- スプリント レトロスペクティブにおいて、チームで「anycommu」という振り返りアプリを使っているので、その有用性を共有したいと思います。
- 前提として、私は現在(2023/7/8)、2つのチームに所属しています。1つは、エンジニアとして開発チームに所属しており、2つには、POとして新入社員向けのアジャイル開発研修のとあるチームに所属しております。
- どちらのチームでも週に1度、1時間程度の時間をとってスプリントを振り返る機会があります。
知れること:anycommuを使って何ができるのか/何が良いのか
知れないこと:振り返り手法自体の有益性(ただし、簡単には説明しています)
目次
- 振り返りってなんのためにするの?
- 振り返りアプリanycommuと振り返り手法KPT/FunDoneLearnについて
- anycommuは、振り返りにどのような影響をもたらしたか(実体験)
- おわりに
※anycommuを使ってみた体験談のみに興味がある方は、2章に記載しているURLおよび、3章をお読み頂ければと思います!
1.振り返りってなんのためにするの?
まず、そもそも振り返りをする目的について触れておこうと思います。
ちなみに、スクラム開発の中では、振り返りのことをスプリント レトロスペクティブっていいます。(かっこいい
結論として、振り返りは"改善"のためにあります。
スクラム開発における振り返りとは、スプリントにおいて”何がうまくいったのか”、”何がうまくいかなかったのか”についてチーム全体で振り返る場所・時間となっています。つまり、振り返りの実施目的は振り返りから得られる会話や学びから”改善”を引き出すことです。これによって、”ではチームの状況やプロダクトの品質を向上させるために、具体的にどんなアクションや計画が必要でしょうか?”といった問いや共通認識が生まれ、これらの問題を解決し改善する方策を見つけることで、我々はチームの状況やプロダクトの品質をより良いカイゼンに繋げていくことが可能になります。
これらより、振り返りはチームでプロダクトを開発する上で、極めて重要なコンポーネントであると言えるかと思います。
2.振り返りアプリanycommuと振り返り手法KPT/FunDoneLearnについて
振り返りの目的がわかったところで、私の所属している2つのチームで振り返りを効率良く実施するために使っているアプリ”anycommu”とはなにかを見ていきたいと思います。
以下のようにanycommuを紹介している記事もありますので、是非気になった方はご一読いただければと思います!
DX を加速する「ふりかえり」:KPT と Fun Done Learn の活用法
https://developers.kddi.com/blog/3yvBaZE66w8a7cbWjTJzjF
anycommuを一言で表すと、付箋やペン、タイマーなどを準備する手間を無くし、KPTやFunDoneLuneといった振り返り手法を実行できるアプリケーションになります。
では、KPTとFunDoneLearnとはなんでしょうか?簡単に説明します。
KPT(ケプトって呼んでます)
Keep/Probrem/Tryの3つからなるフレームワークのことで、良かったこと/悪かったこと/次に挑戦することの現状分析がスマートにできる振り返り手法です。
FunDoneLearn
その名の通り、Fun/Done/Learnの3つからなるフレームワークのことで、楽しかったこと/完了したこと/学習したことの観点から振り返ることで、達成感や楽しさを共有しつつ学びを明確化できる振り返り手法です。
使い分けとしては、KPTは問題解決や改善、新たな取り組みを模索する場面に向いています。一方、FunDoneLearnはチームビルディングや学びの共有、ポジティブな経験の共有に特に有効です。また、プロジェクトの進行状況により、使い分けることも可能です。プロジェクト初期や、新たな試みをするときにはKPT、プロジェクトの終盤や、チームの絆を深めたいときにはFunDoneLearnを使う、といった使い分けも考えられると思います。
さて、次の章で実際にanycommuを使ってみて感じた有用性などを紹介していきます!
3.anycommuは、振り返りにどのような影響をもたらしたか(実体験)
どんな感じで使っているのですか?
チームを作って振り返り手法を選び、リンクをメンバーに共有するだけで使えちゃいます。お手軽すぎますね。
※ヘッダーの左に記載している"Windows信者"は、開発研修で私が持っているチームの名前です。
KPTでは、各項目ごとにタイマーをセットして、例えば2分の間でKeepについての振り返り事項を書いて、タイマーが鳴ったらみんなで1枚ずつ付箋をみていきます。ファシリテーターを1人決めて進行するのが良いかと思います。
好きな付箋の色を選んで、それぞれ書き込んでいきます。
それぞれの枠組みはこんな感じです。予め用意されているので、とっても楽です!
付箋に記載されていることに対して、AIスクラムマスターが助言をくれます。AIスクラムマスターが実装されていることがこのアプリケーションの大きな特徴の1つだと思います。
付箋に書いてあることを理解して、適当な助言をもらえます。
また、付箋に対してメンバーはリアクションをすることができます。視覚的にもクラッカーなどを押してもらえると賞賛されている気分になったり、ワイワイしながら振り返りができるので楽しいです。
こんな感じで、付箋を書いて自由に置いていくことができます。
私が所属している2つのチームでは、Keep>Probrem>tryの順で振り返りを進行していき、最後にチーム全体として取り組むTryを協議の末に決定して、振り返り後に、次のスプリントで実行するための計画を行っています。
以下のようにTryをスクショして、Slackの振り返りチャネルなどを作って貼っておくことでチームのメンバーは、すぐにTryを確認できます。
FunDoneLearnのUIはこのようになっています。こちらも枠組みは用意されているので準備の手間は必要ありません。また、KPTと同様に付箋に対してリアクションが取れたり、AIスクラムマスターからの助言を見ることができます。
また、チームを簡単に切り替えることもできます。私は2つのチームに所属しており、その両者でanycommuを使っているので、ありがたいです。なお、参加者の方は招待リンクを踏む(or QRコードを読み込む)だけで参加可能です!
このように、めちゃくちゃ使いやすいのでワイワイしながら振り返りにフォーカスできます。
実際に、所属する2つのチームではanycommuをつかってワイワイ振り返りを行っています。リアクション機能はもちろんAIスクラムマスターからのアドバイスをもらえるおかげで会話も弾み、カイゼンに繋がる意見がたくさんでてきます!Tryは出てきすぎて、やることを絞るくらいです(笑)。 また、他の人が書いた付箋は発表されるまで見れないようになっています。この見えない機能があると、自分の意見を大切にできる感が良いなと思いますし、”そういうのもあったか!”と他人の付箋をみて思うことができるので良い機能だと感じています。オンラインボードに自らの手で枠組みを作ったり、付箋を複製したりする必要もないのも、また良いです。
で、何が良いんですか?
anycommuの良いなと思うところは大きく3つあるかなと思っています。(振り返り手法ではなく、anycommuの利点)
- 手間が省ける
スクラムにおける振り返りにはボードや付箋、ペンが必要かと思いますが、まずこれらを全て用意してくれているので、それらを準備する手間を省くことができます。振り返り手法ごとに枠組みが用意されているのも嬉しいです。振り返りへの参加がリンクを共有するだけという点も魅力的です。 - AIスクラムマスター
結構的確なアドバイスをくれるので、なるほど!と思うことも普通にありますし、会話のネタにもなります。結構盛り上がります。
振り返りをしていく上で、次のアクションを考えて示してくれたり、さすがスクラムマスターと言えます。笑 - 履歴がみれる
過去の振り返りを見ることができるので、前こんなこと話したっけ?ということをすぐに確認することができます。
そのため、前回はProbremが多かったけど、今回はKeepも多く出てきて良いよねとか比較して確認できたりする点が良いなと思っています。
anycommuを試したい方はここから
https://anycommu.web.app/
欲しい機能
全体を通して、とても使いやすいのですが、付箋を誰が書いたのかが少しわかりにくいように思います。というのも、頭文字1文字のみが付箋に記載されるようになっているので、頭文字が同じメンバーがいたりアカウント名がローマ字だったりすると、付箋を書いた当人以外からは誰が書いたのか判断しずらいなーと感じることがあるので、その部分の改修に期待しています!笑
画面右側に、アイコンと名前がみえるようになっています!(元から、そうだったかは記憶がないです笑
おわりに
- 今回はスクラムにおける振り返りに超便利なアプリであるanycommuの有用性を共有させていただきました。
- 今後もお世話になります、新機能のリリースなど楽しみにしています!
- レトロスペクティブ最高!(いや、そこはanycommuでしょ😇
Thank you for reading, catch you later!