AWSコンソール初心者必見!不要なAMIとスナップショットを安全に削除する方法
目次
- はじめに
-
不要なAMIとスナップショットがもたらす影響
- 2.1 コストの増加
- 2.2 リソース管理の煩雑化
- 2.3 セキュリティリスク
- AWSコンソールでの削除準備
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AMIの削除ステップバイステップ
- 4.1 AMI一覧の確認
- 4.2 AMIの詳細情報の確認
- 4.3 AMIの削除手順
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スナップショットの削除ステップバイステップ
- 5.1 スナップショット一覧の確認
- 5.2 スナップショットの関連付けの確認
- 5.3 スナップショットの削除手順
-
削除後の確認方法
- 6.1 リソースの最終チェック
- 6.2 コストの確認
- 6.3 定期的なメンテナンスの推奨
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将来的な自動化へのステップ
- 7.1 AWS CLIの導入
- 7.2 スクリプトによる自動化
- 7.3 注意点とベストプラクティス
- まとめ
- Q&A
- 参考文献・リソース
- 読者へのフィードバック要請
はじめに
AWS(Amazon Web Services)は、クラウドコンピューティングのリーディングプロバイダーであり、多くの企業や個人が利用しています。しかし、日々の運用で不要になったリソース、特にAMI(Amazon Machine Image)やスナップショットが蓄積されることがあります。これらを適切に管理・削除しないと、コストの増加やセキュリティリスクなどの問題が発生します。
本記事では、AWSコンソールを使って不要なAMIとスナップショットを安全に削除する方法を、初心者向けに詳しく解説します。ステップバイステップで進めていきますので、AWSに不慣れな方でも安心して操作できます。また、将来的にコードによる自動化を視野に入れるためのヒントも提供します。
不要なAMIとスナップショットがもたらす影響
コストの増加
AWSでは、使用するリソースに応じて料金が発生します。不要なAMIやスナップショットを放置すると、その分のストレージコストが継続的に発生します。特に大規模な環境や長期間運用している場合、このコストは無視できない額になることがあります。
- EBSスナップショット料金: 保存容量に応じて課金されます。
- AMIストレージ料金: 基本的にはスナップショットと同じEBSストレージを使用します。
例: 1つのスナップショットが100GBの場合、1ヶ月で約5ドルのコストが発生します。10個放置すると、年間で約600ドルになります。
リソース管理の煩雑化
リソースが増えると、その管理は複雑になります。不要なAMIやスナップショットが多数存在すると、以下の問題が発生します。
- リソースの検索時間が増加: 必要なAMIやスナップショットを見つけるのに時間がかかる。
- 人的ミスのリスク増加: 誤って重要なリソースを削除してしまう可能性が高まる。
- 運用効率の低下: 無駄な作業が増え、チーム全体の生産性が下がる。
セキュリティリスク
古いAMIやスナップショットには、既知の脆弱性が含まれている可能性があります。これらを削除せずに残しておくと、以下のリスクが生じます。
- 不正アクセスのリスク: 脆弱なAMIを誤って使用すると、セキュリティホールとなり得る。
- コンプライアンス違反: データ保持期間やセキュリティ基準に違反する可能性がある。
ポイント: 定期的なリソースの見直しと削除は、セキュリティ対策としても重要です。
AWSコンソールでの削除準備
必要な権限の確認
削除作業を行うためには、適切なIAM権限が必要です。以下の権限を持っていることを確認してください。
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AMIの削除:
ec2:DeregisterImage
-
スナップショットの削除:
ec2:DeleteSnapshot
**IAM(Identity and Access Management)**は、AWSリソースへのアクセスを制御するサービスです。セキュリティのため、最小限の権限を持つユーザーまたはロールを使用することが推奨されます。
削除対象の特定
誤って必要なリソースを削除しないよう、以下の手順で削除対象を特定します。
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使用状況の確認: AMIやスナップショットが現在使用されていないことを確認します。
- インスタンスの確認: 該当するAMIから起動されたインスタンスがないかチェック。
- バックアップポリシーの確認: スナップショットがバックアップ戦略の一部でないか確認。
-
タグ付けの確認: リソースに付与されたタグを確認し、削除して良いものか判断します。
-
環境タグ:
Environment=Test
など。 -
所有者タグ:
Owner=YourName
など。
-
環境タグ:
-
関連リソースの確認: 他のリソースやサービスから参照されていないか確認します。
- Auto Scaling: AMIがAuto Scalingグループで使用されていないか。
- Launch Template: 起動テンプレートで使用されていないか。
バックアップの取得
削除前に、必要に応じてバックアップを取得します。特に、将来的に使用する可能性がある場合は、以下の方法でバックアップを保存します。
- AMIのコピー: 別のリージョンやアカウントにコピー。
- スナップショットのコピー: スナップショットをコピーし、適切な名前とタグを付けて保存。
注意: 一度削除したリソースは復元できないため、慎重に対応してください。
AMIの削除ステップバイステップ
AMI一覧の確認
-
AWSマネジメントコンソールにログインします。
AWSマネジメントコンソールにアクセスし、アカウント情報を入力してログインします。
-
EC2ダッシュボードに移動します。
サービス一覧から「EC2」を選択します。
-
左側のナビゲーションペインから「AMI」を選択します。
AMIの詳細情報の確認
-
フィルタリング: 所有者を「自分のAMI」に設定します。
- フィルタオプションで「所有者」を選択し、「自分のAMI」を選びます。
-
AMIの情報確認:
- 名前: AMIの名前を確認します。
- 作成日: AMIが作成された日付を確認します。
- 説明: AMIの説明欄に重要な情報がないか確認します。
-
タグの確認:
- EnvironmentやProjectなどのタグを確認し、削除して良いものか判断します。
AMIの削除手順
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削除したいAMIを選択:
- AMIの一覧から、不要なAMIにチェックを入れます。
-
アクションの選択:
-
確認ダイアログの対応:
-
内容を確認し、「はい、登録を解除します」をクリックします。
警告: この操作は元に戻せません。
-
-
削除の確認:
- AMI一覧から削除したAMIが消えていることを確認します。
ヒント: 複数のAMIを一度に削除したい場合、CTRLキー(Windows)またはCMDキー(Mac)を押しながら複数選択が可能です。
スナップショットの削除ステップバイステップ
スナップショット一覧の確認
-
左側のナビゲーションペインから「スナップショット」を選択します。
-
所有者のフィルタリング:
- フィルタオプションで「所有者」を選択し、「自分のスナップショット」を選びます。
-
スナップショットの情報確認:
- スナップショットID: 一意の識別子です。
- 説明: スナップショットの内容や目的が記載されています。
- 開始時間: 作成日時を確認します。
スナップショットの関連付けの確認
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関連AMIの確認:
- スナップショットが削除したAMIと関連付けられているか確認します。
-
依存関係の確認:
- 他のEBSボリュームやインスタンスがこのスナップショットを使用していないか確認します。
-
タグの確認:
- スナップショットに付与されたタグを確認し、削除して良いものか判断します。
スナップショットの削除手順
-
削除したいスナップショットを選択:
- スナップショットの一覧から、不要なものにチェックを入れます。
-
アクションの選択:
-
確認ダイアログの対応:
-
内容を確認し、「削除」をクリックします。
警告: スナップショットを削除すると、データを復元できなくなります。
-
-
削除の確認:
- スナップショット一覧から削除したスナップショットが消えていることを確認します。
注意: スナップショットを削除すると、それを基にした新しいボリュームの作成ができなくなります。
削除後の確認方法
リソースの最終チェック
削除が完了したら、以下の点を確認します。
-
AMI一覧:
- 削除対象のAMIが一覧から消えていること。
-
スナップショット一覧:
- 該当するスナップショットが削除されていること。
-
関連リソースの正常性:
- 他のインスタンスやサービスに影響が出ていないか確認します。
コストの確認
削除後、コストが削減されているかを確認します。
-
AWS Billingダッシュボードにアクセスします。
-
コストエクスプローラーの利用:
-
削減効果の確認:
- 削除前と削除後のコストを比較し、効果を測定します。
ヒント: コスト削減の効果をチームやマネージャーに報告すると、評価につながるかもしれません。
定期的なメンテナンスの推奨
リソースの整理は一度行えば終わりではありません。以下の方法で定期的なメンテナンスを推奨します。
-
月次レビュー:
- 毎月1回、不要なリソースがないか確認します。
-
タグ付けの徹底:
- リソース作成時に必ずタグを付け、管理しやすくします。
-
自動通知の設定:
- CloudWatchやSNSを使って、リソースが一定数を超えた場合に通知を受け取るよう設定します。
将来的な自動化へのステップ
AWS CLIの導入
AWS CLI(コマンドラインインターフェース)は、AWSサービスをコマンドラインから操作できるツールです。これを使うと、リソースの管理を自動化できます。
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インストール:
- 公式ドキュメントに従ってインストールします。
-
設定:
aws configure
- AWS Access Key IDとSecret Access Keyを入力します。
- デフォルトリージョンを設定します。
スクリプトによる自動化
AWS CLIを使って、不要なAMIとスナップショットを自動的に削除するスクリプトを作成できます。
例: 古いスナップショットを自動削除するスクリプト(Python)
import boto3
from datetime import datetime, timedelta, timezone
# AWSセッションの作成
session = boto3.Session()
ec2 = session.client('ec2')
# 現在の日付をUTCで取得
now = datetime.now(timezone.utc)
# Paginatorを使用してスナップショットを分割して取得
paginator = ec2.get_paginator('describe_snapshots')
page_iterator = paginator.paginate(OwnerIds=['self'])
for page in page_iterator:
snapshots = page['Snapshots']
for snapshot in snapshots:
# スナップショットの開始時間を取得(UTC)
start_time = snapshot['StartTime']
# スナップショットが90日以上前か確認
if (now - start_time) > timedelta(days=90):
try:
# スナップショットを削除
ec2.delete_snapshot(SnapshotId=snapshot['SnapshotId'])
print(f"Deleted Snapshot: {snapshot['SnapshotId']}")
except Exception as e:
print(f"Failed to delete Snapshot: {snapshot['SnapshotId']}. Error: {e}")
注意: スクリプトを実行する前に、必ずテスト環境で検証し、必要な権限が設定されていることを確認してください。
注意点とベストプラクティス
-
誤操作防止:
- スクリプト実行時に確認プロンプトを入れる。
- 削除対象をログに記録する。
-
アクセスキーの管理:
- アクセスキーは安全な場所に保管し、不要になったら削除します。
-
権限の最小化:
- スクリプトが必要とする最小限の権限のみを付与します。
-
バージョン管理:
- スクリプトはGitなどでバージョン管理し、変更履歴を追えるようにします。
まとめ
AWSコンソールでのAMIとスナップショット削除はシンプルで効果的です。
- シンプルで効果的: AWSコンソールを使った削除は初心者でも簡単に行えます。
- ミスの削減: 手順を理解すれば、ミスなくリソースを整理できます。
- 将来的な自動化: 将来的にはコードによる自動化も視野に入れましょう。
まずはコンソール操作に慣れ、次のステップとしてコードによる管理にチャレンジしてみませんか?
Q&A
Q1: AMIとスナップショットの違いは何ですか?
A1: AMIはEC2インスタンスの起動テンプレートであり、OSやアプリケーション設定などを含みます。スナップショットはEBSボリュームのバックアップで、データのコピーです。AMIは複数のスナップショットから構成されることがあります。
Q2: スナップショットを削除すると、関連するAMIはどうなりますか?
A2: スナップショットを削除すると、そのスナップショットを使用しているAMIやEBSボリュームの作成ができなくなる可能性があります。AMIを削除した後でも、関連するスナップショットが他で使われていないか確認しましょう。
Q3: 誤って必要なAMIを削除してしまった場合、復元できますか?
A3: 残念ながら、一度削除したAMIやスナップショットは基本的に復元できません。削除前にバックアップやコピーを取得しておくことが重要です。
Q4: 複数のAMIやスナップショットを一括で削除する方法はありますか?
A4: AWSコンソールでは複数選択して削除することが可能です。ただし、大量のリソースを管理する場合は、AWS CLIやスクリプトを使用することで効率的に削除できます。
Q5: コードによる管理は難しいですか?
A5: 最初は難しく感じるかもしれませんが、AWS CLIやSDKを学ぶことで効率的なリソース管理が可能になります。公式ドキュメントやチュートリアルを活用して学習すると良いでしょう。
参考文献・リソース
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