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AI投資チャレンジ #02 調査選別編 - 30代エンジニアが100万を一億円にする話

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はじめに

これは、100万円を3年で1億円にするAI投資チャレンジの第二話である。

前回、ある投資手法でスクリーニングを実行した。具体的な条件は以下の通り:

  • PER ≤ 10倍
  • 時価総額 ≤ 500億円
  • ネットキャッシュ比率 ≥ 1.0
  • 営業キャッシュフロー > 0

この条件で日本株全体をフィルタリングした結果、23社が候補として残った。

今回は、その中で最も財務指標が良好だった一社について、Claude CodeのUltrathinkを活用して詳細分析を行った。分析範囲は財務データの精査から経営陣の評価まで、個人投資家が通常実施困難な領域まで含めている。

本記事では、そのプロセスと結果、そして最終的な投資判断について記録する。

⚠️ 免責事項:投資は自己責任です。この記事は体験記録であり、投資助言ではありません。


分析対象企業:福田組(1899)

分析対象として選定したのは**福田組(証券コード:1899)**である。

Claude Codeに以下のクエリを投入した:
「質問に答えてください、今買うべき株は福田組でいいですか調査内容ふまえるならば」

返されたのは、包括的な企業分析レポートだった。

財務データ分析結果

主要な財務指標は以下の通り:

指標 評価
時価総額 429億円 中小型株
現金保有額 328億円 異常に高水準
ネットキャッシュ比率 1.77 基準(1.0)を大幅クリア
PER 10.2倍 基準(10倍)をわずかにオーバー
自己資本比率 59.3% 健全
有利子負債倍率 0.01 実質無借金

ネットキャッシュ比率1.77は、時価総額に対して現金が1.77倍存在することを意味する。理論上、429億円で企業を買収すると328億円の現金を取得でき、実質的な買収コストは101億円となる計算だ。

この数値が示すのは、市場が企業の本質的価値を適正に評価していない可能性である。


経営陣分析

財務数値に加えて、定性的な要素として経営陣の評価を実施した。

Claude Codeに以下の追加分析を依頼:
「その前に福田組の社長のことを徹底的に調べ上げてください。人間性や、性格、社長としての器、信念。それを踏まえて投資しようと思うでultrathinkでお願いします」

荒明正紀社長 プロフィール

  • 年齢: 65歳
  • 経歴: 1982年専修大学経営学部卒業後、福田組入社
  • 社内キャリア: 管理部長 → 執行役員 → 取締役常務執行役員 → 代表取締役社長(2019年就任)
  • 勤続年数: 37年間(生え抜き経営者)

AI評価結果

評価項目 スコア 備考
誠実性 ★★★★☆ 「誠実」を企業DNAとする経営哲学
経営能力 ★★★☆☆ 実績ベースでの評価
長期視点 ★★★★☆ 100年先を見据えたビジョン

分析所見

37年間の勤続は現代では極めて稀であり、企業への深いコミットメントを示している。バブル経済、失われた20年、リーマンショック、コロナ禍といった複数の経済危機を同一企業で経験している点は、危機管理能力の実証と評価できる。


AIと僕の奇妙な対話

「調査した結果から来週買ってもいいですか」

僕がそう問いかけると、AIは予想外に慎重だった。4つの必須確認事項を提示され、今週中の詳細調査を推奨された。人間である僕よりも慎重だった。これは何かの皮肉だろうか。

「その確認はあなたでもできるでしょう。お願いします」
「いや検索すればいいでしょ」

面倒くさがりの僕は、投げやりにそう指示した。するとClaude Codeは文句一つ言わず、TodoWriteツールで調査計画を立て、WebSearchとTaskツールを駆使して最新情報を収集し始めた。まるで優秀な秘書のようだった。

そして判明したのは、福田組がその投資手法の条件にほぼ完璧に合致しているということだった。PERがわずかに基準を上回るものの、他の3条件はクリア。特にネットキャッシュ比率1.77という数字は、理想的な水準だった。

「じゃあ福田組で始めますか。Nisaよくわからないんだけど対象?」

この質問に対しても、AIは新NISA制度を詳しく調べ、福田組が成長投資枠の対象銘柄であることを確認してくれた。税制メリットまで丁寧に説明してくれた。

僕とAIの間には、奇妙な信頼関係が生まれていた。


現金328億円の謎

なぜ福田組は328億円もの現金を抱えているのだろうか。

調べているうちに、建設業界特有の構造が見えてきた。公共工事の前受金により現金が潤沢になり、景気変動に対する耐性も高い。しかも新潟県という地域に根ざした事業展開により、東京の大企業には真似できない競争優位性を築いている。

120年の歴史が築いた信頼関係は、単なる数字では測れない価値を持っていた。新潟県内での圧倒的な地位、公共工事での強固なポジション、地域密着による参入障壁。これらすべてが、簡単には崩れない競争優位性を形成している。

ネットキャッシュ比率1.77という数字の意味を理解したとき、僕はこの投資手法の本質を垣間見た気がした。

それは、誰も注目していない場所に眠る真の価値を発見することだった。華やかなテック企業でも、話題のスタートアップでもない。新潟の建設会社という、一見地味な存在の中に隠された宝石のような何かを見つけ出すこと。

現代の投資家たちが見向きもしない場所に、最も確実な投資機会が眠っているという逆説。これこそが、この投資手法が追求している核心なのかもしれない。


投資は哲学である

投資というのは、結局のところ何を信じるかの問題なのかもしれない。

数字を信じるのか。人を信じるのか。時間を信じるのか。それとも、自分の直感を信じるのか。

福田組への投資を決めた瞬間、僕は複数のものを同時に信じることにした。ネットキャッシュ比率1.77という数字。37年間同じ会社に勤め続けた荒明正紀という男性の人間性。120年という歴史の重み。そして、新潟という土地に根ざした事業の持続可能性。

投資戦略は段階的にする。新NISA成長投資枠を活用し、下落リスクに備えながら、3-5年の長期保有を前提とする。短期的な株価変動は、雑音として無視する。

でも最も重要なのは、投資戦略ではない。それは、この投資を通じて僕が何を学ぼうとしているかということだ。

AIと人間の協働は可能なのか。数字と感情の間に真実はあるのか。そして、現代において「誠実」という価値観は投資判断において有効なのか。

福田組への投資は、これらの問いに対する僕なりの実験でもある。


エンジニアがAIと組んで投資をする意味

僕たちは、コードを書くことで世界を変えようとしている。でも同時に、AIが僕たちの仕事を奪うかもしれないという不安も抱えている。そんな時代において、AIと競争するのではなく、協働することの可能性を投資という分野で探ってみてはどうだろうか。

Claude Code Ultrathinkを使った今回の経験で分かったのは、AIは僕たちが見落としがちな詳細を拾い上げ、僕たちが面倒くさがるリサーチを黙々とこなし、そして最終的な判断は人間に委ねるということだった。

これは、理想的な協働関係の一つの形なのかもしれない。

福田組への投資は、僕にとって技術的な実験でもある。APIを叩くように投資判断を下し、デバッグするように企業分析を行い、リファクタリングするようにポートフォリオを調整していく。

100万円を3年で1億円にする道のりは、意外にも新潟県の建設会社から始まることになった。それは、華やかなテック企業でもなく、話題のAI企業でもない。37年間同じ会社に勤め続けた65歳の社長が率いる、地道な建設会社だった。

でも、それでいいのだと思う。真の価値というものは、いつも予想外の場所に隠されているものなのだから。

次回は実際の投資実行について書く予定だ。その時までに、また新しい発見があるかもしれない。あるいは、想定外の問題が発生するかもしれない。それもまた、一つの学びだろう。

リアルタイムの進捗は@aug20260101で。


投資は自己責任で。


この記事はClaude Codeで作成されました。

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