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[vSAN技術検証]VMware Cloud on AWS (VMC on AWS)を触ってみた

Last updated at Posted at 2022-12-04

はじめに

  • こんにちは!今年も残すところ1ヶ月をきりましたね、時間の流れが早い・・。
  • 今回は、VMware Cloud on AWS(VMC on AWS)で、vSANを触ったので、VMC on AWSとvSANについて紹介していきます。

この記事を読むとざっくりわかること

  • Vmware Cloud on AWSについて/ユースケース
  • vSAN(SDS)の得手/不得手
  • vSAN技術検証結果

対象者

  • VMC on AWSに興味がある人
  • vSAN技術に興味がある人

目次

  1. VMC on AWSとは
  2. ハイブリッドクラウド
  3. SDSとvSANってなに
  4. VMC on AWSにおけるvSANの技術検証

1. VMC on AWSとは

  • VMware Cloud on AWS(VMC on AWS)は、VMwareとAWSが提携したサービス

  • AWSベアメタル上にVMware SDDCを構築した環境をVMwareが窓口となりサービスを提供
    1.ユースケース.png

  • VMware社情報によって、VMCのSLAの以下の表のとおり
    AWSのComputeサービスであるEC2,EBS,ECS,Fargateの月間稼働率は99.99%
    2.SLA.png

  • コスト
    以下の料金表に従い、従量課金方式でデータ送信にも料金が発生する。
    VMCの利用料金表(2022年3月時点):1ホスト、1時間あたりの料金、従量課金のみ。
    3.コスト.png

VMware製品と、VMC on AWSの大きな違いとして、サーバ調達の有無がある。AWSがリソースを提供してくれるため、LUN/ボリューム/ESXi/ネットワークの設定が省略可能で短期的には稼働・金銭的なコスト面で有利。

  • ユースケース
    以下のように、さまざまなユースケースがある。
    4.ユースケース.png

2. ハイブリッドクラウド

  • ハイブリッドクラウドを使う意味
    オンプレとVMC on AWSを連携利用することで、リソース不足を補えることが大きなメリットの1つ。半導体不足などで、物理機器の調達ができない時などにも、リソースを迅速に調達することが可能。
    5.オンプレとVMC.png

  • どうやってハイブリッドクラウドを実現するか
    AWS上のVMware Cloud on AWSとHybrid Cloudを構成しオンプレとVMC on AWSはインターネット経由で通信を行う。
    VM移行にはBulk Migrationを行ったり、テナント間のネットワークはL2延伸を用いることで実現。

3. SDSとvSANってなに

SDS(Software Defined Storage)

  • ストレージSWをHWから分離しているストレージ・アーキテクチャ
  • サーバ仮想化がコンピュートにもたらす簡素化/効率化/コスト削減をストレージで実現
  • 下記の5つの要素を持つものがSDSと定義
されている
    ①インフラの自動化
    ②標準化されたインターフェース
    ③柔軟な拡張

    ④仮想化されたデータパス
    ⑤リソースの透過性
  • 具体的には以下のような特徴がある
    アプリケーション単位のストレージサービス
    変化に俊敏に対応するインフラストラクチャ
    異種混在のストレージのサポート

vSAN(Vmware Virtual SAN)

  • VMware提供のSDS
  • ESXiのカーネルに組み込まれており、ストレージ機能がハイパーバイザーと一体化
  • クラスタ内に組み込まれているESXiをインストールしたx86サーバに内蔵された
SSD/HDDを仮想的に束ねて(抽象化して)一つのデータストアとして利用可能
  • クラスタの設定でvSANを有効にするだけで、各サーバ(ESXiホスト)の内臓
ディスクを読み込みデータストアを作成可能
  • クラスタ内にサーバが追加されれば、追加サーバのディスクを自動的に読み込み
データストアが拡張される
  • サーバはCPU/メモリをメインで使用、vSANが有効だとストレージ領域の役割も担う
  • ストレージポリシーの変更など基本的な機能はvSphere Web clientから操作可能

① vSANのメリット

  • 柔軟な拡張
    ストレージのサイジング(LUNの切り分け)・機器増設、ESXiの設定、サーバストレージ間の
ネットワークの設定/準備を構成ホストの追加のみに簡略化可能
    簡単に共有ストレージの容量、I/O性能を拡張可能
  • ストレージポリシーによる管理
    仮想マシンのポリシーによってストレージサービスレベルの監視が可能
    可用性やパフォーマンスを仮想ディスクの粒度で定義可能
  • コスト削減と省スペース
    専用HWを必要としないためストレージ機器の用意の必要がなく、比較的小規模の環境においてはサーバの
内臓ディスクを無駄なく有効利用可能であり、機器が減ることで調達・運用コスト/スペース削減可能

これらから、vSANは従来の仮想化基盤でできなかったスペース/導入・増設時の設定項目削減、
導入後の柔軟な構成変更が可能で、”スモールスタート”を実現可能
。つまり、性能とサイズが求められない環境で有利と言える。

② vSANのデメリット

  • パフォーマンス観点
    ストレージ機器追加と比較し、ホスト台数を増やした際にリニアに性能向上
するか要検証で、高性能なストレージ機器に劣る
  • サイズとコスト観点
    大規模な仮想環境を構築する場合、サーバ台数を増やす必要がありコスト増


これらから、vSANは構成によって、CPU/Memoryは潤沢なのに容量が枯渇する、高性能
なストレージ機器と比較し性能が出せない等、パフォーマンスやサイズ、
コスト面でデメリットが存在すると言える。

4. VMC on AWSにおけるvSANの技術検証

VMC on AWSの構成

  • VMC on AWSサービスのデプロイ中にSDDCがAWSアカウントに接続(Vmwareが所有し運用)
  • SDDCは組織専用のAWSアカウントおよびVPC内に作成されVmwareによって管理
  • 1VPC,1テナントとみなしネットワークを構成、ベアメタルを展開しVmwareの製品を活用
  • ユーザ所有のAWS環境とはENIを介した高速接続が可能
  • オンプレとはL2延伸(L2VPN)
  • テナント踏み台からvSphereにアクセスすることでサービスを利用

環境

  • リージョン:Tokyo
  • アベイラビリティゾーン:northeast-1c
  • ホスト1台あたりのキャパシティ:2ソケット, 36コア, 512GiB
  • RAM,10.37TiB ストレージ

検証結果

記事のボリュームがかなり大きくなってしまうので、何個か載せられるものを記載します。

  • vSphereにログイン
    6.vSphere.png

  • クラスタ内のホストを増やしてvSAN容量を確認

追加前
7.クラスタ追加前.png

追加中
8.クラスタ追加中.png

追加後
9.クラスタ追加後.png

このように、瞬時にストレージ容量を増やすことができる。

  • ストレージポリシーの変更
    ストライプ数などを簡単に変更できる。
    10.ストレージポリシー.png

  • 負荷測定とIOPS制限の変更
    VMCにテンプレートをアップして、それを基に仮想マシンを起動し、fio/bonnie++で負荷測定を実施
    11.IOPS①.png

IOPSの測定結果:46.5k
12.IOPS②.png

VMC上で仮想マシンの設定からIOPS制限をカスタム → IOPSを無制限から300に制限
13.IOPS制限③.png

IOPSの測定結果:262 → 制限が想定通りかかっていることを確認できた
14.IOPS結果.png

割愛してますが、他にもvMotionによる仮想マシンの移行なども実施しました!

おわりに

  • 今回は、VMC on AWSとvSAN技術について紹介しました。
  • 金額的にとてもリッチなサービスなので貴重な経験となりました。
  • 余談ですが、この検証のあとにvSphereの知識をより体系的に学ぶため、VCP-DCV(VMware Certified Professional Data Center Virtualization )という資格を取得しました。
    資格概要:https://www.vmware.com/jp/learning/certification/vcp-dcv.html
  • それでは!

[tips]本記事を読む助けになる言葉の意味を適当に書いておく

  • L2延伸
    VXLANにより2つの拠点間(複数のL2セグメント)で同一セグメントのネットワークを構築する。

  • NSX
    スイッチやルータ、ファイヤウォールなどのネットワーク機能をハイパーバイザー上に
 オフロードしてHWから分離し、ソフトウェアによるポリシーベースの設定・コントロールが
 可能なネットワーク仮想化ソリューション
。

  • SDDC(SoftwareDefinedDatacenter)
    SDNの概念をデータセンターにおけるすべてのITに仮想化を広げ
 データセンターを丸ごと仮想化するという考え方。

  • フットプリント
    メモリ、リソース。

  • vShpere
ストレージとネットワークのサービスにまで仮想化を拡張し、ポリシーベースのプロビジョニングと管理を自動化可能。vSphere は VMware の包括的な SDDCプラットフォームの基盤。

  • vSAN
    サーバ内蔵型ストレージから、仮想マシン用の非常にシンプルな共有ストレージを作成可能。耐障害性とパフォーマンスに優れたスケールアウト アーキテクチャにより、TCO を最大 50% 削減。

  • FTT(Failures To Tolerate)
    データを多重化し許容する障害数を決める可用性ポリシー。例えば、2重化の場合、ホスト2台のうち1台に障害が発生しても片方のVMDKにアクセスできるので仮想マシンは稼働し続ける。vSANでは事前に可用性やパフォーマンスを考慮したRAID設計はいらない。FTT=1以上であれば、大部分のHW障害時、仮想マシン上のサービス継続が可能。

  • vSphere HA
    ホスト障害により止まってしまった仮想マシンを他の正常なホスト上で再稼働する機能。

参考

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