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【初心者向け!】Excel VBAでプログラミングを始めよう

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はじめに

Excel VBAは、Microsoft Excelの機能を拡張し、自動化するための強力なツールです。日本語環境でExcel VBAを使用することで、より直感的にプログラミングを行うことができます。この記事では、日本語でのExcel VBAプログラミングの基礎から応用まで、15の章に分けて詳しく解説します。各章では、具体的なコード例と詳細な説明を提供し、初心者から中級者まで幅広い読者に役立つ内容となっています。

第1章: VBA環境の設定

Excel VBAを使用するには、まず開発環境を整える必要があります。Excelの「開発」タブを表示し、VBEエディタにアクセスする方法を学びましょう。また、日本語環境での設定方法や、コードの入力方法についても説明します。

Sub 環境設定確認()
    MsgBox "VBA環境の設定が完了しました。", vbInformation, "設定確認"
End Sub

この簡単なコードを実行することで、VBA環境が正しく設定されていることを確認できます。環境設定が完了したら、次の章に進みましょう。

第2章: 基本的な変数と型

VBAでは、様々な型の変数を使用できます。この章では、数値型、文字列型、日付型などの基本的なデータ型について学びます。また、変数の宣言方法や、日本語での変数名の使用方法についても解説します。

Sub 変数の基本()
    Dim 数値 As Integer
    Dim 文字列 As String
    Dim 日付 As Date
    
    数値 = 10
    文字列 = "こんにちは、VBA!"
    日付 = Date
    
    MsgBox "数値: " & 数値 & vbNewLine & _
           "文字列: " & 文字列 & vbNewLine & _
           "日付: " & 日付, vbInformation, "変数の例"
End Sub

このコードでは、異なる型の変数を宣言し、値を代入しています。MsgBoxを使用して、各変数の値を表示することで、変数の使用方法を理解できます。

第3章: 条件分岐

プログラミングにおいて、条件分岐は非常に重要です。この章では、If文やSelect Case文を使用した条件分岐の方法を学びます。日本語での条件式の書き方や、複雑な条件の組み立て方についても詳しく解説します。

Sub 条件分岐の例()
    Dim 点数 As Integer
    点数 = InputBox("点数を入力してください(0-100)")
    
    If 点数 >= 90 Then
        MsgBox "優秀です!", vbInformation, "評価結果"
    ElseIf 点数 >= 70 Then
        MsgBox "良好です。", vbInformation, "評価結果"
    ElseIf 点数 >= 50 Then
        MsgBox "合格です。", vbInformation, "評価結果"
    Else
        MsgBox "もう少し頑張りましょう。", vbInformation, "評価結果"
    End If
End Sub

このコードでは、入力された点数に応じて異なるメッセージを表示します。If-ElseIf-Else構文を使用することで、複数の条件を効率的に処理できます。

第4章: ループ処理

繰り返し処理は、多くのタスクを自動化する上で欠かせません。For Next、Do While、For Eachなど、様々なループ構文の使い方を学びます。また、日本語でのループ変数の命名や、ループの制御方法についても説明します。

Sub 九九の表を作成()
    Dim 行 As Integer
    Dim 列 As Integer
    
    For 行 = 1 To 9
        For 列 = 1 To 9
            Cells(行, 列).Value = 行 * 列
        Next 列
    Next 行
    
    MsgBox "九九の表が作成されました。", vbInformation, "完了"
End Sub

このコードは、二重のForループを使用して九九の表をExcelシートに作成します。ループ処理を使うことで、大量のデータを効率的に処理できることがわかります。

第5章: 関数とサブプロシージャ

コードの再利用性を高めるために、関数とサブプロシージャの作成方法を学びます。引数の渡し方、戻り値の設定、日本語での関数名の付け方など、実践的なテクニックを紹介します。

Function 消費税計算(価格 As Double, Optional 税率 As Double = 0.1) As Double
    消費税計算 = 価格 * (1 + 税率)
End Function

Sub 消費税計算テスト()
    Dim 商品価格 As Double
    Dim 税込価格 As Double
    
    商品価格 = 1000
    税込価格 = 消費税計算(商品価格)
    
    MsgBox "商品価格: " & 商品価格 & "円" & vbNewLine & _
           "税込価格: " & 税込価格 & "円", vbInformation, "消費税計算結果"
End Sub

この例では、消費税を計算する関数を定義し、それをサブプロシージャから呼び出しています。関数とサブプロシージャを適切に使用することで、コードの構造化と保守性の向上が図れます。

第6章: エラー処理

プログラムの安定性を高めるためのエラー処理について学びます。On Error文の使い方、エラーの種類と対処方法、日本語でのエラーメッセージの作成方法などを解説します。

Sub エラー処理の例()
    On Error GoTo エラー処理
    
    Dim 数値 As Integer
    数値 = InputBox("数値を入力してください")
    
    If 数値 = 0 Then
        Err.Raise 6, , "ゼロで除算はできません"
    End If
    
    MsgBox "10を入力された数値で割った結果: " & (10 / 数値), vbInformation, "計算結果"
    
    Exit Sub

エラー処理:
    Select Case Err.Number
        Case 6
            MsgBox "エラー: " & Err.Description, vbCritical, "エラー"
        Case 13
            MsgBox "数値を入力してください。", vbExclamation, "入力エラー"
        Case Else
            MsgBox "予期せぬエラーが発生しました。" & vbNewLine & _
                   "エラー番号: " & Err.Number & vbNewLine & _
                   "説明: " & Err.Description, vbCritical, "エラー"
    End Select
End Sub

このコードでは、ユーザーからの入力に基づいて計算を行い、発生する可能性のあるエラーを適切に処理しています。エラー処理を実装することで、プログラムの堅牢性が向上します。

第7章: ワークシートの操作

Excelの基本機能であるワークシートの操作方法を学びます。セルの読み書き、範囲の選択、シートの追加・削除など、VBAを使ったワークシートの効率的な操作方法を解説します。

Sub ワークシート操作の例()
    Dim ws As Worksheet
    Dim i As Integer
    
    ' 新しいワークシートを追加
    Set ws = ThisWorkbook.Worksheets.Add
    ws.Name = "売上データ"
    
    ' ヘッダーを設定
    ws.Cells(1, 1).Value = "日付"
    ws.Cells(1, 2).Value = "商品名"
    ws.Cells(1, 3).Value = "売上"
    
    ' サンプルデータを入力
    For i = 2 To 10
        ws.Cells(i, 1).Value = Date + i - 2
        ws.Cells(i, 2).Value = "商品" & i - 1
        ws.Cells(i, 3).Value = WorksheetFunction.RandBetween(1000, 10000)
    Next i
    
    ' 書式設定
    ws.Range("A1:C1").Font.Bold = True
    ws.Range("A2:A10").NumberFormat = "yyyy/mm/dd"
    ws.Range("C2:C10").NumberFormat = "#,##0"
    ws.Columns("A:C").AutoFit
    
    MsgBox "売上データのワークシートが作成されました。", vbInformation, "完了"
End Sub

このコードでは、新しいワークシートを作成し、サンプルデータを入力しています。セルの値の設定、日付や数値の書式設定、列幅の自動調整など、様々なワークシート操作の例を示しています。

第8章: グラフの作成

Excelの強力な機能の一つであるグラフ作成をVBAで行う方法を学びます。データ範囲の指定、グラフの種類の選択、タイトルや軸ラベルの設定など、プログラムによるグラフ作成の手順を詳しく解説します。

Sub グラフ作成の例()
    Dim ws As Worksheet
    Dim cht As Chart
    Dim rng As Range
    
    ' データ用のワークシートを作成
    Set ws = ThisWorkbook.Worksheets.Add
    ws.Name = "売上グラフ"
    
    ' サンプルデータを入力
    ws.Range("A1:B5").Value = Array( _
        Array("商品", "売上"), _
        Array("商品A", 1200), _
        Array("商品B", 1500), _
        Array("商品C", 800), _
        Array("商品D", 2000))
    
    ' データ範囲を設定
    Set rng = ws.Range("A1:B5")
    
    ' グラフを作成
    Set cht = ws.Shapes.AddChart2(201, xlColumnClustered).Chart
    
    ' グラフのデータ範囲を設定
    cht.SetSourceData Source:=rng
    
    ' グラフのタイトルを設定
    cht.HasTitle = True
    cht.ChartTitle.Text = "商品別売上"
    
    ' 軸ラベルを設定
    cht.Axes(xlCategory).HasTitle = True
    cht.Axes(xlCategory).AxisTitle.Text = "商品"
    cht.Axes(xlValue).HasTitle = True
    cht.Axes(xlValue).AxisTitle.Text = "売上(円)"
    
    ' グラフの位置とサイズを調整
    cht.Parent.Left = ws.Cells(1, 4).Left
    cht.Parent.Top = ws.Cells(1, 4).Top
    cht.Parent.Width = 400
    cht.Parent.Height = 300
    
    MsgBox "売上グラフが作成されました。", vbInformation, "完了"
End Sub

このコードでは、サンプルデータを入力し、それに基づいて棒グラフを作成しています。グラフのタイトル、軸ラベル、位置、サイズなどを設定する方法を示しています。

第9章: データベース操作

Excelをデータベースとして使用する方法を学びます。ADOを使用したデータベース接続、SQLクエリの実行、レコードの追加・更新・削除など、VBAを使ったデータベース操作の基本を解説します。

Sub データベース操作の例()
    Dim cn As ADODB.Connection
    Dim rs As ADODB.Recordset
    Dim ws As Worksheet
    Dim sql As String
    Dim i As Integer
    
    ' ワークシートを準備
    Set ws = ThisWorkbook.Worksheets.Add
    ws.Name = "社員データ"
    
    ' 接続文字列(この例ではExcelファイル自体をデータベースとして使用)
    Dim connString As String
    connString = "Provider=Microsoft.ACE.OLEDB.12.0;Data Source=" & ThisWorkbook.FullName & ";Extended Properties=""Excel 12.0 Macro;HDR=YES"";"
    
    ' 接続を開く
    Set cn = New ADODB.Connection
    cn.Open connString
    
    ' テーブル(ワークシート)が存在しない場合は作成
    On Error Resume Next
    cn.Execute "DROP TABLE [社員データ$]"
    cn.Execute "CREATE TABLE [社員データ$] (社員ID INT, 氏名 TEXT, 部署 TEXT, 入社日 DATE)"
    On Error GoTo 0
    
    ' データを挿入
    cn.Execute "INSERT INTO [社員データ$] (社員ID, 氏名, 部署, 入社日) VALUES (1, '山田太郎', '営業部', #2020/4/1#)"
    cn.Execute "INSERT INTO [社員データ$] (社員ID, 氏名, 部署, 入社日) VALUES (2, '鈴木花子', '総務部', #2019/10/1#)"
    cn.Execute "INSERT INTO [社員データ$] (社員ID, 氏名, 部署, 入社日) VALUES (3, '佐藤次郎', '開発部', #2021/7/1#)"
    
    ' データを取得
    sql = "SELECT * FROM [社員データ$]"
    Set rs = New ADODB.Recordset
    rs.Open sql, cn, adOpenStatic, adLockOptimistic
    
    ' ヘッダーを設定
    For i = 0 To rs.Fields.Count - 1
        ws.Cells(1, i + 1).Value = rs.Fields(i).Name
    Next i
    
    ' データを書き込み
    ws.Range("A2").CopyFromRecordset rs
    
    ' 接続を閉じる
    rs.Close
    cn.Close
    
    ' 列幅を自動調整
    ws.Columns("A:D").AutoFit
    
    MsgBox "社員データが取得されました。", vbInformation, "完了"
End Sub

このコードでは、Excelファイル自体をデータベースとして使用し、ADOを通じてデータの操作を行っています。テーブルの作成、データの挿入、取得などの基本的なデータベース操作を示しています。実際の使用時には、適切なエラー処理を追加することをお勧めします。

第10章: ユーザーフォームの作成

VBAでユーザーインターフェースを作成する方法を学びます。ユーザーフォームの設計、コントロールの配置、イベント処理など、対話的なアプリケーションの作成方法を解説します。

' ユーザーフォームのコード(フォーム名:社員登録フォーム)
Private Sub UserForm_Initialize()
    ' 部署リストの初期化
    With Me.部署コンボボックス
        .AddItem "営業部"
        .AddItem "総務部"
        .AddItem "開発部"
        .AddItem "人事部"
    End With
End Sub

Private Sub 登録ボタン_Click()
    Dim ws As Worksheet
    Dim lastRow As Long
    
    ' 入力チェック
    If Me.社員ID.Value = "" Or Me.氏名.Value = "" Or Me.部署コンボボックス.Value = "" Then
        MsgBox "すべての項目を入力してください。", vbExclamation, "入力エラー"
        Exit Sub
    End If
    
    ' ワークシートの取得または作成
    On Error Resume Next
    Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("社員リスト")
    On Error GoTo 0
    If ws Is Nothing Then
        Set ws = ThisWorkbook.Worksheets.Add
        ws.Name = "社員リスト"
        ws.Range("A1:D1").Value = Array("社員ID", "氏名", "部署", "登録日")
    End If
    
    ' 最終行の取得
    lastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row + 1
    
    ' データの書き込み
    ws.Cells(lastRow, 1).Value = Me.社員ID.Value
    ws.Cells(lastRow, 2).Value = Me.氏名.Value
    ws.Cells(lastRow, 3).Value = Me.部署コンボボックス.Value
    ws.Cells(lastRow, 4).Value = Date
    
    ' フォームのクリア
    Me.社員ID.Value = ""
    Me.氏名.Value = ""
    Me.部署コンボボックス.Value = ""
    
    MsgBox "社員情報が登録されました。", vbInformation, "登録完了"
End Sub

Private Sub 閉じるボタン_Click()
    Unload Me
End Sub

' メインモジュールのコード
Sub 社員登録フォームを表示()
    社員登録フォーム.Show
End Sub

このコードは、社員情報を入力するためのユーザーフォームを作成し、入力されたデータをワークシートに保存する例です。フォームの初期化、データの検証、ワークシートへの書き込みなど、ユーザーフォームを使用した基本的な操作を示しています。

第11章: APIの活用

Windows APIを使用して、Excelの機能を拡張する方法を学びます。ファイル操作、システム情報の取得、ダイアログボックスの表示など、APIを活用した高度な機能の実装方法を解説します。

' APIの宣言
Private Declare PtrSafe Function GetUserName Lib "advapi32.dll" Alias "GetUserNameA" (ByVal lpBuffer As String, nSize As Long) As Long
Private Declare PtrSafe Function MessageBox Lib "user32.dll" Alias "MessageBoxA" (ByVal hwnd As Long, ByVal lpText As String, ByVal lpCaption As String, ByVal wType As Long) As Long

Sub APIの使用例()
    Dim userName As String
    Dim bufferSize As Long
    Dim result As Long
    
    ' ユーザー名を取得
    userName = Space(255)
    bufferSize = Len(userName)
    result = GetUserName(userName, bufferSize)
    
    If result <> 0 Then
        userName = Left(userName, InStr(userName, vbNullChar) - 1)
        
        ' MessageBoxを表示
        result = MessageBox(0, "こんにちは、" & userName & "さん!" & vbNewLine & _
                               "APIを使用したメッセージボックスです。", _
                               "API呼び出しの例", &H40)  ' &H40 は MB_ICONINFORMATION
    Else
        MsgBox "ユーザー名の取得に失敗しました。", vbExclamation, "エラー"
    End If
End Sub

このコードでは、Windows APIを使用してユーザー名を取得し、カスタムのメッセージボックスを表示しています。APIを使用することで、Excelの標準機能では実現できない操作を行うことができます。

第12章: セキュリティとマクロの設定

VBAマクロのセキュリティ設定や、安全なコードの書き方について学びます。デジタル署名の使用、マクロの有効化設定、セキュリティリスクの軽減方法などを解説します。

Sub セキュリティ設定の確認()
    Dim securityLevel As Long
    
    ' 現在のマクロセキュリティレベルを取得
    securityLevel = Application.AutomationSecurity
    
    Select Case securityLevel
        Case msoAutomationSecurityLow
            MsgBox "現在のマクロセキュリティレベルは「低」です。" & vbNewLine & _
                   "すべてのマクロが実行可能ですが、セキュリティリスクがあります。", _
                   vbInformation, "セキュリティ設定"
        Case msoAutomationSecurityByUI
            MsgBox "現在のマクロセキュリティレベルは「ユーザーインターフェイスのみ」です。" & vbNewLine & _
                   "ユーザーの操作によってのみマクロが実行されます。", _
                   vbInformation, "セキュリティ設定"
        Case msoAutomationSecurityForceDisable
            MsgBox "現在のマクロセキュリティレベルは「無効」です。" & vbNewLine & _
                   "すべてのマクロが無効化されています。", _
                   vbExclamation, "セキュリティ設定"
    End Select
    
    ' 安全なコーディング例:入力値の検証
    Dim userInput As String
    userInput = InputBox("名前を入力してください:")
    
    If Len(userInput) > 50 Then
        MsgBox "入力が長すぎます。50文字以内で入力してください。", vbExclamation, "入力エラー"
    ElseIf InStr(userInput, ";") > 0 Or InStr(userInput, "'") > 0 Then
        MsgBox "無効な文字が含まれています。", vbExclamation, "入力エラー"
    Else
        MsgBox "こんにちは、" & userInput & "さん!", vbInformation, "挨拶"
    End If
End Sub

このコードでは、現在のマクロセキュリティレベルを確認し、ユーザーに通知しています。また、ユーザー入力の検証を行うことで、潜在的なセキュリティリスクを軽減する方法を示しています。

第13章: パフォーマンスの最適化

VBAコードのパフォーマンスを向上させるテクニックを学びます。画面更新の制御、配列の使用、効率的なループ処理など、処理速度を向上させるための方法を解説します。

Sub パフォーマンス最適化の例()
    Dim startTime As Double
    Dim endTime As Double
    Dim i As Long, j As Long
    Dim ws As Worksheet
    Dim data() As Variant
    
    Set ws = ThisWorkbook.Worksheets.Add
    ws.Name = "パフォーマンステスト"
    
    ' 開始時間を記録
    startTime = Timer
    
    ' 画面更新を無効化
    Application.ScreenUpdating = False
    
    ' 大量のデータを生成
    ReDim data(1 To 10000, 1 To 5)
    For i = 1 To 10000
        For j = 1 To 5
            data(i, j) = "データ" & i & "-" & j
        Next j
    Next i
    
    ' データをワークシートに一括で書き込み
    ws.Range("A1").Resize(UBound(data, 1), UBound(data, 2)).Value = data
    
    ' 画面更新を再有効化
    Application.ScreenUpdating = True
    
    ' 終了時間を記録
    endTime = Timer
    
    MsgBox "処理時間: " & Format(endTime - startTime, "0.000") & " 秒", vbInformation, "パフォーマンス測定"
End Sub

このコードでは、大量のデータを効率的に生成し、ワークシートに書き込む方法を示しています。画面更新の無効化、配列の使用、一括書き込みなど、パフォーマンスを向上させるテクニックを適用しています。

第14章: デバッグとトラブルシューティング

VBAコードのデバッグ方法とトラブルシューティングのテクニックを学びます。ブレークポイントの設定、ウォッチウィンドウの使用、エラーの特定と修正方法などを解説します。

Sub デバッグの例()
    On Error GoTo ErrorHandler
    
    Dim i As Integer
    Dim result As Double
    
    ' ブレークポイントをここに設定してみましょう
    For i = 1 To 10
        ' ウォッチウィンドウでiの値を監視してみましょう
        result = 10 / (5 - i)
        Debug.Print "i = " & i & ", result = " & result
    Next i
    
    MsgBox "処理が完了しました。", vbInformation, "完了"
    Exit Sub

ErrorHandler:
    Select Case Err.Number
        Case 11  ' 0による除算
            MsgBox "0で除算しようとしました。i = " & i, vbExclamation, "エラー"
        Case Else
            MsgBox "予期せぬエラーが発生しました。" & vbNewLine & _
                   "エラー番号: " & Err.Number & vbNewLine & _
                   "説明: " & Err.Description, vbCritical, "エラー"
    End Select
    Resume Next
End Sub

このコードでは、意図的にエラーを発生させ、デバッグの練習ができるようにしています。ブレークポイントの設定、ウォッチウィンドウの使用、エラーハンドリングなど、デバッグに役立つ技術を示しています。

第15章: アドインの作成と配布

ExcelのアドインとしてVBAプロジェクトを作成し、配布する方法を学びます。アドインの設計、ユーザーインターフェースの統合、インストール方法など、プロフェッショナルなExcelアドインの開発手順を解説します。

' このコードは通常のモジュールに配置します

Public Sub アドインを有効化()
    ' リボンのカスタムタブを作成
    Dim customUI As IRibbonUI
    Set customUI = Application.CommandBars.GetImageMso("HappyFace", 16, 16)
    
    ' カスタムボタンを追加
    With Application.CommandBars.Add(Name:="MyAddinTab", Position:=msoBarTop)
        With .Controls.Add(Type:=msoControlButton)
            .Caption = "サンプル機能"
            .OnAction = "サンプル機能を実行"
            .FaceId = 59 ' アイコンのID
        End With
    End With
    
    MsgBox "アドインが有効化されました。", vbInformation, "アドイン有効化"
End Sub

Public Sub アドインを無効化()
    On Error Resume Next
    Application.CommandBars("MyAddinTab").Delete
    On Error GoTo 0
    
    MsgBox "アドインが無効化されました。", vbInformation, "アドイン無効化"
End Sub

Public Sub サンプル機能を実行()
    MsgBox "アドインのサンプル機能が実行されました。", vbInformation, "サンプル機能"
End Sub

' このコードはThisWorkbookモジュールに配置します
Private Sub Workbook_Open()
    Call アドインを有効化
End Sub

Private Sub Workbook_BeforeClose(Cancel As Boolean)
    Call アドインを無効化
End Sub

このコードは、Excelアドインの基本的な構造を示しています。アドインが有効化されると、カスタムタブとボタンがExcelのリボンに追加されます。アドインが閉じられる際には、これらのカスタム要素が削除されます。

アドインを作成し配布する際の一般的な手順は以下の通りです:

  1. 新しいExcelブックを作成し、必要なVBAコードを実装します。
  2. ファイル形式を「Excel アドイン (*.xlam)」として保存します。
  3. アドインをテストし、必要に応じて修正します。
  4. アドインを配布する際は、インストール手順書を作成します。

アドインの配布とインストールに関する注意点:

  • アドインファイル(.xlam)を適切な場所(例:C:\Users$$ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\AddIns)に配置するよう指示します。
  • Excelの「オプション」→「アドイン」でアドインを有効化する手順を説明します。
  • セキュリティ設定によっては、マクロを有効にする必要がある場合があります。

アドインの機能を拡張する例:

' カスタムリボンのXMLコード(別ファイルとして保存し、アドインに関連付ける)
<customUI xmlns="http://schemas.microsoft.com/office/2009/07/customui">
  <ribbon>
    <tabs>
      <tab id="customTab" label="カスタムアドイン">
        <group id="customGroup" label="機能">
          <button id="customButton1" label="機能1" imageMso="HappyFace" size="large" onAction="機能1を実行"/>
          <button id="customButton2" label="機能2" imageMso="AddInManager" size="large" onAction="機能2を実行"/>
        </group>
      </tab>
    </tabs>
  </ribbon>
</customUI>

' VBAコード(標準モジュール)
Public Sub 機能1を実行(control As IRibbonControl)
    MsgBox "機能1が実行されました。", vbInformation, "カスタムアドイン"
End Sub

Public Sub 機能2を実行(control As IRibbonControl)
    MsgBox "機能2が実行されました。", vbInformation, "カスタムアドイン"
End Sub

このコードは、カスタムリボンを使用してより洗練されたユーザーインターフェースを持つアドインを作成する方法を示しています。XMLファイルでリボンの構造を定義し、VBAコードで各ボタンの機能を実装します。

アドインの開発では、以下の点に注意することが重要です:

  1. ユーザビリティ:直感的で使いやすいインターフェースを設計する。
  2. エラー処理:堅牢なエラー処理を実装し、予期せぬ状況でも適切に動作するようにする。
  3. パフォーマンス:大量のデータを扱う場合は、効率的なコードを心がける。
  4. ドキュメンテーション:使用方法や機能の説明を含む詳細なドキュメントを提供する。
  5. バージョン管理:アップデートの際に混乱が生じないよう、適切なバージョン管理を行う。

アドインの開発と配布は、ExcelのVBAスキルを次のレベルに引き上げる素晴らしい方法です。ユーザーのニーズに合わせたカスタムツールを作成し、生産性を向上させることができます。

以上で、Excel VBAの15章にわたる詳細な解説を終わります。この情報が日本語でのExcel VBAプログラミングの学習に役立つことを願っています。実践を通じてさらなるスキルアップを目指してください。

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