概要
「イシューからはじめよ」という有名な本を読んだ感想を述べていく。
内容としては全部で5章の内容が記載されており、(序章も含めると6章)
本の厚さ的には全部で241ページと普通くらいの厚みを持った内容量でした。
時間さえ取れればまとめて読み終わることが可能な範囲です。
今回は各章の中で自分にとって良いと思ったトピックをまとめていきます。
割愛する部分も多いので、詳細は購入してご確認ください。
イシューからはじめよ
序章
バリューのある仕事とは何か?
筆者はここでバリューのある仕事とは何かと問いかける。
回答としては、「意味のある仕事」だと述べていた。そしてその「意味のある仕事」の本質は2つの軸から成り立っていると言う。
「イシューの質」と「解の質」である。
イシューの質とは?
ここで言うイシューの質とは、「自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ」のことであると筆者は言う。
確かに、仕事をしているとつい与えられた仕事や割り振られた仕事のみを粛々とこなしていくことが多いが、この問題の答えを出す必要性まで考えてこなかった。そう言う意味では、自身の行動を振り返る良い問いだと感じた。
解の質とは?
「そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い」のことだと述べている。
なるほど、「明確な答えを出す」という行動こそ、最も抜け落ちていた感覚だと思い直す。
イシューに対してどこまで考えられるのかということは、考えもしなかった。冒頭でも筆者は「悩む」のではなく「考えろ」と言っていたが、その通りで「考え続ける」頭で答えを出そうとすることが大切だと感じた。
根性に逃げるな
日本人あるあるなのかわからないけれど、どうしたって「根性論」は根強い。
時間をかければ良いんだ。それが全てだと言わんばかりに押し付けが暗黙的に存在する。私もかつていた会社では、その理論に基づき仕事を進めていた。
しかし、筆者は言う。
労働時間なんてどうでもいい、価値のあるアウトプットが生まれればいいんだ。たとえ1日に5分しか働いていなくても、合意した以上にアウトプットをスケジュール通りに、あるいはそれより前に生み出せていれば何の問題もない。
まさに目から鱗の文章だった。
この概念を念頭に、この先仕事をしようと思ったほど自分の中の何かが崩れ去っていった。それほど衝撃的だった。
第1章 イシュードリブン
イシューを立てるにあたり、何よりも「言語化する」ことこそ、まず第一に大切なことだと述べている。
概念をきちんと定義化するにはまず言語化することが求められるのはその通りだとも思った。
自分の考えが頭の中にあるだけではまだ半分しか完成していないといっても過言ではない。言語化してはじめて自分の中の概念と向き合い、客観的に判断できるようになると私も経験したことがあるからだ。
良いイシューの3条件とは?
ここで、良いイシューの3条件を筆者が提示している。
①本質的な選択であること
②深い仮説があること
③答えを出せること
①の「本質的な選択であること」とは、本当にそこから答えを出すべきかを考えるとあった。
また次のように述べている。
イシューとは「今、答えを出さなければならないこと」
今、本当に答えを出す必要があるのか、改めてその問いを自分に投げかけることが、良いイシューの1つ目の条件だった。
その他②、③については割愛します。
第2章 仮説ドリブン①
イシューを立て終えたら、次にストーリーを組み立てる必要があると筆者は述べている。
そのストーリーの立て方は、イシュー起点で行うものとし、一連の流れは以下に記している。
①イシューに関するデータを集めまくる
②データが出尽くした段階でその意味合いを考える
③分解したイシューに基づいて、ストーリーラインを組み立てること
また、この章の中で述べていたストーリーラインの組み立て方は2種類あると述べていた。
それが以下2つのことだった。
①WHYの並びだて
②空・雨・傘
読んだ当初、何のことを言っているのかわからなかった。
けれど、読み進めるうちに、なるほど並び立てる手段が2種類あるのかと理解した。
第3章 仮説ドリブン②
この章ではストーリーラインを作成するにあたり、作成すべき絵コンテについて深掘りしている。
絵コンテとは?
「ストーリーラインや個々のサブイシューに対して必要な分析・検証をまとめたもの」と筆者は説明している。
さらに詳しく言うと、「イシューを分解して並べたストーリーラインに沿って、必要な分析のイメージを並べていったもの」である。
この絵コンテを描く時のポイントは、大胆に思い切りよく描くことらしい。
絵コンテ作りの3ステップ
①軸の整理
ここで言う軸とは「分析の縦と横の広がりのこと」と述べており、分析には適切な比較軸が必要とも述べている。
その軸を整理する必要があるとのことだった。
②イメージの具体化
数字が入ったチャートを細かく記載していく必要があると述べていた。
ただし、細か過ぎても全体が見えなくなるので注意が必要らしい。
③方法の明示
どうやってデータを取得するのか、どうデータを切り分けて見せていくのか、そこを考えることが3ステップ目だと述べていた。
以上が絵コンテづくりには必須条件と述べている。
第4章 アウトプットドリブン
実際にアウトプットをする時の注意などをこの章には載せていた。
というのも、冒頭に「いきなり飛び込まない」と記載があったからだ。
上の「いきなり飛び込まない」とは即ち「いきなり分析や検証の活動を始めない」とのことだった。
考える時、まず「答えありき」ではないことを念頭に入れる必要があると述べており、仮に答えがある前提で進めてしまうと、自分たちの仮説が正しいと言えることばかり集めてしまい、本当に正しいのかの検証をしなくなることへの警鐘を鳴らしている。
私たちは公平に、フェアな姿勢で検証する必要がある
文章を読み終えて、自分が間違っていると疑ってかかるくせを忘れないようにしようと感じた。
第5章 メッセージドリブン
最後に、筆者から私たちへのメッセージが記載されている項目でした。
特に刺さったのは以下の教え
デルブリュックの教え
ひとつ、聞き手は完全に無知だと思え
ひとつ、聞き手は高度の知性を持つものと想定せよ
聞き手が「賢いが無知」ということを前提に、発表を全面に押し出すことが鍵だと筆者は述べている。
また、筆者がある教授に言われた大切な教えが、私にも刺さった。以下引用する。
「どんな説明もこれ以上できないほど簡単にしろ。それでも人はわからないと言うものだ。そして自分が理解出来なければ、それをつくった人間のことを馬鹿だと思うものだ。人は決して自分の頭が悪いなんて思わない」
エンジニアとして働いていると、できるようになったことが嬉しくてつい忘れがちになるけれど、わかっていないことだって勿論存在する。
何ならわからないことだらけだ。そんな中、相手にわかるような言葉で話せているのだろうか、と自分自身に問いかけることが改めて必要だと感じた。
他にも数々の言葉があり、その全てが自分の糧になることを感じることが出来た1冊でした。
名著と言われる所以を身をもって体感したので、改めてまだ読んでいない方にぜひおすすめしたいです。
以上、読んでみた感想でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。