留学のススメ
こんばんは。
今回は理系学部留学について書きたいと思います。
ちなみに書いてる人は今日の10時頃に「アドベントカレンダーの進捗が3行なんですけど広義今日って許されますか」なんていうツイートをしていたくらいなのでクオリティはごめんなさい。
自己紹介
EEIC2017で、去年の8月から今年の5月まで、アメリカのカリフォルニア大学バークレーに留学していました。
理系での(実際には留学を始めた時は文系だったのですがそれはおいといて) 学部留学や海外大学での理系の授業について聞かれることが多いので、今回アドベントカレンダーで扱ってみることにしました。
今回はよく聞かれる
- どんな授業があるの?
- 授業以外でどんなことするの?
- ぶっちゃけ理系学部留学って必要?
の三つを中心に書いていこうと思います。
はいここで技術的な話を期待していた方そっとウィンドウを閉じていただけると嬉しいです。
ただ1の項目でいくつか授業に関連した資料のリンクなどもはるので何かの参考になるかもしれません。(かもしれない)
そもそもカリフォルニア大学バークレーって?
カリフォルニアにある州立大学の一つ。
カリフォルニア州立大学系列校はサンディエゴ、サンフランシスコ、サンタバーバラなどにもあるのですが、バークレーが最古(あと大学ランキングが高い)らしい。
コンピューターサイエンス、経済、認知科学etcで世界トップ争いしてる(らしく)在校生のプライドも高め。
もともとは経済学部生だったのと、ちょうど募集時期に◯ークスアプリケーションズのインターン中だったので、経済情報の両方をちゃんと学べる大学、ということでここに決めました。
1. どんな授業があるの
この項では留学中に受講していた(一部聴講)含め簡単に紹介したいと思います。
ちなみにCS61A、CS61Bシリーズはプログラミングの基本やデータ構造、アルゴリズムについてPython, Javaでかなりしっかり学べる内容なので軽く覗いてみると面白いかもです。
今更なんですけどなんでいきなりC言語なんでしょうか弊学科
CS61A The Structure and Implementation of Computer Programing
Python、scheme, sqlを使って基本的なコンピューターサイエンスのコンセプトやコーディングを学ぶ授業。
実はバークレーの中で一番の人気授業で受講者は1000名を超えます。ただ負担のあまりの重さに最終的には600〜700名程度まで減ります。
授業の内容としては前半はEEICのソフトウェア、プログラミング演習と近いと思いますが、後半に行くにつれてオブジェクト指向プログラミングや関数型言語などに比重が移って、より広くプログラミングの概念を教えようとする傾向があるような。
ちなみにこの授業の最終課題はscheme interpreter をPythonで書くというものなのですが、なかなか勉強になるのでもしscheme, Python 触ったことある方がいたらやってみるとも面白いかもです。
Scheme Interpreter Project
参考実装
CS61B Date Structures
CS61Aの後継授業。言語はJava。
よりアルゴリズム、データ構造にフォーカスしたもの。Sort, BST, Stack, Queue, Graphなどそこらへんをがばっと扱います。
ちなみに上記CS61Aと合わせて、これはComputer ScienceをDeclare(進学振り分けの希望を出すみたいなもの)で必須なので、みんな必死。
CS188 Intro to Artificial Intelligence
(授業ページがヒットしなかったのでedXのページへのリンク)
位置付けとしては「Artificial Intelligenceへの導入」となっているものの、パックマンなどのプログラミングを通じて機械学習などにつながる基本的な確率、決定のモデルを学ぶもの(らしい。私は数回聴講しただけなので定かではない)
パックマンのプログラミングなど課題は重そうでしたが結構楽しんでる学生もいたので、この分野に興味をある方は上のedXからビデオを見てみてもいいかもしれません。
(ちなみにLecturerのJosh Hugさんは分かりやすい授業で生徒からとても人気のある先生
CS10 The Beauty and Joy of Programing
EEICの皆さんに紹介したら殴られそうですが、プログラミング未経験の初心者むけにPythonとSnap!(ブロックをドラッグドロップでコードが書けるもの。ゲームなど以外と色々作れます)でプログラミングを教える授業。
CS198 Introduction to Photoshop and Illustration Decal
こちらは大学の提供する授業ではなく、学内のデザイン系の学生団体が運営する生徒主体の授業(東大の主題科目+自主ゼミに感覚は近いんでしょうか)
学生主体と言いつつ授業資料、課題ともかなりしっかりしているので、フォトショイラレのライセンスを持っているけどまだよく使いこなせていない、もっとかっこいいもの作りたいという方は一読をお勧めします。
一通り資料どおりにお手本と同じものを作っていけば基本のフォトショイラレの使い方がマスター出来ます。(あくまで基本)
IEOR185 Social Challenge Lab
授業サイトがヒットしなかった…
これはコンペティション形式の授業で、Social Innovationに関するレクチャーと並行して(生徒はこの講義中は基本内職していますが)、生徒5人くらいでチームを組んでサービスを学期内で一つ開発し(社会問題解決系)、最終日のピッチコンテストでその出来を競うというもの。大学の4単位授業でこういうのあるの面白いですよね。
ちなみに上位入賞チームには景品とスポンサー企業のカンファレンスでのプレゼンター権がもらえます。($300くらいするイベントにタダで参加できるのでとても美味しい)
とりあえずこんな感じで印象に残っている授業だけわーっと紹介しましたが、雰囲気だけでも参考になれば幸いです。
2. 授業以外でどんなことするの?
基本的に授業で鬼のような課題が出るので(でも正直EEICの方がっらぃ)、基本的には平日にまとまって使える時間はないのですが、時間をやりくりクラブ活動、リサーチをこなしている学生も多かったです。
(ちなみに基本的にUCBには4年生でラボに全員加入などの仕組みはありません。なのでリサーチについてはphDを考えている、もしくは就活のレジュメに書くために生徒自ら申し込んで教授と面接→研究チームにジョインというケースが多いようでした)
デザイン、開発系のクラブも数多くありましたが、どこも競争がすごい…
モバイル開発を行うクラブ。
Mobile Developers Berkeley
あとはこんな感じの学期通しての開発コンペなどに出る学生もいたり。
CITRIS MOBILE APP CHALLENGE
あと留学生だとかなり住んでる国際学生寮でのイベントも多く、私もよく参加していました。家賃は高いですが、もはやホテルみたいな。
UCBerkeley International House
某大学の三鷹寮はなんだったのか...
こんな感じで学期は忙しいけど以外とクラブとかリサーチとかもできて楽しかったです。ちなみにあっちでよく言われた言葉が「3S(Sleep, Social, Study)」で、ジェダイじゃない限りこの三つは両立できないよね、でも睡眠犠牲にすれば後の二つなんとかなるよね(ゾンビ)、という考え。
EEICでも使えそうですね(はーと)
3. ぶっちゃけ理系に必要?
はい、多分一番大事なやつですね。
個人的な答えとしては「マストではないけど、BBA扱いを気にしないならアリだと思う」です。
以下簡単な理由。
(B2の独断と偏見によるものなのでん?と思っても流していただけると嬉しいです...)
- 授業面白いよ!!
- 英語力はつくよ!!
- 生命力とトラブルシューティング能力はつくよ!!(ないと死ぬ)
- (カリフォルニアとかだと)エンジニアとして海外就職を考えるならやっぱりテック企業を知る機会は多いよ!!
- っょぃ教授のRecommendation Letterが手に入るかもよ!!
上でもつらつら列挙しましたが、特に情報系の授業はかなり授業の設計がしっかりしていて、かつTA制度、チューター制度、補講なども整っており、「授業なんかめっちゃ大変なんだけど頑張ると力がつく」ようにはなっています。(EEICモソウダトオモイマス)
また生徒主体の授業やコンペ形式の授業など、受講できる授業の幅も広いので、そこも面白いところかなと。
英語力は毎週の課題だったり(うっかり政治学の授業とかを取ると毎週300Pくらい教科書と参考論文を読まされます)(でも英語面接が余裕になるとは言っていない)、チームでのプロジェクトで結構なんとかなるようになります。
生命力についてはちょっと次の項で。
就職については、シリコンバレーは今エンジニア不足ということで毎週のようにキャンパスリクルーティングや企業がスポンサーとなった授業などがあり、こう言った企業の方から話を聞く機会は多かったです。また実際に働いている友人にお願いしてオフィスに遊びに行かせてもらったりして、シリコンバレーのテック企業の雰囲気は色々見れました。
(ただ実際に働くとなるとおそらく圧倒的なビザの壁があると思われるのですがここについては私もまだ深く理解していないので割愛)
最後のRecommendationについてはおそらく一部の方向けにはなってしまうのですが、学部から海外院へ直接進学したい(phDでもMaster Onlyでも)おそらく高い壁の一つがいわゆるRecommendation Letterを誰に書いてもらえるか、になると言われています。
実際私が海外院の合格者をどう決めるのか、についてバークレーの教授に聞いてみたところ、
研究成果もエッセイも成績ももちろん見るけど、やっぱり僕らの知ってる先生が勧めてくる子はちゃんと見るよね。
なんていう言葉も。(もちろんこれは全てではないし一個人の意見だと思います)
留学中にリサーチアシスタントとして研究チームに参加して教授と顔見知りになっておけば、もしかしたら顔の広い教授に推薦状を書いてもらうことも可能かも…?
実際に知り合いで、
学部4年生でアメリカの大学に留学→
リサーチチームに参加、その時の実績をもとに推薦状を書いてもらう→
カーネギーメロン大学に修士進学→アメリカで就職
といった方もいらっしゃいました。
逆にここはどうなの学部留学。
- 結構な確率で一年学年を降りる必要アリ。
- 費用(死)(留学する地域、大学にもよります)
- 犯罪に巻き込まれる確率は高いよ!!!!(留学する地域、大学にもよります)
- すごい人を見てすごーいとなるけど行き過ぎると鬱になる。
私の場合は最初から休学留学という形を取っていましたが、交換留学という形で留学をしていても、二学期間留学をしていた友達には認定単位数、就職活動の関係で一つ学年を降りている人も多かったです。まあでもここは長い人生の中の一年だしなあと割りきれる人ならあまり気にしなくていいともいます。
ツイッターで学科の同期に
年がばれますよ。
ジェネレーションギャップですね。
とか煽られても気にしない広い心を持ちましょう。
費用はかかります。詳しくは「アメリカ 大学 学費」もしくは「シリコンバレー 生活費」でググってください。親孝行しましょう。
犯罪に巻き込まれるかは多分人によるのですが、私はトラブルに遭いやすいみたいで
- MacBookAir盗難
- 学生証盗まれる
- 変な人についてこられる
などまあめんどくさいことが多かったです。
これもちゃんと自衛する、犯罪にあった時はCrime Reportと保険会社への連絡を真っ先にするなど頑張ればなんとかなるし、トラブルシューティング能力とかはつくと思いますが。。。
アメリカの中でも安全な地域でこれなので、やはり日本と比べると犯罪遭遇率はかなり高いので気をつける必要があります。
最後の項目については留学に限った話ではないかもしれませんが、やはり自分の母語ではない言語、慣れない環境で授業やクラブに参加すると、普段以上にコミュニケーションの取れないもどかしさや劣等感に苛まれることが多くなります。
バークレーでは飛び級入学をしてる博士課程の18歳や授業のTAをしている年下の学生に劣等感を感じることもしばしば…
そこも含めて良い経験ではあったのですが、インターンの面接やリサーチチームでうまくいかなかった時期は毎日鬱々とした気分でした。
そういう状態にはまりすぎないように注意は必要だと思います。
以上とりとめのない長文になって申し訳ないのですが、学部留学をしようか考えている方、またなんとなく海外大の授業についてどんな感じか知りたいみたいな方の参考になれば幸いです。
最後に、微妙にポスト遅れてすみませんでした!!!!!!!!!