コミュニケーションは「送受信」の繰り返し
コミュニケーションスキルというと、何を思い出しますか?
主に、伝える技術ではないでしょうか?
正しく伝える、わかりやすく伝える、相手に慮って伝える・・・
最近、1on1をはじめとする、メンバーのモチベートに寄与するコミュニケーション
が強く求められてくる中、この必要性はとても大きくなってきました。
そもそも、コミュニケーションとは、その目的に応じ、**「何かを伝える人」と「それを聞く人」**に分かれ、
会話の中で、立場が都度都度変わっていきます。
伝える人の「伝えるスキル」が足りないと、相手は誤認してしまったり、全然違うアクションをとってしまう事となります。
また、どちらかが上司・先輩のように、権力が入ってしまう事で、「伝え方」が高圧的になってしまうなどの、
バイアスがかかってしまったりします。
こういったとき、
聞く人は、「あの人は、伝え方が下手くそだ」
伝える人は、「あの人は、理解力が無い」
となりがちです。この不幸なすれ違いへの対処法は、
伝える側の伝えるスキルだけではなく、聞いている側の「伝えるスキル」にも依存する。
という趣旨で書いていきます。
「聞く側」が頑張る、二つの事
聞く側が伝える側に頑張って伝える、二つの事。それは、
- 相手がなぜ「今の話をしているか」の背景を意識する
- 伝えてくれたことを、自分が正しく理解しているか、相手に確認する
相手がなぜ「今の話をしているか」の背景を意識する
これを語りだすと、またそれはそれで長いのですが、いわゆる「傾聴」+αです。
今回書きたい事ではないので、またの機会に。
伝えてくれたことを、自分が正しく理解しているか、相手に確認する
そして今回のお話。
このプロセスを踏む人は、意外と少ないが、とても大切なプロセスで、意外とハードルが高いものです。
何をしたらいいのか
やることは凄く簡単です。
- 自分の言葉で
- 相手の伝えてくれた内容をまとめて
- 相手に伝え
- 確認しあう
の4つをするだけで、今までのコミュニケーションロスはかなり少なくなります。
少し細かく見ていきましょう
1. 自分の言葉で伝える
自分の言葉にすることで、自分の理解度を計ります。
理解できていないときは、相手の言葉をそのままなぞっていたり、どこかのサイトで読んだ表現を
そのまま使っていたりします。
■ 酷い例
「心理的安全性とは、メンバーの心理的安全を担保することだから、とても大切なんだ」」
とかですね。なんで大切なのか、とかまったく理解できていない感じです。
稚拙でも酷くても良いから、自分の言葉で伝えましょう。
こういった努力をしないと、**わからない事がわからなくなる。**という、とても不幸な事が起きます
2. 相手の伝えてくれた内容をまとめる
内容をまとめる時、自然と、重要だと感じている事を残します。
これがとても大切で、「相手が重要だと思っていること」と「自分が重要だと思っていること」が、
正しく一致しているか。誤解は無いか。その判断をする材料となります。
自分の言葉で伝える理由にもなるのですが、ここでまとめた内容は、
「誰かに伝える時」にも自然と使われることになります。
3. 相手に伝える
当たり前だろ。と思った方いませんか?
実は、これやってない人すごく多いんです。
仕様誤認でプログラムを間違えて記述する事例として、一番多いのではないでしょうか。
何を伝えるのか、どこまで伝えるのか、いつ伝えるのか、などなど。。。
聞く側のセンスが一番出る所です。
但し、本当に伝えるべきことは、先述した通り、**自分の理解が正しいかどうか、自分の言葉で伝える。**という事です。
これは、「会議進行が書かれた議事録」が読まれない理由にも近く、
全部読んでも、会議を思い出す。しかないので、自分も相手も得るものが無い。
大切なのは、結論に対する意識があっているかどうか。です。
4. 確認しあう
理解してもらおう。で終わってはいけません。
なぜなら、このフェーズに入った瞬間に「伝える側」と「聞く側」が逆転したからです。
次に返ってくる言葉を正しく理解できるように、相手の表情観察や、傾聴に入ります。
簡潔に言うと、「フィードバックループ」
コミュニケーションをとる二人が、お互いにこの4つのプロセスを踏みあう事で、
お互いの考えに理解が深まり、より建設的なコミュニケーションが取れるようになります。
普段の議論も、1on1も、なぜ「一人で考える」のではなく、対話するのか。
成長に行き詰まりを感じた時、ペアプロするとよかったりするのか。
それは、
相手の脳内で、自分の意見や知見が熟成され、返ってくる。
からです。これを双方でポジティブにやることで、その効果は更に跳ね上がります。
このフィードバックループは、「相手」が始める事を期待していても始まりません。
是非、自分から始めていきましょう。
そうそう世の中甘くない
フィードバックは、常に「良い」フィードバックだけではありません。
辛い現実、合わない考え、すれ違う心。。。色んな事が起きます。
これを、いかにポジティブに変換していくか。本当はそういう「聞き手のスキル」も
無茶苦茶大切です。これはまたの機会に書いていきたいなと。
まとめ
- 話す側のスキルだけに依存したコミュニケーションでは、破綻しますよ
- 聞く側の伝えるスキルが、コミュニケーションを更に良いモノに変換してくれます
という事でした。
コミュニケーションは、常に送受信。どちらが欠けても意味が無いということを心において、
日々のコミュニケーションを、実りあるものにしていきましょう。