていたので、戸惑いました。これは、「あるディレクトリを他のディレクトリにマウントする」=「両方のディレクトリからファイルやサブディレクトリにアクセスできるようにする」ということを理解できていなかったことが原因です。
今回は解答丸暗記でゴリ押ししてしまったところがあるので、次回の試験勉強では、
・問題集では解けた問題でも本当に理解しているか疑問を持つ
・問題の解答の意味がよくわからないときは軽く調べる
ということを試してみたいと思います。
ただ、上記を試したせいであまりにも学習に時間がかかるという場合はもとのやり方に戻すかもしれません。
②コマンドの書式を曖昧に覚えていました。
例:tarコマンド
オプションを指定する際に-が必要かどうかわかりませんでした。(実際は必要)
コマンドのオプション自体は覚えられていたのですが、その使い方までは正確に覚えられていないといった状態でした。
次回の試験勉強では、
・コマンドの選択問題を選択肢を見ずに書けるようにする
・仮想マシン上にlinuxをインストールしてコマンド実行する
というやり方を試してみたいと思います。
最後に
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
失敗も多かった合格体験記ですが、その試行錯誤の過程が、これからLPICを受験される方の参考になれば幸いです。