QualiArts Advent Calendar 2020 8日目の記事になります。
初めまして。バックエンドエンジニアの朝倉が、QualiArtsのQUBEという取り組みについて紹介します。
QUBEとは
QualiArtsでは、QUBEというチームを作って「エンジニアの成長が加速し、継続的に事業成果があげられるエンジニア組織」という目標に取り組んでいます。
2019年に4月から活動が始まり、現在、私を含め4名で活動しています。
QUBEの活動とちょうど同じころに、サイバーエージェント全社で技術者の評価制度「JBキャリアプログラム」が始まったこともあり、特に目標設定や技術評価に注力して取り組んでいます。
今回はQUBEで取り組んできたことについて紹介したいと思います。
JBキャリアプログラムの詳細化
サイバーエージェント全社の評価制度「JBキャリアプログラム」では、13のグレード×5つの職能(専門性、戦略性、業務遂行力、オーナーシップ、コミュニケーション)で定義されています。
JBキャリアプログラムはサイバーエージェント全社の様々な事業ドメインや職種、役割を包括した定義となっているため、各エンジニアが具体的な目標設定や評価に落とし込む難しさがありました。
QUBEでは、エンジニアの目標設定や評価のブレを少なくするため、JBキャリアプログラムの定義を踏襲しつつ、QualiArtsの業務内容に即した形で詳細化を行いました。
例えば)
サイバーエージェント全社のJBキャリアプログラムでは、あるグレードの専門性が
「担当領域のベストプラクティスを実践できる」
と定義されています。
QualiArtsでは、上記の定義を踏襲しつつ、
「既にあるものを参考にして2週間ほどの機能追加がフォローありで行える」
「既にあるものを参考にして2週間ほどの機能追加が行える(フォローなし)」
「1ヵ月ほど必要な機能追加が行える。コードレビューで品質を担保することができる」
と詳細化をしています。
目標設定と評価
エンジニアのキャリア実現や能力成長を目的に、職能の目標設定と評価も半期ごとに実施するようになりました。
(QUBEでの取り組みが始まる前から、QualiArtsでは事業成果の目標設定と評価を半期ごとに実施しています。)
職能の目標設定(JB目標設定)では、全社のJBキャリアプログラムの職能を踏襲し、「専門性」「戦略性」「業務遂行力」「オーナーシップ」「コミュニケーション」の目標と半期、中長期のキャリアを技術評価者と設定してもらいます。
JB目標設定から約3ヵ月後に中間面談を実施し、3ヵ月の振り返りを行なっています。この際、プロジェクト異動などミッション変更がある場合は、中間面談で次の3ヵ月の目標を再設定しています。
半期の終わりには、エンジニアと技術評価者で振り返り面談を実施し、半期の成果とその評価のすり合わせを行なっています。サイバーエージェント全社で活動していたり、高度な専門性を判断する必要があるなど技術評価者1名だけで評価が難しい場合は、複数の技術評価者が同席するようにしています。
JB目標設定シートもアップデートを重ね、現在のJB目標設定シートは下記のようになっています。
目標キャリブレーション
各エンジニアに設定してもらったJB目標は、技術評価者で目標のキャリブレーションを行なっています。
目標キャリブレーションは、エンジニアのグレードと職種によってカテゴリ分けして実施しています。
グレードに対する目標が妥当か技術評価者で議論し、必要あれば目標を再設定してもらいます。
目標の精度をあげることによって、よりエンジニアの成長を後押しできればと考えています。
また、技術評価者間で議論することにより、技術評価者の引き出しを増やしたり、判断基準を合わせたりなど技術評価者のレベルアップも目指しています。
評価キャリブレーション
半期の終わりに、技術評価者に職能の評価してもらったあとに、技術評価者による判断のブレやプロジェクト・職種などのバイアスがかかっていないかなどを是正するための評価キャリブレーションを実施しています。
評価キャリブレーションのメンバーは、職種やプロジェクトなどを幅広くカバーできるように選出しています。
技術評価者からの評価内容をもとに、各グレードごとの職能の基準を満たしているかを確認し修正しています。2年ほど前から実施していますが、回数を重ねるたびに各技術評価者の判断基準も統一されてきていて、評価を修正するケースも少なくなっています。
1on1
技術評価者によって1on1を実施している人もいれば、業務上のコミュニケーションのみだったり、技術評価者によって評価者とのコミュニケーションはまちまちでした。
弊社でもリモートワークが増えたことによって、技術者と技術評価者とのコミュニケーションが少なくなり、技術者の状況変化をキャッチアップできなくなる懸念が湧いてきました。そのため、今期から技術者と技術評価者の月1回の1on1をルール化して取り組んでいます。
1on1では、なるべく業務の進捗報告ではなく、目標達成のための課題解決やキャリアの実現などの話をするようにしています。
まだ1on1を始めたばかりなので、これからやり方をブラシュアップしていき、技術者のキャリア実現を後押しできるような取り組みにしていければと思っています。
まとめ
今回は、QualiArtsのQUBEという取り組みを紹介しました。
今後もQUBEでは、「エンジニアの成長が加速し、継続的に事業成果があげられるエンジニア組織」というミッションの実現のため色々取り組んで行こうと考えています。
今後の取り組みについても、機会があれば皆様に紹介していきたいと思います。