はじめに
本記事では、AWS Marketplace で提供されている AMI を使用して、BIG-IP ロードバランサーのインスタンスを作成し、Web UI にログインするまでの手順を紹介します。
検証目的のため、最低限のスペックで構築しています。作業を始める前に、パブリックサブネット上にある EC2 インスタンスへアクセス可能な VPC(VPC・サブネット・ルートテーブル・インターネットゲートウェイの設定済み)を用意しておいてください。
BIG-IP インスタンス作成手順
インスタンスの起動
1.AWS マネジメントコンソールにログインし、[EC2] → [インスタンスを起動] を選択する。
2.以下の通りインスタンスの起動設定を行う。
■ アプリケーションおよび OS イメージ (Amazon マシンイメージ)
・「その他のAMIを閲覧する」
・「AWS Marketplace AMI」タブから以下を検索・選択
F5 BIG-IP Virtual Edition - GOOD (PAYG, 25Mbps)
※ PAYG(従量課金制) 方式の AMI を使用します。2025年4月現在、1時間あたり約 $0.33 の課金が発生します。
「BYOL(Bring Your Own License)」方式の AMI も選択可能ですが、F5 ライセンスを所有していない場合は PAYG を選びましょう。
■ インスタンスタイプ
- t2.medium を選択(最小構成として検証に十分)
■ キーペア
- 任意のキーペアを選択、または新規作成
■ ネットワーク設定
- 作成済みの VPC・サブネットを選択
- 自動割り当てパブリック IP を有効化
■ セキュリティグループ
- 新規作成または既存グループを選択し、以下のインバウンドルールを設定
- TCP 22(SSH)
- TCP 443(Web UI)
- TCP 8443(デフォルトの Web 管理ポート)
■ ストレージ
- デフォルトで 41GB以上 が割り当てられます。必要に応じて変更可能です。
■ その他
- その他の項目はデフォルトのままで問題ありません。
3.設定完了後、「インスタンスを起動」ボタンをクリックして作成します。
→ 初回起動時は、約6分程度の初期化時間がかかります。
BIG-IPインスタンスへのSSHログイン
1.TeratermなどのSSH クライアントから作成した BIG-IP インスタンスに接続する。
→ ユーザー名「admin」として キーペアで選択したSSHキーを使用してログインします。
2.ログイン後、tmsh コマンドで管理者パスワードを変更します。これは Web UI にアクセスする際に使用するパスワードです。
# modify auth user admin password save sys config
BIG-IP Web UI へのアクセス
ブラウザで以下の URL にアクセスし、Web 管理画面にログインします。
https://[インスタンスのパブリックIP]:8443
※ インスタンスに複数のネットワークインターフェースがある場合は、以下のURLを使用する場合もあります。
https://[eth0 の IP アドレス]:443
おわりに
以上、AWS Marketplace の AMI を使用して F5 BIG-IP インスタンスを作成し、Web UIにログインするまでの一連の手順を解説しました。