2021/01/06に開催されたRegional Scrum Gathering Tokyo 2021での発表です。
https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2021/proposal/15015/online-interpretation
チーム参加してきました
aslead Agile のチーム「オキザリス」にて参加してきました。
チーム7人で参加して、その場で実況しつつ、記事も作っています。
背景
製薬会社MSDさんの、アジャイル導入のお話です。前提は下記のとおり。
- コマーシャル組織(マーケティング中心)を対象とした変革
- 2018~2019年の1.5年間
- 日本支社が独自で行っている
- COVID-19の影響下でも変革維持
また、下記のような問題に直面していた。
- 薬価に関する圧力:厚労省が定期的に見直すことで変動する。
- 研究開発の高騰:そもそも研究費用が高いうえに、結果が出るのに時間がかかりリスクも大きい。
こうした問題に対処しながらも、首尾よく研究開発や商品化を進め、ヘルスケアのトップを走り続けるためには?というのがアジャイル導入の始まり。
アジャイル組織への道
最初は限られた人数で、社内カフェスペースを使いながら始めた。外部のスクラムマスターの力も借りながら、チーム規模を広げていった。チームメンバーの皆はもともと興味をもってくれており、難なく拡大できたことは助かった。
得られた成果は
- スピード:資料作成は4倍、新しい業務への順応は3倍くらいのスピードに。
- 社員エンゲージメント:共有、連携、権限移譲、試行錯誤、自ら学ぶなどのエンゲージメント指標が上昇
など。また、他企業へ見学に行った際に「中途半端にアジャイルを取り入れるとうまく行かない」ことを聞き、全社への導入を決断した。
アジャイル開発宣言を参考にしながら「社内のアジャイル組織の主要な価値と原則」を作成。1人ではなく、各リーダーが集まって作成した。
何が変わったのか
例えば
- プロセス面:OBR・OKR研修を実施して導入
- 人財面:T型成長の促進やアジャイルブートキャンプへの参加
などなど。
スクラムマスターは、所属部門やキャリア経験の違うメンバーの中から社内で選定のうえ、育成した。
Scrum Master Journey
例として、スクラムマスター1年目の方のjourneyの話。もともとマーケターでシステマチックに仕事を進めるタイプだった方が、スクラムマスターを学びながら業務に取り入れる上での気落ちの変化がリアルに語られていました。
学び
スプリントレビュー実施、QBRやそれに伴う事業見直しなど、各イベントを多くこなしてきた。
その中で、アジャイルに取り組んだ1年のキーワードとしてメンバーからは、試行錯誤、心理的安全性、スピード、などが上がった。
また、アジャイル組織への変革が、COVID-19状況下での即日リモート移行やそのごの生産性向上の維持に貢献した。
最後に
変革はまだまだ続いていく。アジャイルが本格的に全社の組織文化として定着するために挑戦を続ける。
感想
ヘルスケアにもともと興味を持っており聴講しました。
また、アジャイルのイベントにはIT業界の方が多い一方で、製薬業界からの参加というのも目を引きました。開発を行う組織でなくても、これだけアジャイルを取り入れ成果を出すことができる、という実話は大変勉強になりました。