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はじめに

2020年6月、アトラシアンの資格の1つである"ACP-300 Agile Development with Jira Software"に合格したので、この資格試験の勉強方法や受験した感想を書きます。

アトラシアンの資格について

アトラシアンとは、Jira (課題管理ツール)やConfluence (ドキュメント管理ツール)などを提供するソフトウェア会社です。
アトラシアン製品をプロフェッショナルに使いこなせることを示す手段として、ACP (Atlassian Certified Professional) と呼ばれるアトラシアン独自の資格試験が用意されています。
アトラシアンの試験には以下の6種類があります。
このうち、私が今回受けたのはACP-300と呼ばれるものです。
ACP-300の受験料はUSD $250 + 税、試験時間は3時間、合格ラインは65%です。全国に複数あるテストセンターで受けられます。
※2019年以前は、2回目以降は安く受験できるバウチャーがあったそうですが、2020年6月現在そのシステムはなくなっています。できれば一発で受かりたいですね。

試験名 内容 日本語版の有無
ACP-100 Jira管理者 日本語版あり
ACP-200 Confluence管理者 日本語版なし(英語のみ)
ACP-300 Jiraアジャイル開発 日本語版なし(英語のみ)
ACP-400 Jira Service Desk管理者 日本語版なし(英語のみ)
ACP-500 アトラシアンシステム管理者 日本語版なし(英語のみ)
ACP-600 Jiraプロジェクト管理者 日本語版あり

上記の通り、2020年6月現在では一部の試験しか日本語対応していません。私が今回受けたACP-300は英語のみでした。
なお2020年6月現在、ACP-600だけはただの試験ではなく、試験と事前学習用のオンライン講座とがセットになっています。私は内容的に最も馴染みのあるACP-300から受け始めたのですが、ACP-600は内容が比較的簡単であること、オンライン講座でしっかり試験対策ができること、試験が日本語対応している(オンライン講座は英語のみ)ことから、手始めに受けやすいのはACP-600だと思います。

ざっくり受験感想

私は3回目の受験でやっと合格できました。
1,2回目の受験では経験不足が如実にあらわれましたが、経験不足を補うべく後述の座学も行い最終的には

  • Jiraの使用歴8か月くらい(Admin機能含む)
  • アジャイルは概念として一通り知っている(本格的な実務経験はあまりない)

という状態で合格できました。
自分の3回分の経験や、職場の同じく受験経験のある先輩方の知見(どんな問題が出たか教えていただき非常に助かりました)からすると、割と問題は使いまわされているようなので、複数回受験する余裕があったり、職場のみんなで受験する場合は対策はしやすいです。
なお英語の問題文に関して、比較的簡単な単語・文法ばかりのため「問題文の意味がわからない」ということはありませんでした。一方で、やはり読解に時間がかかってしまうため、試験時間3時間で約70問解ききるのは割とハードでした。試験中、後から見直したい問題にチェックを付けていつでも遡ることができますが、私は結局半分程度(10問くらい)しか見直せませんでした。

ACP-300の問題内容

上記の通りACP-300は"Jiraアジャイル開発"の試験です。公式情報によると、具体的にはこんな感じ。

  1. ソフトウェアプロジェクトの構成と紐付け (20-30%)
  2. ボードの構成と紐付け (スクラム, カンバン) (10-20%)
  3. ソフトウェアプロジェクトを用いたプランニングと運用(予測、バックログ整理、スプリントプランニング、スプリント管理)(25-35%)
  4. Jira Software でのレポート (20-30%)
  5. Jira Software と他のアトラシアンツールとの統合 (5-10%)

ACP-300の勉強法

実務でひたすら使ってJiraに慣れるに越したことはありませんが、ここでは実務経験の不足を補うためのおすすめ勉強法を書きます。
なお実務でJiraを触るときはプロジェクトやボードの設定を色々試行錯誤して、各ユースケースによってボードの種類、プロジェクトやコンポーネントの設定、使用するチャートなど、どれが適切かを体感するよう意識すると良いです(上記問題内容1,2,3で重要)。また、思った通りの操作ができない(例:チケットが参照できない、ランキングがいじれない、等)時はその理由(権限の問題なのか、設定の問題なのか、等)を考えてみると良い試験対策になると思います。可能であればいろんな権限パターンでJiraに触れてみるのも良いです。

公式ドキュメントを読む

無料アクセスできる中で最も正確な情報です。下記は特に読んでおくと良いです!!
上記問題内容4,5はこれだけでも解けるようになります。

  • アジャイルチュートリアル ...アジャイル開発にJiraの機能をどう組み込むか、詳しく書いてあります。
  • チャートやレポートの読み方 ...特に下記のレポートは、すべて読み取り方をマスターしましょう!逆に、どんなケースでどのグラフを参照すれば良いのかも理解できれば完璧。
    • 管理チャート(control chart)
    • 累積フローダイアグラム(cumulative flow diagram)
    • スプリントバーンダウンチャート
    • ベロシティチャート
    • エピックバーンダウンレポート
    • エピックレポート
    • スプリントレポート
    • バージョンレポート
    • リリースハブ
  • アトラシアン他製品の用途、Jiraとの組合せ方 ...各ツールの概要がわかればOK
    • Bitbucket:Git コード管理ツール
    • Bamboo:ビルド、テスト、デプロイができるツール
    • FishEye:リポジトリ管理、ソースコード管理ツール
    • Crucible:コードレビュー
    • Crowd:シングルサインオンとユーザーID管理ツール

公式のサンプル問題を確認する

対策というより、試験のイメージを掴むための最後の調整向けですが、公式の模擬問題が8問だけ公開されています。
実際に出題されることはありませんでしたが雰囲気はわかります。下記の公式トレーニングを受けていない場合は、見ておくと良いです。
サンプル問題

公式トレーニングを受ける

これは私は行ってないのですが、ACP-300に特化した公式トレーニングがあります。USD $50。
割と本番の試験とも近いようです。おそらく時間対効果を最も高く対策するにはこれが一番。

その他試験に関するTips

  • 試験時間3時間は長いです。お腹の空かない時間帯で予約しましょう。
  • 当日、試験時間がもし余ったら、出た問題を記憶しておくよう努めると後のためです。
  • 試験結果はその場で出ます。不合格でもめげずに、出題された問題を記憶の限り直ちにメモして次に備えましょう。

最後に

ACP-300は手強い試験な上に、日本語での情報が少ないためこの記事を書きました。
この記事が少しでも効率の良いACP-300試験対策の補助になれば幸いです。

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