2020/2/5修正: 初期登録キャンペーンが"Give $50, Get $25"から"Give $100, Get $25"に変わったのでクーポンへのリンクを訂正しました。
2019/7/19追記: High Frequency Compute、東京リージョンに来ました。awsの東京リージョンからpingして3ms以下なので確かに日本にあるようです。
はじめに
リソースの限られたプログラマの味方な低価格VPS、DigitalOceanやVultrやAmazon Lightsailといろいろありますが、そのうちの一つVultrに先日'High Frequency Compute'というCPUクロックを高速化したインスタンスがリリースされました。
じゃあどれだけ速くなってるの、というのをざっくり検証してみました。
比較表
さっそく比較表です。
大半は普段自分で使っているインスタンスのためスペックにばらつきがありますがご了承を。並びは月額順。
名称 | 月額費用 | CPU数 | メモリ容量 | SSD容量 | OS | UnixBench | Disk Write 1GB (MB/s) | Disk Read 1GB (MB/s) | Memory Read 100GB (GB/s) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Scaleway ARM64-2GB | €2.99 | 4 | 2GB | 50GB | Ubuntu 16.04 | 363.5, 921.6 | 170 | 351 | 4.3 |
DigitalOcean ($5) | $5 | 1 | 1GB | 25GB | Ubuntu 16.04 | 978.6 | 530 | 949 | 12.5 |
Vultr Compute ($5) | $5 | 1 | 1GB | 25GB | Ubuntu 18.04 | 1000.5 | 325 | 271 | 13.4 |
Vultr High Frequency Compute ($6) | $6 | 1 | 1GB | 32GB | Ubuntu 18.04 | 1384.3 | 930 | 705 | 22.8 |
WebARENA VPSクラウド 2GB | ¥720 | 2 | 2GB | 30GB | Ubuntu 18.04 | 765.0, 1394.0 | 365 | 586 | 11.6 |
Amazon Lightsail ($10) | $10 | 1 | 2GB | 60GB | Ubuntu 16.04 | 1184.8 | 67.7 | 68.0 | 15.6 |
測定結果から
Vultr High Frequency Computeの$6インスタンス、CPUもSSDもメモリもすべてが高速です。
従来の$5インスタンス比で、UnixBenchで4割弱アップ、Disk R/Wがほぼ3倍速、メモリ速度も7割増し。しかもSSD容量も増えています。
SSDのReadのみDigitalOceanに負けてますが、UnixBenchに至っては1CPUでWebARENAの2CPUとほぼ同等のスコアを出しています。
これでメモリ1GBなら月6ドル、しかも必要なときだけ上げてスナップショットを取って捨てる、後でスナップショットから復活、という使い方をすれば一回数セントに収めることも可能です。
ScalewayのARMインスタンスは実質ラズパイ程度なので全体に遅いのはしょうがないのですが、Disk I/Oでそれにも負けるAmazon Lightsailの遅さは一体。
なおLightsailの実態はほぼawsのEC2 t2インスタンスなのですが、後継のt3インスタンスであれば倍以上の速度は出ます(それでもReadはScalewayの半分程度)。
WebARENA VPSクラウドは月額720円(+税)でまがりなりにも2CPU, 2GB memoryと一見おいしい仕様なのですが、実運用で少々難があります。ここで上げている他のインスタンスはすべて「上げてちょっと使ってすぐ落とす」なら数セント~数十セントの課金で済むのですが、これだけは「インスタンスの作成の有無にかかわらず、メニューの料金は発生します」という仕様のためかならず月720円発生し、スポット的に使う場合には選択肢から外れます。さらにネットワーク帯域が100Mbit/sに絞られています。
しかし残念なことに、
このVultrの高周波数インスタンス、今のところ使えるリージョンがニューヨークだけなのです。
これが東京リージョンに来たら、いくつかのVPSから引き上げることを視野に入れています。
2019/7/12追記: 現在、高周波数インスタンスを選択できるリージョンはUSの6リージョンとアムステルダムの計7リージョンまで増加しています。東京に来る日も意外と近いかな?
2019/7/19追記: High Frequency Compute、東京リージョンに来たのでとりあえず稼働を確認しました。
さてWebARENAあたりを解約かな。
測定手順
Disk Read / Writeは以下の手順で測定(要sudo)。
echo 3 > /proc/sys/vm/drop_caches
dd if=/dev/zero of=tempfile bs=1M count=1024 conv=fdatasync,notrunc
echo ""
echo 3 > /proc/sys/vm/drop_caches
dd if=tempfile of=/dev/null bs=1M count=1024
rm tempfile
echo 3 > /proc/sys/vm/drop_caches
Memory Read 100GBは以下の手順で測定。
dd if=/dev/zero of=/dev/null bs=1024K count=100000
リンク
Vultrは定常的にクーポンコードを発行していて、今( '2019/6 '2021/10)現在は "Give $50, Get $25 Give $100, Get $35"という 大盤振る舞いな キャンペーンが行われています。以下のバナーからサインアップすると $50 $100分のクーポンが有効になり、しばらくただで色々試せます。
(その上でサインアップしたユーザーが30日以上使用しかつ35ドル以上支払えば私へのペイバックがありますが、なにしろ $50 $100分が無料なのでまず発生することはないでしょう)