概要
Anacondaが商用有償化した中で、Windows上のpython開発環境はどうしたら良いか、色々確認してみたら、結局はシンプルな答えに落ち着いたって話。
Minicondaの採否
Anacondaの代替策として、minicondaを紹介しているWebページは、見た。
でも、レポジトリの設定を変更しなければ、有償化の対象になるようだし、その設定変更までするのが面倒って考えた。
数値計算が高速化されていることを求めないなら、minicondaじゃなくて良い、と考えた。
Python本体のインストール
なるべく新しい版が使いたいこともあり、www.python.orgからダウンロードしてきたものをインストールすることとした。
インストール時に、環境変数pathに追加するかのチェックボックスがあるが、これは好みでどっちでも良い。
他にインストールしているpythonが無かったりするなら、チェックをONにすれば良い。
pathに追加しなかった場合には、最近のバージョンに同梱されているpyコマンドを使って、指定の版のpython.exeを起動しても良いし、インストールしたものの実行ファイルのディレクトリーを一時的にpathの先頭に追加する下記の様なバッチファイルを用意して使っても良い。
set path=C:\Users\USERNAME\AppData\Local\Programs\Python\Python310;C:\Users\USERNAME\AppData\Local\Programs\Python\Python310\Scripts;%path%
proxy設定
現状なぜか、proxyの指定をpipコマンドの引数で指定してもうまくいかないようだ。
解決方法は他の人も書いているように、環境変数でproxyのアドレスを指定すれば良い。
pipを使う度に入力するのは面倒なので、下記の様なバッチファイルを用意して、必要に応じて実行すれば良い。
set HTTP_PROXY=http://123.4.5.6:8080
set HTTPS_PROXY=http://123.4.5.6:8080
Spyderのインストール
Anacondaを使いたい人のその理由の一つは、開発環境としてSpyderを使いたいから、という場合も多いだろう。
spyderのサイトから、インストール用のファイルをダウンロードして、それでインストールしてみたんだが、ちょっと古いpython.exeが同梱されていた。
別途インストール済みのpython.exeをspyderで使うように指定することは可能なんだが、そうするとそっちのpython.exeに対して、spyder関連のモジュールのインストールが必要であった。
なので、インストール済みのpython.exeに対して、pipコマンドでspyderをインストールすることにした。
Spyderのwebサイトには、pipでインストールするのは良く分かった人だけにしろ、的なことが書いてあったが、特に問題は無かった。
下記コマンドでインストールし、pythonの実行ファイルのディレクトリーに入った、sypder.exeを右クリックして「スタートメニューにピン留め」とでもしておけば良い。
pip install sypder
Jupyter Notebook, Jupyter labのインストール
pythonの実行環境としては、jupyterも使いたい。
これも関連モジュールと合わせて、pipでインストールした。
pip install numpy pandas jupyter jupyterlab
jupyter labの起動用のバッチは、下記のようなものを用意しておけば良い。
ここでは、開かれるフォルダーを指定するため、そこにcdした上で、jupyter labを起動している。(configで開くフォルダーを指定している場合は、そちらが優先されると思われる。)
set path=C:\Users\USERNAME\AppData\Local\Programs\Python\Python310;C:\Users\44277\AppData\Local\Programs\Python\Python310\Scripts;%path%
cd C:\Users\USERNAME
C:\Users\USERNAME\AppData\Local\Programs\Python\Python310\Scripts\jupyter.exe lab
MeshMagickのインストール
python開発環境としては、MeshMagickは不要だが、ちょっとひっかりかけたので、他のプログラムでも同様の場合があるかも知れないので、簡単にだけ。
MeshMagickのインストールの失敗例は、検索するといくつか出てきて、minicondaを使ってくれ、と回答されている。
但し、MeshMagickのインストール方法の説明ページに書かれている方法を、少し修正してPython 3.9環境で実行すれば、問題なくインストール出来た。
これは、安易にminicondaに逃げる必要は無い、という実例だ。
よくよく調べると、現時点(20022/4/19)ではVTKモジュールのPython 3.10対応版がpip用のものは提供されておらず、conda用には提供されているが一番の原因のよう。(MeshMagicの場合は3.9環境で通常のpipでうまくいかないという問題もあるが)
フリーのFEMやシミュレーションなどのソフトで、pythonベースでvtkモジュールを使っているもの(Salomeなど)は同様にpython 3.10環境では、通常の方法ではうまくいかない可能性があると思われる。
まとめ
結局のところ、www.python.orgからインストーラーをダウンロードして実行したら、後はpipで入れていけばいいってだけになった。
こんな風で済んだのは、pythonのwindowsへの対処が進んできた結果だと言えるので、関係者には感謝です。