日々の業務で「どうすればより価値ある品質保証ができるのか?」と悩むことはありませんか?
今回は、よくビジネスや開発現場で耳にする「イシュードリブン」「タスクドリブン」「ビジョンドリブン」という3つの思考法を、QAエンジニアの立場でどう活用できるか整理してみます。
それぞれの「ドリブン」とは?
まずは用語の整理から。
用語 | 起点・視点 | 主な特徴 |
---|---|---|
イシュードリブン | 重要な課題・論点(イシュー) | 本質的な問題設定からスタート |
タスクドリブン | 作業・タスク | 具体的な作業や手順にフォーカス |
ビジョンドリブン | ビジョン・理想像 | 目指す姿や理想から逆算して判断・行動する |
これらは「段階的な手順」ではなく、それぞれが独立した“思考の起点”です。
QA業務での具体的な使い方
イシュードリブン:本質的な課題を見極める
- 例:「なぜクリティカルなバグが見逃されたのか?」というイシューに着目し、テスト設計や要件定義のプロセス自体に課題を見出す。
-
活用ポイント:
- 表面的なバグ修正だけでなく、プロセスや仕組みの根本原因を深掘りする。
- 「本当に解決すべき問題は何か?」を常に問い直す。
タスクドリブン:作業を具体的に管理・実行
- 例:リリース前にバグ修正タスクをリスト化し、優先順位や担当者を明確にして効率よく進める。
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活用ポイント:
- やるべきことを細分化し、進捗を可視化する。
- タスクの抜け漏れや遅延を防ぐための管理に有効。
ビジョンドリブン:理想の品質像を軸に判断
- 例:「ユーザーに安心して使ってもらえる品質を実現する」というビジョンを共有し、長期的な品質向上施策を提案・実行する。
-
活用ポイント:
- チームやプロジェクトの方向性をブレずに保つ。
- 日々の判断や改善活動の指針となる。
重要なのは「使い分け」と「組み合わせ」
これらの思考法は、どれか一つだけに偏るのではなく、状況や目的に応じて使い分けたり、組み合わせたりすることが大切です。
例えば…
- イシュードリブンで本質的な課題を特定し、
- タスクドリブンで具体的なアクションに落とし込み、
- ビジョンドリブンで理想像を見失わずに進む
といったように、多角的な視点を持つことで、より価値の高いQA活動が実現できます。
まとめ
QAエンジニアの仕事は、単なるバグ検出やテスト実施にとどまりません。
「何を解決すべきか」「どうやって進めるか」「どこを目指すか」という複数の視点を持つことで、本質的な価値を生み出すことができます。
みなさんもぜひ、日々の業務で「イシュードリブン」「タスクドリブン」「ビジョンドリブン」の視点を意識してみてください!
ご意見・ご質問・体験談など、ぜひコメントでお寄せください!