初めに
今回、DockerコンテナからadbコマンドでPCにUSBケーブルで接続しているスマホを操作する機能が必要でしたので、環境構築を行いました。
環境
- 必要
- usbipd
- Docker Desktop for Windows
- Androidスマホ（デバッグモードをオンにできるもの）
- Windows PC
- 試した環境
- usbipd 4.3.0-70
- Docker Desktop for Windows 4.30.0(仮想環境はWSL)
- Android 14および15
- Windows 11
本題
DockerでPythonコンテナを建てる
自身のプロジェクトでは他のコンテナも必要なため、docker-composeを使って設定し、DockerfileでADBツールをPythonコンテナ内にインストールします。
docker-compose.yml
version: '3'
backend:
build: .
container_name: backend
volumes:
- ./opt:/opt # 任意
- /dev/bus/usb:/dev/bus/usb # USBデバイスへのアクセスに必要
privileged: true # USBデバイスへのアクセスに必要
tty: true # USBデバイスへのアクセスに必要
stdin_open: true # USBデバイスへのアクセスに必要
ports:
- 5000:5000
devices:
- "/dev/bus/usb:/dev/bus/usb" # USBデバイスへのアクセスに必要
environment:
- ADB_SERVER_PORT=5037
- HOST_PATH=${HOST_PATH}
- DB_HOST=db
- DB_PORT=3306
- DB_USER=${DB_USER}
- DB_PASS=${DB_PASS}
- ROOT_PASS=${ROOT_PASS}
Dockerfile
FROM python:3.11
# ADBをインストール
RUN apt-get update && apt-get install -y android-tools-adb && \
apt install sqlite3
COPY /opt/requirements.txt .
RUN pip install --no-cache-dir -r requirements.txt
{省略}
コンテナを立ち上げます。
docker-compose up -d --build
PCにusbipdをインストール（未インストールの場合のみ）
usbipdの使い方やインストール手順は、以下のMicrosoft公式ドキュメントを参照してください：
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/connect-usb
以下は簡易的な手順です：
1.管理者権限でPowershellを開き、以下のコマンドを実行します。
winget install --interactive --exact dorssel.usbipd-win
2.インストール後、Powershellを再起動し、以下のコマンドでインストールが成功しているか確認します。
usbipd --version
スマホをDockerと接続する
1.開発者モードを有効にし、デバッグモードをオンにしたスマホをPCに接続します。
- 開発者モードの有効化手順：https://developer.android.com/studio/debug/dev-options?hl=ja
- スマホに表示されるUSB接続の許可ポップアップは忘れずに許可してください
2.usbipd list コマンドを実行し、接続するスマホの BUSID を確認します。
（例：Pixel 7aを接続）
usbipd list
Connected:
BUSID VID:PID DEVICE STATE
1-1 18d1:4ee7 Pixel 7a Shared
1-6 5986:1198 Integrated Camera, Camera DFU Device Not shared
1-9 10a5:d805 FPC Fingerprint Reader Not shared
1-10 8087:0033 インテル(R) ワイヤレス Bluetooth(R) Not shared
3.管理者権限で以下を実行し、スマホを共有可能にします。
※PC環境で接続デバイスをFlutterなどで接続している場合は -fをつけたほうがいいです。
usbipd bind --busid 1-1
WSL環境の場合、以下のコマンドでUSBデバイスを接続します。
usbipd attach --wsl --busid 1-1
Pythonコンテナ内に入り、以下を実行して接続を確認します。
Pixel 7aが確認できます！
adb devices -l
List of devices attached
33021JEHN10712 device product:lynx model:Pixel_7a device:lynx transport_id:1
最後に
Dockerとスマホの接続は一見難しそうですが、意外とシンプルな手順で実現できました。
adb コマンドを使うことで、Pythonコンテナからスマホの写真を取得したり、データを送信したりといった操作が可能です。ぜひ活用してみてください。
間違いや改善点があればコメントいただけると嬉しいです！
参考