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Pythonを使用したABテストの実施の流れと前提になる統計学の知識

Last updated at Posted at 2024-02-11

概要

この記事では、Pythonを使用したABテストの実施の流れと前提になる統計学の知識について書く。

前提

Webメディア

  • ユーザーと店舗が存在するWebメディア。ex. 食べログ
  • ユーザーはデバイスのIDによって識別される。ex. デバイスID:789836968368はAさんを表す。
  • 店舗は店舗IDによって識別される。ex. 店舗ID:519836968368はa店を表す。

データ

こんなデータがあるとする。

  • device_idはデバイスID
  • shop_idは店舗ID
  • groupは1がA群(施策を打った群)、0がB群(施策を打っていない群)。
  • cv_flgはcvすれば1、そうでなければ0
  • ユーザー・店舗間のCVは独立である。
    • この状態は、例えば以下のような事象が独立であるような状況である。
    • ユーザーAさんがa店をCVする。
    • ユーザーAさんがb店にCVする
    • ユーザーBさんがa店にCVする。

課題

  • groupごと(A群B群ごとの)のCV数を比較して、施策を打った群でCV数が多かったのか、同じぐらいか、少なかったのかを特定したい。
  • もし多かったのであれば、有効な施策として認識し、必要なタイミングで打ちたい。

分析方針

  • A群・ユーザー・店舗数あたりCV数とB群・ユーザー・店舗数あたりCV数を比較して、その差が統計的に有意であるかどうかを判断したい。
  • ~あたりCV数は比率であるため、2つの母比率の差の検定を使用したい。

2つの母比率の差の検定は使用できるのか?

  • 2つの母比率の差の検定が前提としているのは、shop_id・device_id単位でのcv_flgがベルヌーイ母集団から得られたサンプルであること。

ベルヌーイ母集団

  • ベルヌーイ確率変数による集合。
  • ベルヌーイ確率変数とは、0か1を取る変数でかつ1を取る確率がp、0を取る確率が1-pであるような変数のこと。
  • この変数が互いに独立であるような集合がベルヌーイ母集団。

cv_flgの集合はベルヌーイ母集団か?

  • ユーザー・店舗間のCVは独立であると仮定しているので、ベルヌーイ母集団。
  • note: 実際には、あるユーザーAがある店舗aをCVするなら、bもCVするという事象や、あるユーザーAがある店舗aをCVするなら、あるユーザーBもある店舗aをCVするといったように、ユーザー・店舗間のCVは相関するケース、即ち独立でないケースが多い。

どんな仮説を立てると良いのか?

  • 帰無仮説
    • A群・ユーザー・店舗数あたりCV数をp1、B群・ユーザー・店舗数あたりCV数をp2とおき、それらが等しくないとする。
  • 対立仮説
    • それらが等しい。

検定統計量・その分布は?

  • 2つの母比率の差の検定は平均値の差の検定と同様のプロセス。参考:統計学 改訂版
  • この検定においては、A群・B群の分布が以下に従うと仮定する。参考:正規性の確認
    • A群の母分布~N(μ_A, σ^2)
    • B群の母分布~N(μ_B, σ^2)
    • このとき、共通な分散σ^2はS^2と推定する。
  • 検定統計量は以下のようになる。
  • T = (XA平均 - XB平均) / (S√(1/m) + (1/n))
  • 参考:4.平均値の差の検定(2標本のt検定)
  • mはA群のサンプルサイズ、nはB群のサンプルサイズ。

母比率の差の検定統計量・その分布は?

  • 平均の差の検定に考えてきたが、元々は母比率の差の検定。
  • ベルヌーイ確率変数の分散S^2は以下。
  • S^2 = p(1-p) 参考:ベルヌーイ分布
  • pを以下のように推定する。
  • p^ = (ΣXA + ΣXB) / (m + n)
  • とすると母比率の差の検定統計量は以下のようになる。
  • Z = (XA平均 - XB平均) / √p^(1-p^)√(1/m) + (1/n)
  • 参考:比率の検定・独立性の検定
  • Zの分布は観測個数が十分大きければ、帰無仮説の下で標準正規分布に従うことがわかっている。参考:サンプルサイズの設計と検出力分析

どう統計的に判断するか?

  1. 帰無仮説を確認する ex. p1 = p2
  2. 有意水準を定める ex. α = 0.05
  3. Zを計算する
  4. Zが棄却域に含まれるかどうかを確認する
  5. 含まれていればp1 = p2ではない、即ちp1 > p2で施策は有効と判断できる。
  6. 含まれていなければp1 = p2ではない、即ちp1 > p2で施策は有効と判断できる。

Pythonでどのように実装する?

データ

実装

参考資料

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