2021/01/06に開催されたRegional Scrum Gathering Tokyo 2021での発表です。
https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2021/proposal/14722/less1retty
チーム参加してきました
aslead Agile のチーム「オキザリス」にて参加してきました。
チーム7人で参加して、その場で実況しつつ、記事も作っています。
LeSSについて
たくさんのチームでスクラムするには?のフレームワーク。スクラムのルールをそのまま適応。Rettyで導入している。そのうえで起きた問題やその解決などの経験談が、今日のテーマ。
Q&Aコーナー
下記のテーマを軸に自由にQ&Aする形式でした。
導入の動機・検討
組織の立て直し時に、開発体制の問題に気が付いた。当時、プロダクトオーナーが複数いて、それぞれの領域でわかれて作業していた。最初はうまくいっていたが、サービスの成熟につれ領域がかにばるように。各チームにとって優先順位が違うため、調整に苦労した。調整が調整を呼ぶ状態。全社として、本当にやりたいことができているか?という疑問が出てきた。まずはバックログを1つにしよう、という話からスタートし、LeSSにたどり着いた。また経営層へのコスト対効果の説得については、課題を整理・分析し、何を解決したいかを深堀りして丁寧に説明した。どれほど開発進むか?利益増えるか?を、できる限り数値で示した。
導入の始まり
すべてのチームから始めるのではなく、1,2チームから始めた。効果が出てくると、皆信頼してくれるように。また、うわさで「なんか体制変わるらしい」と広がってしまうのは不安を煽るため、皆で話す場を設定したり1on1したりと、信頼を得る努力をした。
導入の道のり
メンバーから、今後の体制やキャリアの不安も見受けられたが、きちんと会話することで取り除いていった。方針をまず打ち出し、徹底的にフォローするが、それでも合わないのならしょうがない。若手に、御用聞きの立場ではなく「成果を出すこと」が使命だとわかってもらうのに苦労したこともある。バックログの中で、皆の合意をとるための課題を押し上げるのも大事。開発メンバーには、スプリント計画やレビューのイベントに出席してもらい、スプリントで開発するものの共有に努めた。営業メンバーはあまりLeSSに沿った動きをしてもらうことはなかったが、スプリントレビューで成果を共有したり、スプリントゴールをしっかり理解してもらった。
従来は、チームごとにイテレーションのサイクルや成果物の形など全然違っていてお互いの内容把握が難しかった。チーム間のコミュニケーションは、うまい人に属人的に頼っていた。しかしLeSSで統一することで解決した。
大規模だからこその難しさは、あまりなかった。各チームでいいところどりをしながら、自然と広まっていった。ふりかえりを各チームしっかり行うことを徹底していたからこそ、各チームへのノウハウ共有がスムーズだった。
導入の成果
プロダクトに対しての優先順位のつけ方が変わった。週一でみんなでバックログを作るようになった。エンジニアのが取り組む課題は、最初から細分化せずに1つのバックログにまとめたうえで、各チームに分散させていくように。
プロダクト全体のことを考えながらストーリーを考えることを念頭にした。またチーム編成など、体制はLeSSのカギとなる部分のため入念に話し合っていた。
頂きを目指す
アウトプットはちゃんと出るようになったが、まだまだ伸びしろある。どう伸ばすか、のはっきりした解をまだ持っていない。うまくビジネスとつなげていくためにがんばる。
感想
大変興味深い、大規模スクラムの導入の裏話でした。Discordでの質問も大盛り上がりで、皆さんの興味の大きさが垣間見れました。
1つのサービスを複数チームで作り上げる(しかも今回のお話は、Rettyという非常にユーザ規模の大きいサービス)のは一筋縄にはいかないことと思いますが、うまくLeSSというフレームワークを取り入れ変革を遂げた、お手本のようなお話でした!