この記事はZOZO Advent Calendar 2024 シリーズ10 の 8日目の記事です。
こんにちは。あっすーです。
株式会社ZOZOで、エンジニア部門全体を支援する部署に所属しています。
業務内容はさておき、
最近はバックオフィスチームが通常業務を効率化するためのアプリ設計・開発を行っています。
どのように歩み寄って開発を進めているのでしょうか(現在進行形)。
今回はそこで実践してきたことの振り返りをします。
🎄🎄🎄🎅🎁🎄🎄🎄
1. はじめに:なぜ開発をすることに?
私の所属は【エンジニア支援をするが開発知識はない、開発部門のバックオフィスチーム】です。
私だけ開発経験のあるエンジニア出身、他メンバーは事務経験に長けています。
そのため、「せっかく開発部門なのに、業務が何だかいけてないな...」と思うことが少々あります。
組織が拡大していく中で、いけてない業務は定期的な見直しが必要です。
課題として上がっていた Google Spreadsheetでのマスタ管理業務を他システムへ移行しDB管理する ためのアプリ設計・開発を行うことになりました。
発案時点での構図は以下となります。
👩🏻 ユーザー:バックオフィス業務を行うチームメンバー(社員/パート)10名程度
👩🏻 設計開発:自分
2. 大切にしたこと
一番は、移行によりバックオフィス側の現業務よりも面倒にならないことが重要です。
ありがちな「システム導入したら入力が面倒で触らなくなった」は絶対に起きてはいけません。
何のために導入するか、どんな使い勝手なら日々の業務に溶け込みそうか。
ユーザー(使い手)の気持ちを第一に寄り添います。
まずはそこからだと考えました。
3. 気持ちを知り、相談に乗る
「どんな使い勝手なら日々の業務に溶け込みそうか」を考えるための土台として、現在の運用で困っていること、付随する業務フローをヒアリングします。
現場からポコポコと出てくる気持ちや意見を オンラインホワイトボード miro で画面共有しながらリアルタイムに付箋で貼り付けることで、課題を相違なくヒアリングすることができました。
4. 運用・定義をフローチャートで見える化
バックオフィス業務はマニュアル化されているものが多くあります。
しかし個々のタスクはマニュアル化されているものの、全体感をフロー図に落とし込んでいなかったのです。
これまでの運用・業務の関係性を一緒に見える化し、今後の運用ではどう改善できると効率的になるか?を一緒に考えます。
上記のように、一緒に考える流れを作ることの利点があります。
「バックオフィス側の要望を全部受けるのではなく、改善に向かうよう並走する」立場として開発側が存在することをお互い認識する。それが現時点でも今後のためにも役立っていると感じました。
5. システム導入のメリットを丁寧に伝える
導入を気持ちよく進めるための土台作りです。現状の課題だけでなく未来への期待を込めます。
❌「そうやって入力していたからデータが変になるんですよ」
⭕️「今後はこういう流れで入力をサポートできると良いですね」
少しの言い回しの違いで、システムに興味を持ってもらいやすさ・案件の進行具合が変わると考えました。
併せて、移行により「自動取得できる」「変更ログが残せる」などの利点も伝え、役立つ箇所があるかどうかの認識合わせをします。
そしてある程度、ユーザー側から「叶えたいこと」の意見が出てきたら設計開発フェーズに入りました。
6. パーティメンバーを増やす
途中から、システムが想定より大規模で使われることが想定されたため、ユーザー範囲の拡大を想定して設計変更しました。
一人では重荷であるため、プロジェクト関係者を増やしていきます。
【設計前の想定】
👩🏻 ユーザー:バックオフィス業務を行うメンバー(社員/パート)10名程度
👩🏻 設計開発:自分
【変更後】
👩🏻 ユーザー:バックオフィス業務を行うメンバー(社員/パート)10名程度 + 社内の様々な立場の方
👩🏻 設計開発:自分 + チームメンバー1名(非エンジニア)
運用の汎用化を考えながら導線制御をする場面では、バックオフィス側の知識が役立つことが多くありました。
パーティメンバーを増やしたことで業務知識が集まり、ありがたく参考にさせていただきました。
7. 未経験のシステムでアプリ開発するために✏️
実は今回の開発は、これまでに経験がなかったシステム上でのアプリ開発でした。
逆にチーム内でエンジニアが不在のため、心置きなく情報収集することができ、外部コミュニティもどんどん活用しました。
行動したことはざっくりと以下の通りです。
・社内にいる唯一の知見者にとにかく相談
・テストアプリでトライ&エラーを繰り返す
・公式ドキュメントを読み漁る
・公式チャットサポートをフル活用する
・公式が本社で開催する勉強会・事例紹介に何度も参加
・ユーザーコミュニティ会(オフライン・オンライン)に参加
(余談)
途中で関東 → 関西へ引っ越してしまいましたが、都内のイベントに快く出張を許してくれた上司には感謝しきれません。
都内にいると本当オフラインイベントに恵まれている......。
8. これから
得られた開発知見を全社向けに資料化し、民主的に業務アプリを作れる未来 のきっかけになると良いなと思っています。
外部のユーザーコミュニティでは、珍しい育成事例として取り上げていただけて、非エンジニアの方々から質問をいただくようになりました。
今後コミュニティの活性化にも貢献できると嬉しいですね。
バックオフィス業務はまだまだ改善できることが多いので、パーティを成長させて頑張っていきます!